196-衆-災害対策特別委員会-2号 平成30年02月16日 記録的豪雪・膨らむ除雪費 災害救助法適用して 田村貴昭議員が質問

○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
このたびの豪雪被害においてお亡くなりになられた方々に心からお悔やみを申し上げるとともに、全ての被災者の方にお見舞いを申し上げます。
内閣府は、二月の八日、各都道府県に対して、「災害救助法における障害物の除去(住宅の除雪)について」の文書を発しました。今回のような豪雪で、災害救助法の適用で、雪の重みによる家の倒壊等を未然に防ぐことなどが可能になるというふうに私は受けとめておりますけれども、福井県それから新潟県の複数の自治体で救助法が今適用されています。ただ、全ての住民に周知されているわけでもなく、また、自治体によっては受けとめ、対策に差異が生じているとの指摘もございます。
きょうは、災害救助法と雪害対策について伺います。どのように基準を設けて適用されているのか、御説明をいただけるでしょうか。



○海堀政府参考人
 御質問にお答えさせていただきます。
内閣府におきましては、災害救助法の適用について、これは降積雪期、融雪出水期、こういった時期に、いわゆる人命保護を第一として、防災体制の強化の一環として、十一月、三月に中央防災会議の通知を発出し、その内容の強化を周知徹底を図っているところでございます。
具体的には、災害救助法を適用した際、障害物の除去として実施した屋根の雪おろし費用については国庫負担の対象になり得る旨を記載させていただいております。
これに加えまして、先ほど委員の方から御指摘いただきましたが、二月八日に、今般の大雪を踏まえ、災害救助法が適用された県も含め、全ての都道府県に対しまして、災害救助法に基づく障害物の除去における住宅の除雪について、従前からの考えを徹底させていただいたところでございます。
具体的には、災害救助法に基づきます障害物の除去、いわゆる除雪については、その実施主体であります都道府県が市町村と緊密に連携しつつ、除雪事業者と契約しながら実施するものであるというふうに理解しております。


○田村(貴)委員 その対象なんですけれども、屋根の雪おろしという今お話がありました。そのほかに、積雪のために住居の出入り口が閉ざされているもの、こうしたものも日常生活に著しい支障を及ぼしているものと思いますけれども、こうしたものも対象として捉えていいのか、確認させていただきたいと思います。


○海堀政府参考人 お答えさせていただきます。
多数の者の生命身体に危害を受けられるおそれのある場合、これを排除するということでございます。委員御指摘のいわゆる住居の出入り口についても当然含まれるということでございます。


○田村(貴)委員 その対象の判断をするのはどこなのかということと、費用についても確認させていただきます。
市町村長の判断によって救助の対象を決めていいということでしょうか。そして、その除排雪の費用は国と都道府県が負担し、市町村の支出はないというふうに捉えていますけれども、よろしいでしょうか。


○海堀政府参考人 お答え申し上げます。
災害救助法に基づきます応急救助については、法律上、都道府県知事が実施主体として応急救助を行うものでございます。
この事務でございますが、災害救助法に基づきまして、その事務の一部を市町村に委任することができるということにされているところでございます。
今回の大雪によって災害救助法を適用しました福井県、新潟県につきましては、既に適用された市町村にその事務の一部を委任しているというふうに伺っております。
この部分についての経費の負担でございますが、委員御指摘のとおり、国と都道府県がそれを負担する仕組みとなっており、市町村は負担は生じないこととされております。


○田村(貴)委員 はい、確認しました。
もう一点お伺いします。
石川県金沢市では、雪の重みによって数軒の住宅、店舗が崩落しそうになっているということであります。その中には空き家も含まれています。
災害救助法の適用による除雪では、空き家や倉庫など住民が居住していない建物についても、管理者が不明の場合など、除雪の対象になるというふうに受けとめておりますけれども、それでよろしいでしょうか。


○海堀政府参考人 お答え申し上げます。
今委員の御指摘は石川県ということでございますが、今回の雪で石川県の方ではまだ災害救助法が適用……(田村(貴)委員「災害救助法と言った」と呼ぶ)災害救助法でよろしいですね。
災害救助法の一般的な考え方についてお答えをさせていただきます。
先ほども、私、御説明させていただきましたが、住民の生命身体に危害が及ぶというおそれがあれば、例えば近隣のお宅にその空き家が潰れて倒れ込んでくるというようなことがあれば、それについても対象になるというふうに考えております。


○田村(貴)委員 確認できました。
以上の、災害救助法における救助の適用、そしてその対象について議論したんですけれども、ここからは小此木大臣にお伺いをいたします。
先日、私、福井市に行って状況を伺ってまいりました。自治体にはそれぞれ雪おろし等々除雪の補助制度、支援制度があるんですけれども、この金額では今請け負う業者さんはなかなかいない。そもそも除排雪の業者さんが不足しているというような現実がございます。そうすると、自力で雪おろし、そして家の前の除雪作業をしなければいけないということになります。
福井県、富山県、新潟県、福島県、山形県、この五県で既に十八人の方がお亡くなりになっています。うち十二人が除雪作業中に転倒、転落等によって犠牲になられておられます。
福井県内で見ますと、人的被害は九十八件にも上っていて、そのほとんどが、先ほど言いました、除雪作業中の転落、転倒によるものです。高齢者も多く、七十五歳以上の割合は三割であります。最高齢は九十一歳の方が負傷している。昨日も大野市で屋根の雪おろし中の高齢者がお亡くなりになったという状況であります。
大臣、事態は一刻を争っています。不幸な事故を未然に防ぐためにも、災害救助法に基づく障害物の除去、すなわち除排雪を広げることが今求められているのではないでしょうか。これが非常に重要だと私は考えますけれども、大臣、いかがですか。


○海堀政府参考人 災害救助法におきます救助につきましては、先ほど来御回答させていただいておりますが、我々、救助法を適用した都道府県において、その管下市町村と連携をして一体的に取り組むということが非常に重要だと思っております。
また、除雪につきましては、これは先ほど、中央防災会議で通知を出させていただいておりますが、国、都道府県、市町村などが一体となって総合防災体制を確立させていく中で、いわゆる住民の除雪、地域における共同の除雪、あるいは施設管理者との情報共有などの対策を立てさせていただいているところでございます。


○田村(貴)委員 同じ質問を、通告していますので、大臣にお伺いしたいと思うんです。
救助法によって、多くの住宅の雪の重みによる倒壊を防ぐことができたり、人身事故を防ぐことができる。非常に重要な制度、施策であるというふうに思いますけれども、今、海堀統括官からは重要だというお話がありました。大臣も同じ認識でよろしいでしょうか。


○小此木国務大臣 災害救助法において、住民の生命や身体に危害が生じるおそれがある場合には、必要に応じて、都道府県知事が法を適用することにより、家屋の雪おろし費用も国庫補助の対象としているところであります。
一般に、除雪体制の整備については、地域住民等が協力して生活道路や公共施設の除排雪を実施することや、高齢者等の除雪作業のための地域コミュニティーの共助、また、雪おろし作業の困難な高齢者等を支援する人材確保のために地方公共団体やボランティア団体等の連携、こういったところを、例年、中央防災会議通知で周知しております。
内閣府としては、こうした取組を徹底するとともに、災害救助法の適切な運用を図ってまいりたい。委員のおっしゃるとおり、これは重要な話だと思っております。


○田村(貴)委員 その救助法における救助の状況なんですけれども、きのう、ちょっと福井県の方に、うちの地方議員を通じて聞いたんですけれども、福井県内では六市で十九件、そして福井市では十件に今とどまっているという状況です。一方、十三日に災害救助法適用となった越前市では、これまで寄せられた除雪相談のうち二百件が適用対象になる、そう判断していると本日付の福井新聞で報じられています。
災害救助法で家屋の倒壊、人命事故を防ぐことは可能なんです。災害を防ぐことはできないんですけれども、こうした措置によって人命を救い、そして危険家屋を倒壊から防ぐことは可能である、多くの困窮する世帯を防ぐことができるというふうに私は考えていますので、ぜひ適用を積極的に促していただきたい、そして、格段の努力をしていただきたいと思います。
この二月八日付の文書を、ある県の、ある自治体が、承知していませんというふうにありました。私はそういう報告を聞いたんですけれども、繰り返し知らせていく必要があるんではないかなというふうに思います。
今後どれだけの被害が起こるかもわかりませんし、まだまだ豪雪が続くかもわかりません。周知徹底をどうやって図っていかれるのか、端的にお答えいただけますか。


○海堀政府参考人 お答え申し上げます。
先ほども申しましたとおり、降積雪期の初めに中央防災会議通知を出しました。それから、二月八日には全都道府県知事に対して文書を出させていただきました。また、降雪量の多い地域の県には、直接、県の担当者に内閣府から電話をさせていただくなど、文書の趣旨の照会があれば丁寧に対応してまいりたいというふうに考えております。


○田村(貴)委員 次に、市町村道の除雪について伺います。
地方財政全体の措置だけでは間に合わない場合、幹線市町村道除雪費補助の臨時的特別措置として二分の一が市町村に交付されます。先ほどお話が出ていましたように、石井国交大臣が本日の閣議後の記者会見で追加の補助金を出すというふうにおっしゃいました。そして、昨日の政府・与党連絡会議で安倍首相は、一刻も早い除雪のために財政支援を検討しているというふうに述べられました。
もう実行していただく以外にないというふうに思いますけれども、大臣、きのう、我が党の本村伸子議員がこの臨時特別措置の質問をされたときに明確な御答弁がなかったので、総理もそれから国交大臣もこのようにやるとおっしゃっておられるので、これはもう政府一丸となって、市町村道は大変になっていますので、二分の一でも、これはもうちょっと欲しいなと言われているところがいっぱいありますので、まずはこの臨時的措置を一日も早く実行していただきたい。いかがでしょうか。


○小此木国務大臣 今回の大雪に関して、福井県が七市二町、新潟県が四市一町に災害救助法を適用いたしましたことは御案内のとおりです。
内閣府として、災害救助法の適用について、被災県からの相談に適宜応じるとともに、要望に応じて現地説明会を開催するなど、関係自治体に対する支援を実施しております。
政府としては、災害の拡大を防止するため、関係省庁災害警戒会議を開催し、政府一丸となって道路の除排雪等の必要な対応をとっております。


○田村(貴)委員 福井市は除雪費用が昨年度が約六億円だった。そして、今年度は既に四十八億円だ。平年ベースでいうと十倍かかっているということで、これはもう財政逼迫していますよね。まさに、この二分の一の補助の、地方財政では間に合わない場合に相当しているではありませんか。臨時特例措置を早く国交省と合い議して進めていただきたい、強く要望させていただきたいというふうに思います。
幹線道路は除雪が進んできた、通れるようになってきた。市町村道は、私も見ましたけれども、まだまだ雪があって、これは通行が大変だなというところがあります。除雪が追いつかなくなって、幅員が狭くなって、そして渋滞が慢性的に起こっているという現実をぜひ現地で見ていただきたいというふうに思うわけなんですけれども、小此木大臣、あかま副大臣、そして山下政務官、現地調査そして視察の御予定は今後おありでしょうか。いかがでしょうか。


○小此木国務大臣 現地に参りまして、しっかりと自分の目で確認することは重要であるということはかねがね思っておりますし、国会の事情が許せば、それは大切、重要だと思っております、行かせていただきたいと思います。


○田村(貴)委員 副大臣、政務官はいかがでしょうか。


○あかま副大臣 大臣と同様に、さまざまな国会日程等の状況が許せば現地に赴きたい、そんなふうに考えております。


○山下(雄)大臣政務官 大臣のリーダーシップのもと、内閣府として一丸となって情報の把握に努めたいと思いますし、私も、国会の日程が許せば、現地に足を運ばせていただければ幸いでございます。


○田村(貴)委員 犠牲者が既に十八人出ています。そして、福井県では三十七年ぶりに百四十センチを超える積雪となっています。被害状況については、きょう論議されている状況等々であります。自治体とそれから被災者に、住民に心を寄せていただいて、そして、可能な限りの対策と支援を心から願うものであります。
それから、きょう聞きたいことがもっとあったんですけれども、大臣、除排雪の業者さんが本当に不足している。これは自治体任せにしていたら大変なので、やはり国が関心を持って、そして、全国的な連携も含めて支援を図っていただきたい、そのことを最後にお伺いして、きょうの質問を終わりたいと思いますけれども、除排雪業者の件について、大臣、いかがお考えになっていますか。連携をとってもらえますか。


○望月委員長 時間も過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。


○小此木国務大臣 先ほども申し上げたとおり、繰り返しになると思いますが、除排雪等の業者が少ないということも含めまして、きょうテーマになりましたさまざまなこと、まだまだ課題があろうかと思います。関係機関と連携をしながら、これはもう口癖のように重なりますけれども、そういったことを強化して事に当たってまいりたいと思います。


○田村(貴)委員 終わります。