長崎の原爆被害者に手帳を 当事者と党議員ら国に要請

無題.png長崎①.png2 国が定めた地域外で被爆したため被爆者と認められない「被爆体験者」でつくる長崎被爆地域拡大協議会と日本共産党の田村貴昭衆院議員、仁比聡平参院議員、長崎の日本共産党の議員らは9月27日、オンラインで、長崎におけるすべての原爆被害者に被爆者手帳を交付することなどを厚労省と外務省に要請しました。
 
 拡大協の峰松巳会長は「黒い雨は長崎にも降っており、実態に合った救済をすべきだ」と訴えました。
 
 被爆体験者の津村はるみさんは、甲状腺がんになり全摘したことを紹介。「あとどれくらい生きられるか」と不安を語り、被爆者と認めるよう求めました。
 
 山本誠一同会事務局長は、島原半島でも放射性降下物による健康被害があったと証言する人がいたと紹介。「広島同様、広範囲に原爆被害は及んでおり、被爆の実相を認め、世界に明らかにすることで、核兵器廃絶の先頭に日本政府は立つべきだ」と迫りました。
 
 田村、仁比の両議員は、「広島はいま被爆地域拡大の運動が広がり、新たに被爆者となる人が語り始めている。長崎の原爆被害者については、“地域拡大は困難”と切り捨てるのか」と迫りました。
 
 厚労省は、「被爆体験者事業にがんの一部を追加する。速やかに厚労省に検討させたい」との岸田首相の発言を受け、来年4月からの運用を目指し検討中と回答しました。
 
 外務省は、核保有国が参加していないことを理由に、核兵器禁止条約には参加しないとするこれまでの回答を繰り返しました。
 
 要請項目は▽広島「黒い雨」高裁判決を踏まえ、長崎での遠距離被爆の住民を含むすべての原爆被害者に手帳を交付すること▽世界唯一の戦争被爆国として、日本政府は核兵器禁止条約に速やかに署名・批准し、核兵器のない世界の実現のために先導的役割をはたすことなど5項目です。(しんぶん赤旗 2022年9月28日)