モーリシャス座礁 生態系に重大な影響 田村貴昭氏聞き取り

政府に要請する田村貴昭議員(正面手前)=2日、国会内 商船三井が手配した長鋪(ながしき)汽船所有の貨物船「WAKASHIO(わかしお)」が、インド洋のモーリシャス島南東沿岸のサンゴ礁で座礁した事故から1カ月が経過したもとで、日本共産党の田村貴昭衆院議員は9月2日、国会内で外務省、環境省、国土交通省、海上保安庁から被害状況や政府の対応について聞き取りを行いました。
 
 この事故で千トン以上の重油等が流出し、生態系に大きな影響を及ぼしています。同島の海域は世界的にも貴重で、多様な生態系が形成されています。
 
 海上保安庁の担当者は、海上を漂流、砂浜に漂着した重油の回収はほぼ終えたと述べました。環境省は、マングローブ林に漂着した重油の回収方法を模索しており、座礁した船尾部分やオイルフェンスがサンゴ礁を削り海域を汚濁しているとして今後、長期のモニタリングが必要と説明。マングローブやサンゴ礁、鳥類の生態に詳しい専門家を2日に現地へ派遣したと語りました。
 
 田村氏は、「日本の企業が所有する船が生態系に重大な影響を及ぼす重大な事故を起こした。日本政府の対応が遅いと指摘せざるを得ない」として、「生態系への影響を最小限に食い止めるよう努力すべきだ」と要請しました。(しんぶん赤旗 2020年9月3日)