改定漁業法施行 生活・経営守る資源管理へ 沿岸漁民連などフォーラム

資源管理問題について議論、学習した沿岸漁民フォーラム=1日、参院議員会館 (3) 2018年に漁民の声を無視して成立した改定漁業法が施行された12月1日、沿岸漁民の暮らしと漁協経営を守る資源管理制度を求めるフォーラムが、参院議員会館で開かれました。JCFU全国沿岸漁民連絡協議会(沿岸漁民連)、21世紀の水産を考える会の共催。
 
 改定漁業法で、指定した魚種で漁業者ごとに漁獲枠を配分する制度が導入されました。
 
 沿岸漁民連共同代表の高松幸彦さん(北海道・沿岸クロマグロひき縄漁)は、北海道の定置網の超過を理由にひき網漁業者まで配分ゼロとした処分の取り消しを求めた訴訟について報告。漁民敗訴の札幌地裁判決は「事前に超過を防ぐ規制をしなかった行政の責任を不問にし、漁民の疑問を無視した不当な判決だ」と批判しました。
 
 講演した東京海洋大学名誉教授の桜本和美さんは、国が資源管理の根拠としている「理論」は「実際の資源変動を説明できず、この理論に基づく管理に科学的合理性はない」と指摘。三重・鳥羽磯部漁協幹事の佐藤力生さんは、新しい資源管理は沿岸漁業の衰退につながり、「公共資産である水産資源を企業の差しだすものだ」と強調しました。
 
 香川県・与島漁協組合長の岩中高夫さんがコメントを寄せ、「改正漁業法は沿岸漁民や漁協に背を向けるものだ。私たちは沿岸漁民の生活や地域漁村の経済を守りぬく」と表明しました。
 
 日本共産党の田村貴昭衆院議員や立民、国民両党議員があいさつ。田村氏は「沿岸漁民の不利益をもたらす政治を一緒に変えていこう」と訴えました。(しんぶん赤旗 2020年12月2日)