196-衆-農林水産委員会-12号 平成30年05月09日 ねつ造 立法事実揺らぐ 森林経営管理法案差し戻しを 田村衆院議員が追及 農水委員会

○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
最初に、森林経営管理法案の提出資料が変更されたことについて伺います。
本委員会での審議に際して林野庁から出された説明資料は、八四%の森林所有者は経営意欲が低い、意欲の低い森林所有者のうち七一%は主伐の意向なしなど、森林所有者へのアンケートデータを捏造した恣意的なものでありました。私は、そのことを再三指摘し、撤回を求めてきたわけでもありますけれども、四月十七日、委員会の採決の日の最後の審議においても、沖林野庁長官の答弁は、その数字を引用していきます、森林・林業白書案の記載も変えないとのことでありました。
その後、齋藤大臣の指示もありまして、資料は改定されました。きょうの理事会でも説明を受けました。参議院では、改定資料をもとに今から審議が始まるわけです。つまり、衆議院、本院、本委員会におきましては、間違った資料をもとに審議を行い、そして採決となったわけであります。
大臣、このてんまつについて、私は本委員会で報告をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。


○齋藤国務大臣 森林経営管理法案の背景説明資料の整理の仕方につきまして、本委員会におきまして、田村委員からは、調査結果をありのまま出すべきだという御指摘をいただきました。それから、ほかの委員からも森林経営意欲が低い者の整理の仕方に懸念があるといった御指摘もありましたし、さらに、参議院の農林水産委員会でも同様に御指摘をいただきました。
私としては、衆議院や参議院、両農水委員会において御指摘があったということは重く受けとめなくちゃいけないと思いまして、意図的な改ざんというふうには私は理解はしておりませんが、ただ、誤解を生じるおそれも確かにあるというふうに私が判断をさせていただきまして、表現の適正化を図るために、もととなった調査の選択肢の表現をそのまま使用した方がいいだろうということで、関連する記述を追加させていただいた、このような経緯でございます。


○田村(貴)委員 経営意欲に関するその所有者のアンケートのデータというのは、当該法案の立法事実を示すデータであったはずであります。それが不自然に改変されたということになりますと、立法事実が本当にあったのかという疑念が生じてまいります。
つまり、森林所有者の一四・六%が規模を拡大したい、七一・五%が現状を維持したいと、八六・一%の方が水準を落とさないという意向が示されているにもかかわらず、八四%が経営意欲がないと、真逆に既定されてしまったということですよね。となれば、立法事実の根幹は揺らいだと見るべきではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。


○齋藤国務大臣 今回修正をさせていただいたのは、資料のもととなった調査結果のデータそのものを修正したものではなくて、その整理の仕方について正確性を期させていただいたということであります。私としては、最初からきちんとした正確性を期したものを出せばよかったと今は思っております。思っておりますが、気づいた時点で、その正確性を期すために修正をさせていただいたということであります。
したがって、これはあのときの答弁でも私申し上げたと思うんですけれども、調査結果から読み取れるように、我が国の森林の適切な管理を図るためには、現に経営管理が不十分な森林について経営管理の集積、集約化を図ることが課題ということでしたので、その実現のためにはこれらの森林を経営規模の拡大を志向する方を中心とした担い手につなぐ必要があるという本法案の必要性やその前提が、これによって変わるものではないというふうに私どもは考えているところでございます。


○田村(貴)委員 委員長にお願いしたいことがあります。
資料がやはり変更された、その改定前の間違った資料に基づいて審議をしてきたわけですので、私は、審議をやはり本委員会に差し戻していただきたい、若しくは補充質疑を行っていただきたいと主張させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。


○伊東委員長 後ほど理事会において検討させていただきます。


○田村(貴)委員 数字がひとり歩きしました。
林野庁にお伺いします。
改定前の資料、数字は、林政審議会それから規制改革推進会議、ほかの会議でもたびたび取り上げられて、使われてまいりました。参加者への訂正と説明をすべきではありませんか。
また、ここに四月二十六日付日本農業新聞を持ってまいりました。こういう記事が載っています。「「経営意欲低い」に 林業者反発」大きな記事が出ています。ちょっと紹介します。
「「法案を通すための恣意的な行為に思える」「経営を現状維持する大切さを分かってほしい」などと林政への信頼を問う声が続出。持続可能な自伐型林業が各地に広がるなど、新たな潮流が芽生えているだけに「現場を踏まえ政策を立案してほしい」と切実な訴えも挙がる。」こういう報道もされた。こういう案件なんですよ、今度のものは。
林業に携わる多くの関係者のプライドを傷つけ、そして反発の声を生んでいることについて、林野庁はどう受けとめておられるんですか。それで、今後どうするんですか。お答えいただきたいと思います。


○沖政府参考人 お答えいたします。
林政審議会それから規制改革推進会議農林ワーキング・グループでは、主に本法案の検討段階におきまして、検討の方向性等について説明を行っておりますけれども、この説明資料について、訂正前の資料でございますけれども、特段御意見等をいただくことなく、御理解をきちんといただいているというふうに考えておりまして、訂正する必要は基本的にないというふうに考えてございます。
ただ、今委員の御指摘もありましたように、日本全国の林業者からも、林業に対する熱い思い、期待を表明されていると私たちは認識しておりまして、今後、こうした委員会等、また林政審議会とか農林ワーキング等いろいろございますけれども、説明を求められれば、誤解を生じないようにするために、見直しました資料を使用いたしまして、丁寧な説明に努めてまいります。


○田村(貴)委員 長官、答弁は答弁として聞きましたけれども、やはり事実が捏造されて、別の数字としてひとり歩きしたんですよ。本委員会ではこの資料をもとに審議してきて採決したんですよ。先ほど委員長にもお願いしましたけれども、私は、戻していただきたい。一言も、迷惑かけましたぐらいの言葉があってしかるべきじゃないかと思いますけれども、どうですか。
きょうは法案審査ですから、またいずれこの問題はやっていきたいというふうに思いますけれども、今後、委員会に出される資料については、リアルな、ありのままの資料を提出していただきたいというふうに思います。
それから、意欲がないと決めつけて、だから市町村に管理を任せる、あるいは林業者に管理を任せるというのが今度の法案のたてつけでありました。それが、真逆の考え方で強いられたのでありますから、やはり私は、これは立法事実がなかったというふうに主張をするものであります。
では、法案の内容について質問をします。
農林年金の廃止法案の一部改正案ですけれども、各農林漁業団体が毎月負担する特例業務負担金、これは資料で平成二十八年度二百八十一億円となっていますけれども、これが各団体においてどういう財政上の支障を今来しているのか、簡単に御説明いただけるでしょうか。


○大澤政府参考人 お答えいたします。
農林漁業団体を取り巻く情勢が厳しい中で、各団体は、特例業務負担金を御指摘のとおり毎月負担しておりまして、これは現役世代の負担ということになっております。仮に、今回の改正を行わないで現行の制度のままとした場合には、七十年後の二〇八八年ごろまで、この長期間にわたって、特例年金の給付に関する事務コスト、これは二十八年度実績では二十三億円になっておりますが、これを農林漁業団体が負担し続けることになります。
こういうことを踏まえて、農林漁業団体と年金受給者団体の双方から、一時金の支給を義務化して特例年金給付を早期に完了することの要望が出されたものと承知しております。


○田村(貴)委員 全ての受給権者の理解と同意は得られているのかというのが次の質問であります。
受給権者十一万八千人、一時金に切りかえてもらうことを、この法案が通ればお願いをするということを伺っております。
退職者連盟の特例年金完了の要請については、私も承知をしております。しかし、県によっては解散しているところもあります。十一万八千人の受給権者全ての思いを捉えているとは言えないのではないか、受給者全ての承諾は得られるのであるか、このことについてはいかがでしょうか。


○大澤政府参考人 お答えいたします。
まず、事実関係として申しますと、今回、大臣に対して法改正の要請をいたしました全国農林漁業団体退職者連盟につきましては、都府県単位の受給者連盟に所属する者が会員ではございますけれども、解散した場合には、その府県、解散した府県の受給者連盟の会員であった方がそのまま継続して全国団体の会員にもなっているということでございます。まず、これは事実関係としてお話をしております。
そういうような、解散した県の方が全国団体の会員になったものを含めた全国団体の総意として要望が出されたとは承知しておりますが、一人一人の方に理解を得られるかというのは、これはまた別の話でございますので、我々としては、法施行までの十分な周知期間において、団体も一生懸命やるでしょうし、我々も制度の趣旨を説明してまいりたいというふうに考えてございます。


○田村(貴)委員 では、その一時金の実際の受取額がどのようになっていくのかについてです。
年金額が年間七万円だとして、六十五歳、七十五歳、八十五歳の方が一時金を幾ら受け取るのか、これについて教えていただきたいと思います。

○大澤政府参考人 お答えいたします。
特例年金の平均額であります年間七万円を支給されている男性が、平成三十一年四月以降分特例年金にかえて特例一時金を支給する場合の金額を試算いたしますと、平成三十一年三月末の年齢が六十五歳の方は九十九万三千円、七十五歳の方は六十九万九千円、八十五歳の方は四十万円となります。


○田村(貴)委員 八十五歳の方が一時金で受け取る額は四十万円とのことでありました。
年間七万円の年金ですから、五、六年分の年金に相当するということで、この方がもし、いや、私はまだまだ長生きして元気で頑張れるんだと思ったら、やはり受け取る額は少ないんじゃないかなと思われるんじゃないかと思うんですよね。
もっと長生きして生涯年金がもらえると考えていた受給権者の方にとったら、支給額は少ない、期待権が侵害されるのではないか。場合によっては、いろいろと主張される方も出てくるかもわからない。このことについてはいかが対応されるんでしょうか。


○大澤政府参考人 まず、制度の趣旨をしっかりと説明して、どういう計算をしたかというのを説明することが大事だと思っております。
今回の法改正による特例一時金は、生存率等を用いまして、将来分の特例年金給付の額と経済的に等価値の額を支給するという、統計的に客観的な仕組みに基づくものである、こういうことをしっかりと説明してまいりたいと思っております。
財産権との関係につきましても、先ほどから御説明しておりますとおり、昭和五十三年の最高裁判例に従って、公共の福祉に適合するものである限り、事後の法律で財産権の内容を変更することも合憲とされておりますので、今回のこの特例一時金は年金給付と経済的に等価値であって、かつ、現役世代の負担するコストを引き下げるものである、こういうことをしっかりと丁寧に説明して、対象となる方々に十分な御理解をいただけるようにしてまいりたいというふうに考えてございます。


○田村(貴)委員 今回の措置は非常に残念な面もあるんですけれども、特例年金を維持できない背景、ここにはやはり農林漁業団体で働く職員の方の減少があるわけですよね。農協でいいますと、ピーク時の三分の二に減少しているということであります。
年金の支え手が少なくなる問題、ひいては、これは第一次産業の振興をやはり図っていく必要があるのではないかというふうに思います。ここが大事なところだと思います。
各団体で働く役職員の方々、そして年金受給者の意向を大事にされることを強く求めて、きょうの質問は終わります。
ありがとうございました。