福岡・空自築城基地 拡張計画 予算取り下げ/住民猛反対 国動かす

無題 福岡県・航空自衛隊築城(ついき)基地(築上町、行橋市、みやこ町)の米軍基地化に伴う拡張問題で、防衛省が2020年度予算への用地取得費計上を取り下げていたことが2月17日、日本共産党の田村貴昭衆院議員の問い合わせでわかりました。住民の猛反対で完成まで約5年としていた計画は大きく見直しを迫られます。
 
 計画では基地南東部に隣接する農地(築上町今津地区)約14ヘクタールを買収し駐機場や滑走路被害復旧訓練場などを整備するとし、20年度予算の概算要求に農地の用地取得費を計上していました。
 
 防衛省が昨年10月に行った住民説明会では「これ以上の騒音の悪化は受け入れられない」「14ヘクタールもの農地を取られたら農業は成り立たない」との反対意見が相次ぎました。今回取り下げた理由について防衛省は「地元からの(反対の)意見があった」と答えました。
 
 防衛省は取得を目指し今後も地元に理解を求めていくとしています。大石良一・今津区長は、団結して意思を示したことが取り下げにつながったと述べ、「自治会としてはこれに安心せず今後も意思表示に頑張っていきたい」と話しました。
 
 地域では党派を超えて「築城基地米軍基地化を許さない!京築住民会議」が結成され、日本共産党も参加。独自に九州防衛局と交渉し「住民の理解が不可欠」と回答を得てきました。とくなが克子・行橋市議は「全県的な反対の広がりが住民要求と結びついた成果。さらに米軍基地化の問題を市民に伝え完全撤回を求めていく」と決意を述べました。
 
 安倍政権は、鹿児島県・馬毛島で自治体の頭越しに防衛予算の流用による用地取得に踏み切るなどなりふり構わぬ基地強化の動きを強めています。築城基地では08年に頓挫した拡張計画を進めるため政治家が住民に働きかけたとの話もあります。
 
 田村議員は「予算計上は見送ったが、いつ強引な買収工作があるかわからない。強い住民の反対にあい、予算もつけられないと明らかになった。緊急時使用・米軍基地化そのものをやめるべきだ」と語っています。(しんぶん赤旗 2020年2月19日)