漁師総出で重油除去 博多港の貨物船事故 田村衆院議員調査

博多港の岸壁に流れ着いた油を調査する田村氏(左)と党福岡市議団のメンバー=3日、福岡市中央区 福岡市の博多港で貨物船が防波堤に乗り上げた事故で、日本共産党の田村貴昭衆院議員と福岡市議団は12月3日、燃料の重油漏れによる漁業被害を調査しました。
 
 事故を起こした貨物船はパナマ船籍の「LADY ROSEMARY」。11月28日、博多港を出発した際、防波堤に衝突して乗り上げ、いまだそのままになっています。オイルフェンスを設置していますが、油が博多湾全体に広がっています。
 
 田村氏は、埠頭(ふとう)から貨物船を視察した後、同市福浜の市漁協伊崎支所を訪問しました。応対した支所運営委員会の半田孝之会長は、「コロナの緊急事態宣言が終わり、魚の価格も回復、漁の最盛期にあたる一番大事な時期だったが休漁状態だ」と話しました。保険会社から委託を受けた業者などに加え、漁師も全員で油の除去にあたっていますが、回収しても次の日の朝にはまた油が広がっている状態と述べ、「漁や船の仕事には慣れている漁師たちも慣れない重労働で疲れ切っている」と語りました。
 
 田村氏は、「漁業共済に入っていなければ補償は何もなく、加入していても収入が断たれることに変わりはない。コロナで借入金がかさみ制度融資に二の足を踏む方もおり、軽石被害の問題では国の直接補償を求めている。党市議団、県議団とも連携して対策を求めたい」と語りました。(しんぶん赤旗 2021年12月5日)