水曜随想

水曜随想 気持は「金帰火来」 田村貴昭衆院議員

 「金帰火来」。国会議員が金曜の夜に選挙区に帰り、週末に地元での政治活動をして火曜に東京に戻ることの意味だが、現実はそうはいかない。私の所属する総務委員会は今週、異例の月曜開催となった。予算案を早く通したい政権与党は、審議を急げと、窮屈な日程を持ち出してくる。

 委員会で討論に立っているときに、本会議招集のベルが鳴る、予算委員会の答弁に大臣が呼ばれると、常任委員会の審議は休憩となる。なんてところだ国会は。と思いながら、今週は3回の質問にたつ。暴走安倍政権とのたたかいは、見えない日程の中で、時間との格闘でもある。

 「社会保障を守れ」「労働法制の改悪許さない」「ストッフ!消費税増税」「原発ゼロヘ」等々、連日国会には切実な国民要求が寄せられる。デモ隊を励ます共産党議員団に「おっ、景色が変わった」「増えたなぁ。頼むぞ」と声がかかる。躍進を実感する瞬間だ。要求実現にがんばらねば。

 寒さに凍えた初登院の日からもうすぐ3カ月。首相官邸や議員会館まわりの植え込みの木々にも、新芽が出てきた。いっせい地方選では、大輪の花を咲かせたいものだ。あっちもこっちも応援に行きたいのだが、それがままならぬ歯がゆさ…。そんなとき、福岡の地方議員からメールが入った。「田村質問を聞いて、地方交付金活用による住宅リフォームを市に要望したら、商品券方式で実施することになりました」。地方と切り結んで、政治を動かすのは私の本望。とてもうれしい。

 国会での日々の活動を選挙にも生かすぞ。気持ちはいつも「金帰火来」である。(しんぶん赤旗 2015年月11日)

水曜随想 原発マネーもうやめよう


九電申し入れの後、抗議の座り込みを続けている「九電前ひろば」にて=11月5日

 「原発をゼロにしたら働き口がなくなるのでは」― 集会でよく出される質問なのだが、実は逆。たとえばドイツのオプリヒハイム原発は稼働時249人だった雇用が廃炉作業に移ると350人へと増えた。廃炉を決めた他の原発でもみんな雇用増だ。

 施設の解体、廃棄物の処分、撤去までの維持など廃炉までには多くの仕事を要する。これに加えて、自然エネルギーヘの転換などでさらに雇用は広がる。そう話すと、質問した方の顔がほころぶ。

 日本の原発固執勢力はしぶとい。「原発は必要」「使用済み核燃料の再処理は可能」― 5日に九州電力と交渉したら、福島事故直後は神妙だった態度が明らかに変わっていた。

 佐賀県への早稲田進出に20億円をポンと寄付し、大学関係者との懇親・宴会に電気料金をあてがうなど、立地自治体への〝懐柔工作〟がマスコミをあげて批判されている。九電の甘い金銭感覚を批判し、電気料金の値上げの中止を求めたのは言うまでもない。

 原発のある鹿児島県薩摩川内市をみて回った。商店街はお世辞にもにぎわっているとは言えず、閉鎖されたホテル・旅館が長くそのままの状態。耕作放棄地は県内で最も増えた。立地交付金は下りても箱物に化け、市民福祉の向上には使われない。

 街の自立的発展を妨げる原発マネー。もうやめよう。自然との共生とそれを生かした新エネルギーの創出こそが九州の、日本の進むべき道と信じる。(しんぶん赤旗 2012年11月7日)

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“新・九沖(きゅうおき)”豆知識⑨
住宅用太陽光発電の普及率1位は?
➀佐賀県 ②宮崎県 ③沖縄県

答え①
くわしくはコチラ

水曜随想 うそっぱち内閣に大手

 人の嫌がることをしてはいけません― 誰もがそう言われて育ったのに、この国では総理大臣が率先して教えに反する。学校や社会でいじめがなくならないはずだ。

 オスプレイが沖縄に配備された。魂からの怒りの声をあげる沖縄県民。「黙っているのは認めてしまうこと」と、普天間基地前で幼子を抱いたお母さんが淡々と語った。そうだ、絶対にあきらめてはならない。


沖縄県民大会会場でTVの取材を受ける田村貴昭さん=9月9日、宜野湾市

 9月9日の沖縄県民大会。10万人が集う会場をまわったが、〝沖縄独立論″はもう聞かれなくなった。大会決議では米軍普天間基地の「閉鎖・撤去」が採択され、基地移設から「安保を見直せ」へ世論が動いていることを肌身で感じた。沖縄と本土の懸け橋にならねば。

 オスプレイが低空飛行する「イエロールート」「パープルルート」の直下にある市町村を訪ねてまわる。熊本のある市長はきっばり言い切った。「無気力な政権の中で安保に押し切られている」。領土問題でナショナリズムをあおる「二大政党」とマスコミ。日米同盟の強化に結びつけたいところだが、国民をなめてはいけない。生命・財産を脅かして何が安全保障か。

 野田第3次改造内閣を「解散したくない閣」とはうまくいったもんだ。離党に歯止めをかけることばかりに腐心した人事、もはや国民の意識も感情も見えないだろう。「生活者が主役」といって増税。「労働条件を改善する」といって日雇い派遣もなくさない。「原発をゼロにする」といって新原発を建設。そして、「最低でも県外」といって沖縄に最悪の状況を押しつける。

 薄っペら政治、うそっばち政権はいよいよ行き詰まった。言い換えれば、国民に完全に追い詰められた。解散・総選挙へ王手だ。

“新・九沖(きゅうおき)”豆知識⑨
〔続〕JR九州の駅名。なんと読むでしょう?
➀御井(福岡)②玉来(大分)③折生迫(宮崎) 

答え
① みい ②たまらい ③おりゅうざこ
詳しくは私のブログをご覧下さい。
http://tamura.air-nifty.com/1961/

「水曜随想」 封じ込め作戦 湧く闘志

街頭からマイクで訴える田村氏=佐賀市

 民主党が衆議院で衆議院定数の削減を強行した。「国民に消費税増税をお願いする以上、国会も身を削らねばならない」と輿石東幹事長。民主主義の根幹である選挙制度を公約違反の悪政の原因に置き換えるなんとも姑息(こそく)なやり方だ。マスメディアは次いで、大阪維新の会が定数半減(480→240議席)をぶちあげたことを垂れ流す。

 戦前、国を統治する全権限を天皇が握る専制政治が、国民を戦争にかりたてた。その反省から新しい憲法では、主権在民、三権分立を確立し、分けても国権の最高機関を国会とした。定数削減とりわけ民意を反映する比例定数の削減は、最高機関の役割を否定し、「私たちは役たずです」と言っていると一緒ではないか。威厳もなんもあったものではない。

 どうしてこうも軽々しいのか、そのはずだ。民主党にはそもそも綱領がない。それゆえに政治評論家の森田実氏曰く「民主党は究極の無原則、無理念、無責任な政治家集団である」。「羅針盤なき航海」に国民の不満は増すばかりで、それが、議員・公務員削減の“うっぷん晴らし政治”につながっている。

 民青同盟の九州リーダー研修で日本共産党綱領の話をした。歴史を踏まえ、未来を見すえる行動指針を持っているからこそ、われわれは国民に根を張り、90年間がんばることができたのだ。究極の無責任勢力に戦後民主主義の流れを変えられてたまるか。

 民主主義を徹底するなら、国民・市民の代表は多い方がいい。しかし、そうすると共産党の議席が増える――「平成の大合併」も比例削減も、あの手この手の共産党の封じ込め作戦か。と考えるならば、また闘志がわいてくる。紆余(うよ)曲折はあっても、社会発展の流れは止められないのだから。(しんぶん赤旗 2012年8月29日)

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“新・九沖(きゅうおき)”豆知識⑧
冷凍食品の消費量日本一は?
?福岡県 ②佐賀県 ③熊本県

詳しくは私のブログをご覧下さい。

水曜随想 福島の声聞き奮い立つ

 先月、福島視察の機会を得て、放射能汚染に苦しむ被害者の声を聞いてきた。南相馬市で地震や津波の被害が手つかずの地域を見た。足を踏み入れることができない地域では、「3・11」以降、時間が止まったままだ。

 全町避難の浪江町。二本松市の仮設住宅で放射線量を計測したら、上限容量を9倍も上回るところで子どもたちが無邪気に遊んでいた。


 「できるだけ遠くでとれた野菜が食べたい」とお母さんたち。あたりまえの地産地消が福島では非現実のものとなった。北九州に戻ってすぐの演説会でこの声を紹介したら、たくさんのカンパが寄せられ、農民組合からこれまたたくさんの米、野菜を送ることができた。

 「原発はこりごり。(大飯原発の)再稼働なんて信じられません」。お母さんたちの願いに、九州から連帯し続けたい。

 福島市にある飯舘村の仮設住宅。管理人の女性は涙をこぼしながら語ってくれた。「ばあば、ごめんね。福島には行けない」。県外に住むお孫さんからの電話。

 故郷に戻れるのか、戻れたとして戻るべきなのか、答えの見えない問いに日々向き合っている。家があるのに帰ることができない。子や孫にも会えない。目の前に田畑があるのに作付けができない・・・こんな理不尽なことがあろうか。

 「国や東電とたたかうことで、自分を奮い立たせています」。奮い立たされたのは逆に私だった。一日一回、被災地のことを思いたい。愚かな歴史を二度と繰り返してはならない。ノーモア福島。

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“新・九沖(きゅうおき)”豆知識⑦

焼酎の消費量日本一の県は?
➀宮崎県 ②鹿児島県 ③沖縄県