農漁共存こそ解決の道 諫早湾干拓問題 4県漁民の集い 佐賀

4県漁民の会議=29日、佐賀市 国営諫早湾干拓事業(長崎県)で閉め切られた潮受け堤防の開門を求める「よみがえれ!有明訴訟」を支援する全国の会は4月29日、佐賀市で「4県漁民の集い」を開きました。
 
 同訴訟の原告団に加わる4県(福岡、熊本、佐賀、長崎)の漁業者と支援者ら約30人に加え、長崎県農業振興公社などに対して農業被害の損害賠償と開門を求めて提訴したマツオファームの松尾公春社長(61)が干拓地営農者として初めて参加しました。
 
「よみがえれ!有明訴訟」弁護団の馬奈木昭雄団長は、4県の漁連が国の基金案(開門なし)を受け入れる姿勢を示したことを批判し、「裁判所が農水省の言い分に乗っていることは許しがたい問題です。私たちは漁業者も営農者も納得できる解決案を議論しようと提案してきた。農漁共存が唯一の解決策だ」と強調しました。
 
 広大な農地でのカモの食害、冷害などの実態を告発した松尾社長が「リース料の支払いなど義務と責任は全て果たしてきたのに、『言うことを聞かないから』と県に退去を迫られている。こんなことがあっていいのか。みなさんと共に頑張っていきたい」と発言すると大きな拍手が起こりました。
 
 漁業者からも「営農者と一緒に農漁共存の立場で頑張ろう」との発言が相次ぎました。
 
 佐賀県太良町の平方宣清さんは「組合で基金案を受け入れないことを確認した。絶対に開門しないといけない」と語りました。
 
 農林水産委員会で農水省の立場を追及する日本共産党の田村貴昭衆院議員は「堤防内の調整池が原因で大きな農業被害が発生している。開門しなければ干拓農地の問題も解決しない。超党派で取り組みを広げていきたい」と決意を述べました。(しんぶん赤旗 2018年4月30日)