赤旗水曜随想 「度しがたい追従ぶり」/衆議院議員 田村貴昭

IMG_1986 (2) 航空自衛隊新田原基地(宮崎県新富町)で10月26日から始まる日米共同訓練で、米兵約20人が宮崎市内のホテルで宿泊する。すでに先遣隊50人が19日に新田原基地に入り、ホテルに泊まった。しかも米軍は防衛省を通さず、直接ホテルに予約を入れていた。
 
 なめられた日本政府。県知事、市長が防衛相に基地内での宿泊を再三要請したのにもかかわらず、一顧だにせず「コロナの対策上、基地内の宿泊は困難」だと。どこの国の政府か。沖縄米軍基地内のコロナ感染者数はこれまで411人。宮崎県の366人を上回る。市民、県民はどうなってもいいのか。
 
 昨日(20日)、九州防衛局に新富町の住民とともに抗議して訓練中止を申し入れた。そもそも基地内の宿泊施設は米兵用に造ったものだ。担当課長は「新田原基地には70人しか宿泊できない」と説明。だったらやめればいいではないか。基地とホテルの移動手段は、との問いには「基地からホテルにはレンタカーで移動する」。米兵が市中で自由に行動できるということではないか。県民の63・5%がホテル宿泊に「理解できない」(宮崎日日新聞アンケート)としているのは、こうした懸念があるからだ。
 
 コロナウイルスとのたたかいで、軍事力が何の意味ももたないことは、万国共通、自明の理である。ましてコロナ禍の中で感染拡大の温床を政府がつくるなど言語道断である。
 
 沖縄の負担軽減と言いながら、辺野古新基地建設を強行し、本土の自衛隊基地の米軍化をすすめ、あくなき戦争協力、戦争できる国にしようとする菅政権。度しがたいアメリカ追従への政治に、明確な審判を下さなければならない。政権交代で。(しんぶん赤旗 2020年10月21日)