【災害対策特別委員会】7月豪雨災害の救援・復旧、営業再建、鉄道復旧へ支援を

○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
報道では、既にこのたびの水害で八十二名の方がお亡くなりになり、そして内閣府の取りまとめでは、一万六千軒を超える家屋が被災に遭っています。犠牲になられた方、そして全ての被災者の方にお悔やみとお見舞いを申し上げます。
最初に、災害ごみの撤去について質問します。
熊本県人吉市の災害ごみの収集、撤去が進んでいません。七月十三日、非常災害対策本部で小泉環境大臣は、人吉市では、十日から今日まで、十三日以前ですね、防衛省・自衛隊と協力して、人吉市内の大型災害ごみ一掃大作戦を実施しているというふうに発言されました。ところが、一掃どころか、ごみの山の状況がまだあります。
資料一、お配りしています。これは、きのう、我が党の人吉市議団から送られてきた写真であります。水や泥につかって使えなくなった家具、電化製品、畳、災害ごみが山積みになっています。猛暑で悪臭が漂っています。
そこで、環境省にお尋ねします。
収集、撤去が進んでいない要因は一体何なのか、一掃のめどはあるのか、簡潔にお答えください。


○松澤政府参考人 お答え申し上げます。
先生御指摘の回収が進んでいない要因でございますけれども、一つは、雨が長期間降り続いたため、片づけが進まなかったことがあると思います。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でボランティアの募集が県内に限定されていることなどによりまして、災害廃棄物を仮置場に搬入するための人手が不足している、こういったことが要因と考えられると思います。
こうした状況を踏まえまして、地元の清掃業者による収集、運搬、処分に加えまして、環境省では、関係自治体に協力をお願いし、まず、熊本市によるごみ収集車最大二十台程度での収集、運搬、処分の支援、さらに、本日からは広島市などのごみ収集車十台程度での収集、運搬の支援を実施しております。
今後も、早期に先生御指摘の町中の災害廃棄物を回収できるように、こうした収集、運搬、処分の支援体制を強化してまいりたいと考えております。


○田村(貴)委員 広域が、きょうから、広島からですか。遠いですね。そして遅いですね。被災者の方は、車を持たない方は、そのごみを持っていくことができないわけですよね。そして、軽トラックのレンタカーもなかなか借りられないという大変厳しい状況の中にあります。市役所に電話しても、集積所に持っていってくださいというふうに答えられたと。本当に困っています。そして、仮置場は市内に一カ所だけであります。
これは大臣にお答えいただけるでしょうか。発災から既に三週間以上もたっています。復旧の妨げになっているこの状況をよしとするのでしょうか。広域連携は十分ではありません。家の中から軒先に出すことすらできない被災者の方もおられます。近隣自治体の連携、それから自衛隊などの支援もフル活用してこの状況を解決すべきだと思いますが、いかがでしょうか。


○松澤政府参考人 お答え申し上げます。
熊本県では、現在まで延べ約一万三千人のボランティアが活動をされておりますけれども、人吉市など被害が甚大な地域では、いまだ多くの家屋内の片づけ作業が残っていることを私どもも深く認識しております。
こうした状況を受けまして、人吉市におきまして、搬出が困難な方の家屋からの土砂と廃棄物の迅速な撤去に向けまして、内閣府、国土交通省、熊本県と連携いたしまして、まずボランティアバスの運用によってボランティアの方の参加を促していく、拡大していく、これに加えまして、大雨災害、新型コロナウイルス感染症に影響を受けている地元企業の方もお手伝いを、雇用としてやっていただこうということで、土砂や廃棄物の撤去をこうした方々に委託をする、国交省と環境省の補助事業を連携させた撤去スキームの構築、こういった支援の対応パッケージで撤去を進めたいと考えております。
自衛隊におきましては、これまで畳などの大型災害ごみの搬出支援を実施してきておりますけれども、この対応パッケージにおきましても、支援が必要な場合には協力をしてもらえるということを承知しております。
環境省では、現在、人吉市におきまして、ボランティアと事業者のすみ分け、分担の調整、あるいは市と事業者の契約手続の支援、こういった対応パッケージの実施に向けて取組を進めております。今後も、こうした取組をしっかり進めてまいりたいと思います。


○田村(貴)委員 対応パッケージが目に見えて改善されるように進めていただきたいというふうに思います。
大臣、今の答弁で確認なんですけれども、自治体の要請があったら、自衛隊員に家屋内の作業をしてもらうことは可能なんでしょうか。きのう、私たちも申し入れさせていただきましたが。


○武田国務大臣 本来、家屋の中に立ち入って作業をするということは行っていなかったのが今日までですけれども、圧倒的なマンパワー不足であり、やはり御高齢者、要配慮者の御自宅なんかは大変お困りになっていると思います。そうした場合は、当該自治体の要請に基づき、その職員のどなたかが作業中立ち会っていただけるのであれば前向きに検討していきたい、こういう向きであります。


○田村(貴)委員 収集車の台数をふやして、そして、猛暑の中、悪臭も広がり、衛生上の問題も起こっていますので、取組を加速させてください。
次に、被災家屋の公費解体撤去について質問します。
小泉環境大臣は、住むことのできない半壊家屋を公費解体の対象にすることを表明されました。一方で、環境省の「災害等廃棄物処理事業の取扱いについて」では、損壊家屋等の解体工事は「全壊に限る」としています。これは削除すべきではないですか。いかがですか。


○松澤政府参考人 お答え申し上げます。
環境省では、廃棄物処理法第二十二条に基づき、被災市町村の実施する災害廃棄物の収集、運搬、処分に対して、災害廃棄物処理事業費補助金による支援を行っております。被災家屋の解体への補助については、通常、明らかに廃棄物と観念できる全壊家屋を対象としてございます。
したがいまして、先生御指摘の災害廃棄物処理事業取扱いについての中では、「全壊に限る」としているところでございます。
半壊家屋、この解体につきましては、これまでは、熊本地震など、被害が甚大で家屋の被害も多数に上り、半壊家屋の解体のおくれが被災地の復旧復興の大幅なおくれにつながる、こうしたおそれがあった場合に、特例的に支援をさせていただきました。
今般の令和二年七月豪雨については、大量の災害廃棄物の発生が見込まれるとともに、今般の災害が特定非常災害に指定されたことを踏まえまして、被災者の生活の早期再建を促進するため、半壊家屋の解体も含めて補助対象とさせていただきました。
そして、今後の災害におきましても、大量の災害廃棄物の発生が見込まれて、特定非常災害に指定された場合には、同様の支援を実施してまいります。


○田村(貴)委員 特定非常災害ならば廃棄物としてみなす、それ以外の災害は財産とみなして対象としない。矛盾していませんか。これは災害のたびにいつも問題になるんですよね。ですから、この規定からやはり削除しないと被災者の方は大変困る話ですよ。これは絶対改善していただきたいと思います。
次に、分散型避難、避難所以外で避難されている方の課題と問題について質問します。
コロナ対策で政府は分散型避難を呼びかけました。三密を回避する被災者の方、また、避難所が遠過ぎて行けない、家の一階は冠水したけれども二階で寝暮らししている、そうした方がおられます。自宅や親戚、知人宅で生活を送る被災者は大変多いという状況です。
二十四日の熊本県災害対策本部の資料では、一千五百八十人が避難所以外で避難生活を送っていると出されていますけれども、この数字にあらわれない被災者の方、避難者の方がおられると思います。私も現地を歩いてそれを感じました。
国として、自宅、それから車中、親戚宅などで、避難者の把握が十分にできていると考えていますか。また、そうした方々に生活物資や情報、必要なそうしたものが届いていると認識されているでしょうか。内閣府、いかがですか。


○青柳政府参考人 お答えいたします。
新型コロナウイルスの感染症の現下の状況においては、三つの密の回避の観点から、避難先、避難場所は避難所に限るものではなくて、安全な親戚、知人、友人宅等も避難先となること等についてこれまで促してきたところでございます。
今般の令和二年七月豪雨に伴う災害におきましては、熊本県においては、市町村は、避難所外に避難している方の情報について、避難所に物資を受け取りに来る被災者からの直接把握、あるいはケアマネジャーや民生委員、地域の社会福祉協議会等からの情報提供、また、自治体職員による戸別訪問の実施、また、道路が不通で孤立している地域の場合には、自衛隊、消防、地区の代表者による巡回等によって、避難先を含めた情報の把握に努めているというふうに伺っております。
現状一〇〇%把握できているかということについては、まだ継続調査中というところもございますので、まだ把握できていないところもあるやに伺っておりますけれども、県においては、いわゆる在宅避難者の状況把握というものをチームを組んでできる限り把握をし、また、そういって把握された方々に対しましては、避難所へ来ることが難しい方には、消防、自治体の職員や地区の代表者が支援物資を運搬して、避難所外の地区の拠点においても避難者への物資の受渡しが行われている。また、必要な情報について、ケアマネジャーさんとか民生委員、自治体職員等による訪問の際にも提供されるといった形で、さまざま努力をされておるものと承知しております。


○田村(貴)委員 その努力については、本当に感謝申し上げたいと思います。それでも、取り残されている、そして気がつかないところの集落、そして被災地の方がおられます。
例えば、国道が通行どめになった熊本県八代市の坂本町、ここはもともと、合併前は坂本村でありました。二、三十キロも離れた市の避難所から被災した自宅に帰ってくるのも困難です。町の唯一の商店も被災して、物を売っていません。ですから、物資があるところまでとりに行かなければ調達できない。
今、届けていくという話があったんだけれども、いや、そんなのは届いていないよというところ、私はいっぱい聞いたんですよ。やはりもっと調べる必要がありますよね。高速道路を使って、そして町中の市街地に買物に行かなければいけない、これが坂本町の人たちの今の状況であります。
大臣に決意を聞かせていただきたいんですけれども、自治体の職員も被災されています。マンパワーが決定的に不足しています。それは説明がありました。避難所の管理運営、賃金職員を雇うこともできるはずです。そして、職員の方がやはり被災者の方を訪問する、そして実態状況に当たることができるように調整をしていかなければいけないというふうに思います。応援職員や新たな雇用の力をかりて、避難所以外で暮らす被災者の状況をまず把握するということ、これが一点目。
もう一つは、必要な支援が得られず、このままだと猛暑の中、体調を崩して、そして、避難所に物資をとりに行ったらとれるんだけれども、それは気が引けて行けないという方、その気持ち、九州の熊本の人たちの皆様の気持ち、大臣、私も九州です、おわかりになりますよね。
そういった人たちが体調を崩して、災害関連死を生んでしまっては、これは本当にだめだというふうに思うわけです。そういうことがないためにも、必要な物資と情報を届けていく、政府は積極的な役割を今こそ発揮していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。


○武田国務大臣 被災者の避難生活の状況というのはさまざまでありまして、その状況に応じて必要な物資や情報というものを的確に提供していかなくてはならないと思います。
このため、七月十日、自治体に対して通知を発出しました。在宅で避難生活を送っている被災者に対しましても、まずは、食料、水、紙おむつ、生理用品等の必要な物資の配布、また、医師、保健師等による保健医療等のサービスの提供、そして、住まいや生活環境等に関する行政からの正確な情報の伝達等、避難所で提供している物資、情報について、被害の状況や地域の実情を踏まえ、適切に提供するよう促しておるところであります。
また、御指摘の熊本県内の自治体におきましては、ケアマネジャーや自治体職員等を通じて避難所外の避難者について情報が把握されており、避難所へ来ることが難しい避難者には、自治体職員や地区の代表者等から物資や情報を提供しているものと理解をしておりますけれども、こうした取組は、避難所外避難者の見守りも兼ねる重要な取組になってきておると思います。
内閣府としましては、避難所外避難者にも必要な物資や情報が提供され、安心した避難生活を送ることができるよう、自治体と連携しながら、必要な対応に努めてまいりたいと考えております。


○田村(貴)委員 避難所に関連して、旅館やホテルの活用について伺います。
熊本県知事から私も直接要望を伺いました。高齢者等の要配慮者の避難所として被災した旅館、ホテルを活用するために、施設復旧費用を国庫負担で手当てしてもらいたい、こういう要望を伺いました。
人吉市などでは市街地が冠水して、多くの旅館、ホテルが被災しています。修理費用は避難所の設置のために必要な費用であり、災害救助法による国庫負担で対応できる、すべきだというふうに考えます。早急に対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。


○青柳政府参考人 お答えいたします。
今般の災害で大きな被害を受けた人吉市においては、活用可能な民間賃貸住宅あるいは即入居可能な公営住宅はほとんどないということで、そういう中で、市内のホテル、旅館等の多くが浸水被害を受けて、すぐには活用できないという状態でございます。
そういった状況のもとで、御指摘のように、被害を受けたホテル、旅館を避難所として迅速に活用するために、必要な応急補修工事費用等について、災害救助法、御指摘の災害救助法による国庫負担を行うということを前提として、既に、熊本県、人吉市、またホテル、旅館の経営者等、関係者との調整を、そのスキームを前提として国庫負担をするという前提での調整を進めているところでございます。できる限り早期に改修にたどり着いて避難所として活用できるよう、熊本県、人吉市と連携して支援を行ってまいります。


○田村(貴)委員 続いて、事業者の経営継続支援についてお伺いします。
経済産業省の牧原副大臣にお越しいただいています。
今度の災害の特徴は、コロナ禍の中で起こった災害であります。自粛、休業を余儀なくされて、収入減で経営が本当に大変苦境に陥っている中で災害に遭いました。従来にない経営維持、再建への支援が必要であります。
熊本県は、地震とコロナとそして今度の大災害で三重苦になったとして、グループ補助金、事業所の再開、継続を断念することなく早期復旧ができるようにグループ補助金の活用を要求しています。
また、熊本県はもとより、私がお会いした、福岡県の大牟田市でも大分県の日田市でも、それから鹿児島県でも、被災自治体の市長さん、商店街組合の役員さん、被災事業者の方々、口々に、グループ補助金をぜひ措置していただきたい、うちの県、うちの町でもお願いしたいというふうに要求をされています。
今度の被災でグループ補助金制度は絶対欠かせないと思いますけれども、これは本激です、どこの地域であっても適用すべきと考えますが、いかがでしょうか。


○牧原副大臣 お答えをいたします。
まさに委員が御指摘になられましたように、そもそも、新型コロナウイルスの大変な影響があって経済状況が悪化している。また、各地、熊本においては、地震という被害にも遭ってトリプルパンチになっている。あるいは、ほかの地域でも、たびたび豪雨被害があったりされている。そうしたことによって、更に今回の豪雨で大変大きな被害を受けて、多くの中小企業やまた小規模事業者の皆さんが事業再開自体への気力を失いかねない、大変厳しい状況にあると我々は認識をしているところでございます。
安倍総理からも、被災者の生活と生業の再建に向けた対策パッケージについて今週中に取りまとめるように改めて御指示があったところでございまして、現在、最終的な詰めを行っているところでございますが、委員御指摘になられましたような被災地の被害の実情やあるいは被災した事業者の皆さんの実態も踏まえて、しっかりとした支援策の内容について検討していきたいとも考えております。


○田村(貴)委員 グループ補助金と持続化補助金では規模が全然違いますので、全面適用を強く要求します。
続いて、先ほど、心が折れそうだという話ですね。心が折れそうだという言葉を、被災地の温泉旅館街、それから商店街で事業者さんの声をいっぱい聞きました。そして、合い言葉として、もう金は借りられんばい、借りるだけ借りたといった声をいっぱい聞いてまいりました。
そこで、やはり支援策は拡充すべきだというふうに思っています。人吉市の松岡市長さんがこのようにおっしゃった。経済活動の中心が広範囲にわたってダメージを受けていると。そして、債務、借金を抱えて、いっぱいいっぱい背負って、さあ、今からだというときに被害を受けたので二重のダメージを受けている、町全体が消滅の危機に直面していると言わざるを得ない、自力での回復はなかなか厳しいと。ですから、今までにない支援措置が必要だと思います。
ですから、グループ補助金の事業者負担分を緩和するやり方、あるいは直接の給付金、持続化補助金もあったんだけれども、また大きな被害が出たんだから、直接支援の給付金、こうしたものが必要だというふうに私は考えますけれども、そういう検討はされているんでしょうか。


○牧原副大臣 今委員が御指摘になられましたように、事業者の皆さんが事業継続に希望を持てるような支援策をちゃんとやっていくということが重要であると考えております。
他方で、こうした被災者の事業者の皆さんの支援に当たっては、被害の実情をしっかり踏まえることに加えて、過去の災害対応の公平性にも留意をするということも必要であるということで、こうした観点に留意しつつ具体的な支援策を取りまとめてまいる所存でございます。
給付金というわけではありませんが、例えば昨年の台風十九号の際に定額補助というような措置がございました。この台風十九号の際でグループ補助金をやったんですけれども、東日本大震災からの復興途上にある宮城県及び福島県については、一定の要件のもと、五億円までの定額補助を実施したということがございます。
こうしたことも踏まえつつ、被災者の実態や過去の支援措置もしっかり踏まえて、具体的な支援策の検討を進めてまいりたいと思っております。


○田村(貴)委員 十九号のときの宮城県、福島県の例が今出されました。やはり二重被災、今度はコロナがあっての二重被災ですから、これはやはり同じ適用が必要だ、プラスアルファも必要だというふうに私は考えます。心の折れない支援、そして希望の持てる対策、ぜひ進めていただきたいと思います。
続いて、被災鉄道の問題についてお伺いします。
国土交通省、御法川副大臣にお越しいただいています。
鉄道の被害も甚大であります。私も見てまいりました。
資料の二、裏側の二をごらんいただきたいと思うんですけれども、第三セクターのくま川鉄道、国の登録有形文化財の球磨川第四橋梁が流失しました。ここは線路が洪水で浮いて、枕木が浮いて、大被災しているんですけれども、その先に河川橋梁が落橋しているという大惨事になっています。運行再開のめどは立っていません。沿線には四つの高校があって乗客の八割は高校生、八百五十人が利用しています。
下の写真です。同じく第三セクターの肥薩おれんじ鉄道、沿線にたくさんの学校があって通学定期の利用は四百人、まさに教育を守る足になっている。
両会社の社長さんともお話をいたしました。ともに収支は赤字であります。そして、国鉄の路線を引き継いだ、地域になくてはならない第三セクターであります。復旧には莫大な費用がかかるというふうにも伺いました。
この第三セクター、地域の足となっている、教育を支える路線に対して、国が全面的に支援を行っていく、そして一日も早い復旧を自治体とともに進めていくことが大事だと思いますけれども、副大臣、いかがでしょうか。


○御法川副大臣 お答え申し上げます。
令和二年七月豪雨では、熊本県内の、今御指摘ございました第三セクター鉄道である肥薩おれんじ鉄道線及びくま川鉄道湯前線でも施設が大きな被害を受けております。今、写真で御提示いただいたとおりでございます。
このうち土砂流入等の被害を受けた肥薩おれんじ鉄道では、順次復旧作業が進められているところです。一方、くま川鉄道湯前線では、これも御指摘ございましたけれども、第四球磨川橋梁が流失する等の被害を受けており、今後、具体的な復旧方法についての検討が行われる予定でございますが、復旧には相当の時間がかかる見込みでございます。
このような経営の厳しい鉄道事業者に対する支援につきましては、熊本地震における南阿蘇鉄道に対して行ったような制度もございますが、このような制度も踏まえながら、早期復旧が可能となるよう、今後検討をしてまいりたいというふうに思います。


○田村(貴)委員 そうですね。南阿蘇鉄道に対する措置、私もあのとき質問させていただきました。
JRも大きな被災に遭っています、久大線それから肥薩線。大臣は国会での答弁の中で、これはもう三セクもJRも含めての意味ですけれども、鉄道施設の早期復旧に取り組んでいきたいと。鉄道施設の復旧、ここが大事なんです。
北部九州豪雨水害で日田彦山線が被災しました。JR九州は、株式上場で民間会社になって、二十八年間、被災鉄道は復旧してきたんです、自力で。ところが、この鉄道から復旧しない、そして、BRT、バス直行路線、こうしたものを打ち出してきて、結局、こういう形で泣く泣く地元の自治体が合意になったという経過が今あるわけです。
しかし、これは被災鉄道なんです。被災鉄道はやはりもとに戻す、これが求められます。その他の経営問題というのは後で議論すべきなんですよ。ここが今大事です。
JR肥薩線それから久大線についても、鉄道による早期復旧に国土交通省として力を発揮していただきたい。いかがですか。


○御法川副大臣 今御指摘ありましたJR九州の肥薩線及び久大線、こちらも橋梁が流失する等の大きな被害が発生しているのは御案内のとおりでございます。
これらの路線のうち、久大線の一部区間では運転再開のめどが立ってございますけれども、それ以外の区間では、現在、復旧方法の検討が行われているところであり、こちらも復旧には長期間を要する見込みとなってございます。
肥薩線及び久大線は、地元の通勤そして通学の足であるだけではなくて、観光路線でもあるということから、国土交通省といたしましては、地域住民の足の確保に努めるとともに、道路や河川等の関連する事業と連携を図りながら、鉄道施設の早期復旧に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。


○田村(貴)委員 それでは、これだけの大被害をもたらした問題について、その原因はどこにあるかということについてもお伺いしたいと思います。
筑波大学の釜江陽一先生は、今度の水害で、日本列島千五百キロにわたる大気の川の現象が起きているというふうに研究結果を報告されています。その規模は信濃川の年間平均流量の八百倍の規模で、相当大きな水蒸気、大気の川が梅雨前線に流れ込んで、想像を絶する大雨をもたらしたと言っています。温暖化が進んだら、この大気の川が巨大化し、頻度もふえるおそれがあると先生は指摘されています。
このような専門家、研究者からの指摘が、今度の水害ではたくさん寄せられています。まさに豪雨被害を毎年のように、そして想像を絶するような被害を生んできているその大もとには、地球温暖化があるわけです。
気象庁は、この状況についてどういうふうに見ておられますか。


○関田政府参考人 お答えいたします。
気象台などにおきます過去百年以上の観測データによりますと、災害をもたらすような大雨の発生回数には増加傾向が見られており、これには地球温暖化が影響している可能性があるというふうに考えております。
例えば、一日当たり二百ミリ以上の大雨の発生回数は、一九〇一年から一九三〇年の三十年間と一九九〇年から二〇一九年の三十年間を比較いたしますと、約一・七倍に増加しております。
また、将来の予測につきましては、気象庁が平成二十九年に発表いたしました地球温暖化予測情報第九巻におきまして、今後も温室効果ガスの排出が高いレベルで続く場合、一時間当たり五十ミリ以上の短時間強雨や一日当たり二百ミリ以上の大雨の発生回数が、今世紀末には二十世紀末の二倍以上に増加すると予想しているところでございます。
大雨や短時間強雨の発生回数は年々の変動が大きいため、長期変化傾向を確実に捉えるため今後もデータの蓄積に取り組むとともに、地球温暖化の対策に資する気候変動の監視、予測情報の充実強化を行い、その情報発信に努めてまいりたいと考えております。


○田村(貴)委員 大臣、私も、福岡それから熊本、大分、鹿児島、四県の被災地をこの間回ってまいりました。まだまだ訪れたいというところはいっぱいあります。また機会を得て論議させていただきたいと思うんですけれども、きょう挙げたのは、きのう我が党としても緊急要望した点に基づく私の質問でした。政府として全力を挙げていただきたいと思います。
最後の質問。
安倍政権のやはり大きな課題です。地球温暖化対策、温室効果ガスの削減について、閣僚のお一人として決意を表明していただきたいと思います。


○武田国務大臣 気候変動と災害との関連についても、我々は今研究しております。地球規模で全人類が考えていかなければならない問題として重要視しているところであります。


○田村(貴)委員 以上で質問を終わります。