「水曜随想」 封じ込め作戦 湧く闘志

街頭からマイクで訴える田村氏=佐賀市

 民主党が衆議院で衆議院定数の削減を強行した。「国民に消費税増税をお願いする以上、国会も身を削らねばならない」と輿石東幹事長。民主主義の根幹である選挙制度を公約違反の悪政の原因に置き換えるなんとも姑息(こそく)なやり方だ。マスメディアは次いで、大阪維新の会が定数半減(480→240議席)をぶちあげたことを垂れ流す。

 戦前、国を統治する全権限を天皇が握る専制政治が、国民を戦争にかりたてた。その反省から新しい憲法では、主権在民、三権分立を確立し、分けても国権の最高機関を国会とした。定数削減とりわけ民意を反映する比例定数の削減は、最高機関の役割を否定し、「私たちは役たずです」と言っていると一緒ではないか。威厳もなんもあったものではない。

 どうしてこうも軽々しいのか、そのはずだ。民主党にはそもそも綱領がない。それゆえに政治評論家の森田実氏曰く「民主党は究極の無原則、無理念、無責任な政治家集団である」。「羅針盤なき航海」に国民の不満は増すばかりで、それが、議員・公務員削減の“うっぷん晴らし政治”につながっている。

 民青同盟の九州リーダー研修で日本共産党綱領の話をした。歴史を踏まえ、未来を見すえる行動指針を持っているからこそ、われわれは国民に根を張り、90年間がんばることができたのだ。究極の無責任勢力に戦後民主主義の流れを変えられてたまるか。

 民主主義を徹底するなら、国民・市民の代表は多い方がいい。しかし、そうすると共産党の議席が増える――「平成の大合併」も比例削減も、あの手この手の共産党の封じ込め作戦か。と考えるならば、また闘志がわいてくる。紆余(うよ)曲折はあっても、社会発展の流れは止められないのだから。(しんぶん赤旗 2012年8月29日)

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