随想 「反省のないあなたへ」 衆議院議員 田村貴昭

 反省のないあなたへ。あなたはいつも議場でヤジってますね。先日は本会議の登壇者に「議長、杉田(水脈)議員のヤジを止めてください」と名指しされていました。
 
 あなたの発言はヤジにとどまらず、性的少数者や隣国を目の敵にして、多くの人が傷ついています。今回は、同性カップルを念頭に「生産性がない」「税金を投入するのがいいのか」と主張しました。日本はそういう国会議員を許容しているのか――外国からそう見られたなら、私は同じ議員でいることが、恥ずかしくていたたまれない気持ちです。
 
 「生産性がない」などよくも言えたものです。こんな声も間きました。「自分年金暮らしだが、『年寄りはいらない』と聞こえた」。あなたにその気はなくても、働くことができない、働き終えた方も大変不愉快な思いをしています。
 
 あなたの党、自民党の幹事長は「人それぞれ政治的立場、いろんな人生観、考えがある」と述べました。確かに人はそれぞれです。LGBTの方も、ハンディキャップを持った方も、病気の方も、元気な方も、そしていろいろな考え方があります。その多様性、個人の尊厳を認め、保障するのが政治の役割ではありませんか。
 
 発言を撤回・謝罪しないのなら、議員を辞職すべきです。あなたをかばい、差別を容認する自民党には、政権から退場いただきたいと思います。
 
 追伸。先日、ブラックな働き方をしてきた青年と会いました。「今の賃金では結婚もできない。将来不安しかない」。格差と貧困をひろげ、子どもを産み育てたい方々の願いに背いているのも、あなたの党であることを付言しておきます。(しんぶん赤旗 2018年8月3日)