197-衆-環境委員会-2号 平成30年11月20日 地球温暖化対策について質問 田村貴昭

田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
まず最初に、地球温暖化対策について質問をいたします。
大雨、大雪、そして非常に強い勢力を持った台風、さらには酷暑、猛暑、異常気象が続き、それによって災害がもたらされています。人為的な要因による地球温暖化が災害の多発に影響しているのではないかと思うわけであります。
この気候変動と災害の多発との関連について、きょうは気象庁に来ていただいていますので、まず、その関係について説明をしていただけるでしょうか。


○田中(省)政府参考人 お答えいたします。
我が国においては、近年、災害をもたらすような猛暑、豪雨などの極端な気象現象は増加傾向にあります。例えば、一時間当たり五十ミリ以上の短時間強雨や一日当たり二百ミリ以上の大雨、日最高気温が三十五度以上の猛暑日の発生回数には明瞭な増加傾向があらわれております。このような増加傾向には地球温暖化が影響している可能性があると考えております。
気候変動に関する政府間パネル、IPCCによれば、二十世紀半ば以降の地球温暖化の主な原因は人為的な影響である可能性が極めて高いと報告されているところでございます。


○田村(貴)委員 よくわかりました。人為的作用、人間活動がCO2を引き上げ、それが一因となって異常気象と災害をもたらしているということであります。
北陸を中心とした豪雪被害、私も福井県に行ってまいりました。西日本豪雨、激甚災害で未曽有の被害がもたらされました。台風二十一号、二十四号と相次ぎ、多くの被災家屋と被災農地、インフラも破壊されました。こうした人間活動の地球温暖化に対する影響があるとするならば、これをしっかりと制御していく地球温暖化対策は待ったなしというふうに考えます。
原田大臣、原田大臣は、去年の北部九州豪雨被害の朝倉市、東峰村の地元の選出でございます。そこで、大臣にお伺いしたいのが、温暖化の実効ある緩和を、災害を防止するためにもなし遂げていかなければならないと思います。未曽有の災害を地元で目の当たりにされて、そして対応に走り回ってこられた原田大臣のこの地球温暖化対策に対するまず決意をお伺いしたいと思います。


○原田国務大臣 御指摘のとおり、昨年の九州北部豪雨で、これについては、私も地元でございましたけれども、田村委員も同じくともに苦労した、そういうことを思い出しております。また、これは今にもずっと続いております。その上にまた、ことしになって、あの七月豪雨含めて大変な災害が発生しておるところでございます。
九州北部豪雨では、土砂災害による被害を始め、朝倉市、東峰村などで死者・行方不明者は四十一名に上る、多くのとうとい人命が失われた、本当に大災害でございました。
また、ことしの夏も、我が国の記録的な豪雨や酷暑、世界じゅうで高温などの異常気象が頻発しました。今後、地球温暖化が進展した場合、こうした豪雨や酷暑に見舞われるリスクが更に高まるということは間違いございません。また、ただいま気象庁からも、その関連性についてお話があったところであります。
こうした状況を踏まえまして、私としても、環境大臣として、二〇三〇年度までに二六%、二〇五〇年度までに八〇%の温室効果ガス削減に向けた緩和策、そして、気候変動の影響を回避、軽減する適応策に全力で取り組んでまいりたい、こういうふうに思っております。


○田村(貴)委員 それで、温暖化対策の中身の質問に入っていきたいと思うんですけれども、気候変動に関する政府間パネル、IPCCの総会が十月に開かれました。報告では、地球温暖化がこのまま進めば、早ければ二〇三〇年にも世界の平均気温が産業革命前より一・五度上昇し、災害などのリスクは高まるとしているわけであります。
一・五度特別報告が、十二月から始まるCOP24で議論されます。このCOPでは、パリ協定の実質的なルールづくりの議論がされる。そして、一・五度特別報告もタラノア対話に議題となってまいります。
率直にお伺いしますけれども、原田大臣、日本政府としても、各国と協調して、一・五度を目指す努力を今から行う必要があると思いますが、いかがでしょうか。


○原田国務大臣 パリ協定では、二度目標を定めつつ、一・五度まで抑えることを努力する、努力目標としてというふうに規定されており、このパリ協定の目標自体は不変でございます。
我が国としては、まず二度目標を確実に達成することを目指して、その上で、一・五度まで抑える努力を継続することが重要であるというふうに考えております。
十月にまとめられたIPCC一・五度特別報告書においては、一・五度の気温上昇に抑制するために、国、地方、市民社会、民間部門等、あらゆるレベルにおける努力が必要であり、また国際協力が重要であることが述べられております。
我が国としては、諸外国とも協調しつつ、世界の脱炭素化を牽引していく決意でございます。


○田村(貴)委員 急がなければならない。横光議員の質問にもありました。もう努力とか言っている状況ではないというふうに思います。
資料をお配りしています。温室効果ガスの削減目標について、政府の目標とIPCC一・五度特別目標をグラフ化したものでございます。
一・五度特別報告書は、世界全体の人為的なCO2の正味排出量を二〇三〇年には二〇一〇年対比で四五%削減する、二〇五〇年には実質ゼロにしなければいけないと言っています。しかし、日本の長期目標では二〇五〇年に八〇%削減となっています。このオレンジの棒グラフの部分であります。また、日本政府の二〇三〇年の二六%削減目標は、今、原田大臣おっしゃったんですけれども、二〇一三年との対比なんですけれども、二〇一三年というのは、この棒グラフにあるように、排出量が多いわけですね。これだと、二〇三〇年の排出量は十億四千三百四十万トンということになるわけです。一方で、一・五度特別報告の水準の基準年は二〇一〇年であります。二〇一〇年対比で四五%削減するならば、二〇三〇年の排出量は七億一千六百五十五万トン。この緑色の棒グラフのところになるわけであります。そうならなければいけないということであります。
政府側が目標値としているところと、そして世界が、IPCCが目指せと言ったところとでは、大きな乖離があるわけであります。
そこでお伺いしますけれども、一・五度特別報告に沿ったCO2削減を行おうとすれば、これはどうなっていくんでしょうか。今の政府目標では、できないのではありませんか。


○森下政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、パリ協定では、二度目標を定めつつ、一・五度まで抑える努力を継続することについても規定がされてございます。このパリ協定の目標自体は不変でございます。
したがいまして、まずは二度目標を確実に達成することを目指し、その上で、一・五度まで抑える努力を継続することが重要と考えているところでございます。
この観点から、我が国におきましては、地球温暖化対策計画に基づく取組を着実に実施をし、まずは、二〇三〇年度二六%削減目標の達成を目指します。また、計画につきましては、少なくとも三年ごとに検討を行って、必要に応じて見直すということとしてございます。
加えて、現在、世界の脱炭素化を牽引し、環境と成長の好循環を実現する長期戦略の策定に向けた検討を行っているところでございます。
パリ協定の目指す脱炭素社会の実現に向けまして、従来の延長線上にないイノベーションを創出し、温室効果ガスの国内での大幅な排出削減を目指すとともに、世界全体での排出削減に最大限貢献をしてまいりたいというふうに考えてございます。


○田村(貴)委員 今御説明がありました。大臣の記者会見にもあったんですけれども、環境と成長の好循環を実現すると。そんな悠長なことを言っている場合ではない。COPで議論されるんですよ。
そして、変動パネルが、こうしたリアルでシビアな状況を伝えて警告を発出しているわけです。パリ協定で各国が宣言している排出目標を足し合わせて、全て達成したとしても、三度以上の気温上昇があるというふうに言われていますよね。IPCCは、最も気温上昇が高くなるシナリオ、RCP八・五シナリオでは、四度前後の上昇が予測されるとしているわけであります。
この、私が先ほどお配りしたグラフですけれども、こうしたIPCCの水準と目標でいうならば、この緑の棒グラフ、せめてこういったところに目標基準を変える必要がある。三年ごとの見直しと言われるんですけれども、これは見直ししなければいけないんじゃないですか。どうですか。


○森下政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど御説明させていただきました地球温暖化対策計画でございますけれども、これは、地球温暖化対策推進法に基づきまして、閣議決定という形で、政府全体で地球温暖化対策を進める骨格となっている、フレームワークとなっている計画でございます。
この法律の中には、この地球温暖化対策計画の見直し規定が置かれておりまして、その中で、少なくとも三年ごとに検討を行い、必要に応じて見直すということが規定されております。
さらに、それに加えまして、この地球温暖化対策計画につきましては、毎年PDCAサイクルを回すということもいたしております。
こういった不断の努力を積み重ねながら、しっかりと着実に、まずは二六%削減目標の達成を目指してまいりたいというふうに考えてございます。


○田村(貴)委員 それは繰り返して説明していただかなくてもいいんですけれども、私は、目標を変えなければ間に合わないよ、そして、世界の要求する水準に日本は追いつかないよということを申し上げているわけであります。
努力ではだめですよね。IPCCの水準で目標設定をしっかりとつくっていく。その前に、一回シミュレーションしたらどうですか。この一・五度目標の水準設定に対して、今の状況だったら達成できない、私はそう思うんです。達成できるというんだったら、そうなるというシミュレーションを示していかなければならないんですけれども、シミュレーションぐらい、こうした提起があっているんだったら、日本政府も環境省もやられたらどうかと思うんですけれども、そういう考えはありますか。


○森下政府参考人 科学に立脚した取組を進めていくことは非常に重要だと思ってございます。
その上で申し上げますと、国内で大幅な削減を進めるとともに、それから、国際的にも、グローバルにも大幅な削減を進めていく、この二つが重要であろうというふうに考えてございます。
このIPCCの一・五度報告書も含めまして、COPの場でもさまざまな議論が行われると思っております。そういった動きもしっかり見きわめながら対策を講じていくことが重要だろうというふうに考えてございます。


○田村(貴)委員 対策を講じる上で、しっかりとした、科学的見地に基づいたシミュレーションを行うことを強く要求します。そして、目標値の設定、見直すことを強く要求したいと思います。
その目標値の変更に当たって一番大事なのは、石炭火力発電所、ここともうお別れする、卒業する、このことについて質問したいと思います。
日本でCO2を一番多く排出しているのはエネルギー転換部門で、四二%です。そのエネルギー転換部門で脱石炭にかじを切れば、一・五度特別報告に沿った削減が可能となってまいります。
一・五度を含めて、パリ協定の実現には、石炭火力発電所の新増設など、これはもう論外であります。海外からも日本に対する批判が高まっております。石炭火力に対する経済産業大臣合意以降の環境省の対応は即刻改めるべきではありませんか。
高効率の石炭火力であっても新増設は一切認めない、今、日本政府はこの立場に立たないと、世界から置いてきぼりを食ってしまう、世界から大変な非難を受けることになってしまうと思うんですけれども、COP24、十二月開催、日本政府も参加しますよね、この前にして決断が要ると思いますが、原田大臣、いかがでしょうか。


○原田国務大臣 我が国では、多数の石炭火力発電の新増設計画がございます。これらの計画が全て実行され、ベースロードとして運用されると、仮に既存の老朽石炭火力をやめたとしても、我が国の二〇三〇年度の温室効果ガス削減目標の達成は困難だというふうに理解しています。
こうした点を踏まえますと、経済的な観点のみからの新増設を進めるということは許されません。
このため、経産大臣との合意に基づく電気事業分野における地球温暖化対策の進捗レビューや、環境アセスメントにおける大臣意見の機会を通じ、石炭火力発電の問題に対して厳しい姿勢で臨んでいきたいと考えております。


○田村(貴)委員 厳しい姿勢で臨んでまいりますと、一番最後の部分をぜひ、石炭火力発電のせめてもの、新増設はせめてもう認めない、この立場で臨んでいただきたい。強く要求したいと思います。
次に、石炭火力発電所それから原発に頼らなくても電気は供給できるという再生可能エネルギーの質問に移らせていただきたいと思います。
まず最初に、安倍首相が国会で答弁されているんですけれども、「再生可能エネルギーの最大限の導入に取り組む」と。安倍首相が言われる最大限の再生可能エネルギーというのはどういうことなんでしょうか。「一貫した方針」と言われているんですけれども、最大限というのは具体的にはどういうことを指しているんでしょうか、教えてください。


○松山政府参考人 お答え申し上げます。
エネルギー政策につきましては、単一の完璧なエネルギー源がない中で、スリーEと一つS、すなわち、安全性、セーフティーという大原則のもとで、三つのE、すなわち、経済性、エコノミックエフィシェンシー、気候変動、エンバイロンメントの問題に配慮しつつ、エネルギー供給の安定性、エネルギーセキュリティーをバランスよく同時達成していくことが重要だと認識してございます。
政府といたしましては、再生可能エネルギーの最大限の導入に取り組んでいくこととしているところでございます。その意味は、このスリーEとSのバランスのもとで、可能な限り大量に再生可能エネルギーを導入拡大を図っていくということを指しているところでございます。
エネルギーミックスで掲げました二〇三〇年度の再エネ比率二二から二四%という数字につきましても、こういった観点から検討されたものでございます。
なお、ミックスの水準というのは、上限、キャップではございません。この水準を超える導入を追求していくつもりでございますけれども、同時に、ミックスで示した国民負担の水準、二・九から三・一兆円という国民負担の抑制ということも同時に達成することが重要でございます。
まずは、ミックスの実現に向けまして、コスト低減の取組を強化して、あわせて、系統制約の克服や調整力の確保などさまざまな施策を進めてまいりたいと考えてございます。


○田村(貴)委員 目標値を超える普及と導入についても頑張っていただきたいという話であります。
資料をお配りしています。先ほどの資料の裏面で申しわけないんですけれども、この裏面に、九州電力のホームページから資料をとってまいりました。九州の再生エネルギーの状況についてであります。これは九州本土で、離島ではありません。
福島原発の事故以降、九州では太陽光発電が八倍にふえた。再生可能エネルギー全体では一千百六十五万キロワットが九州電力に既にもう接続済みであります。きょうは秋晴れのいい天気。九州では大体一千万キロワット、一千百万キロワットぐらいの電力需要量だというふうに思います。この再生可能エネルギーだけでも、きょうぐらいの日の電力量は単一で賄える、数字上はそういう状況になっているわけであります。
さらに、この九州電力の資料にありますように、接続検討を申し込んでいる、接続契約を申込み中、そして承諾済み、これらを合わせると二千七百二万キロワット、接続済みと全部合わせますと、一番最後に三千八百六十七万キロワットと、大きく大きく成長してきたわけであります。
私も、改めて、いや、すごいなと。そして、九州で再エネ事業者さんがこれだけ頑張ってきた。個々のいろいろな問題はあるかもわかりませんけれども、新しいCO2を生まない太陽光発電、風力発電を含めて、これだけの再生エネルギーが広がってきたというふうに思います。
率直に申し上げて、歓迎されることではないかな、喜ばしいことではないかなと思うわけでありますけれども、経済産業省の評価はいかがでしょうか。


○松山政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま委員の御指摘ございましたように、九州の中では、太陽光発電の接続量が二〇一二年度に比較しまして約八倍の八百十二万キロワットに増大してございます。また、その他の電源も含めまして、再エネの接続済みのものが千百六十五万キロまで増大してございます。
日本全国で申し上げますと、大体四千五百万キロワット分ぐらいの導入が既にされているところでございまして、ドイツを抜きまして世界第二位の太陽光の導入容量に達しているところでございます。
先ほど御指摘の数字にございました、全体では三千八百六十七万キロワットとございますが、この数字自体は、その接続されている申込みの状況によって、今後本当に接続できるかどうか、今検討申込みの段階のものも大体千六百六十一万キロワット分ございますので、これが全て導入につながるかどうかはわかりませんが、いずれにいたしましても、それを除きましても二千万キロワットを超える案件が九州で太陽光の発電につながっていく可能性が大きいということについて申し上げますと、再生可能エネルギーの最大の導入を図る政府の方針の中では大変歓迎すべきものではないかと考えてございます。


○田村(貴)委員 原田大臣にもお伺いしたいと思います。
私も、朝倉、東峰、日田それから添田、去年の九州北部豪雨水害、何度も訪ねてあの惨状を目の当たりにいたしました。
気候変動がもたらす、そして人為的作用がもたらす地球温暖化、これによって気象が変動している、災害がもたらされているといった状況の中で、やはり人に優しいエネルギー、これを大きく生み出して広げていく。CO2排出より、CO2を一切出さないこうした再生可能エネルギーが、大臣も私も暮らす九州でこれだけ飛躍してきたことを、今、経産省の方は歓迎すべきことだというふうにおっしゃいました。大臣の所感は、御所見はいかがでしょうか。


○原田国務大臣 エネルギー政策上も、また環境政策上も、この再生エネルギーをしっかりまた導入しなきゃいけないというのはそのとおりだろう、こう思っております。
今の出力制御につきましては、経産省が御説明されたように、透明性や公平性の確保に関する取組が行われているものと私は認識しているところであります。
環境省としては、脱炭素社会の構築に向けて、さまざまな課題に適切に対応しつつ、再生可能エネルギーを余すことなく活用できるよう、系統負荷の低い自家消費型の再生可能エネルギーや蓄エネルギー技術の導入促進、自立分散型のエネルギーシステムの構築等に向けた取組、また、それに対する支援等に取り組んでまいりたい、こういうふうに思っております。


○田村(貴)委員 そこでお伺いしたいんですけれども、九州ではこれだけ再エネが普及拡大してまいりました。再生可能エネルギーとほかの電力を組み合わせれば、原子力発電に頼らずとも電力は供給できるのではないか。これは数字の上ではできると考えますが、いかがでしょうか。


○小澤政府参考人 お答えいたします。
委員の御指摘は、単純に設備容量と需要量を比較した場合どうかという御指摘と思いますけれども、こうした比較を行う場合には、持続的、安定的な電力供給、あるいは発電効率やコストなども考えて行っていく必要が重要というふうに考えてございます。
例えば、太陽光発電は、先ほど委員からも御指摘ございましたが、晴天時の昼間であれば相当量の供給が可能でございますけれども……(田村(貴)委員「それはわかっています」と呼ぶ)ええ。夕方になると発電量が低下をして、夜は発電できなくなります。
また、火力につきましても、定検中であったり補修中であったりするなど、全部が使える状態とは限りません。むしろ、一年を通じて需要に応じた所要の火力を維持できるよう、定期検査や補修の期間をずらして必要な供給量を維持しているという状況でございます。
このように、時々刻々と変化する需要に応じまして供給量を確保するためには、その時々に活用できるさまざまな電源、これを用いて確実に供給すること、これが重要でございますし、さらに、一年といった長い期間を通じて停電等のない持続的、安定的な電力供給を行うことを考えますと、水力や原子力、地熱といったベースロードとなる電源が重要な役割を担うというふうに考えてございます。


○田村(貴)委員 私が質問したのは、数字の上では可能かと。そして、歴史的にこれは可能だったから聞いているわけですよ。
福島の事故以降、原発を動かしていない期間はあったじゃないですか。そのときにいろいろな電力を用いて動かしてきたから。歴史の事実からいっても、これだけ再生エネルギーが膨らんだ、そうしたら、原発にかわるほかのエネルギーと一緒に使っていけば電力は供給できるということを聞いているんですよ。何度も担当者の方はできると言っているんですから、これはできるわけなんですよね。
それに水を差したのが九州電力の出力制御であります。十月、十一月、八回、二万三千事業所、個々の総出力四百四十一万キロワットをとめたんです。せっかく日照時間が長い太陽光で電力をつくったのに捨てたわけなんですよ。これは、私はけしからぬやり方だというふうに思います。とめるべきはもう原発ですよ。大系統に頼ったら、北海道のブラックアウトを引き起こす、大きな教訓が出たじゃないですか。電気の地産地消をやっていかないといけない時代に入ってきているんですよ。
いろいろ言われましたけれども、やはり国が挙げて、再生エネルギーをつくってください、広げてくださいと頑張って事業者をふやしてきたことをもっと正当に評価しなければいけないと思います。
こうした出力制御を認めていくんだったら、これからの再エネの普及促進に水を差すことになるんじゃないですか。いかがですか。


○松山政府参考人 お答え申し上げます。
太陽光発電は、電力供給、発電の一つでございます。電力供給として国民の皆様方に安定した電力をお届けすることが一つ大切な責任であるものでございます。
その大前提として考えますと、太陽光、風力といった、自然変動、天気、日照条件によって変動するという特性のある電気につきましては、これを補う火力などとのバランスをとることが非常に重要になってくるわけでございます。
今回の九州における出力制御について申し上げましても、地域内での発電量が需要を上回る場合に、電力の安定供給を維持するためには、電力の発電量を制御する必要がございます。その際には、あらかじめ決められているルールに基づきまして、まず短時間での調整が可能な火力発電を抑制し、同時に揚水を最大限活用し、その上で、地域間連系線を最大限活用した上でなお供給力が過剰となる場合、再エネの出力制御を実施することとしてございます。
仮に、出力制御を行わないということにした場合について申し上げますと、年間を通じまして一番需要の小さい時期を上限としまして、その量まで再エネを接続することしかできなくなってしまう、結果として再エネの導入が少なくなってしまう。むしろ、適切な制御を前提とすることで送電線の接続をふやしていく方が、再エネの主力電源化、導入の拡大につながる、かように考えてございます。


○田村(貴)委員 海外では、再生可能エネルギー一〇〇%を可能とする研究がもう複数発表されています。世界で百五十以上の地域が再生可能エネルギー一〇〇%宣言をしている。企業もこれに続いている。そういう状況の中で、先ほど、大歓迎すべきという認識にあるんだったら、ここをやはり電力の主力としていく。
そして、優先給電ルールだって、海外では原発をそのルールの中の上位に持ってくるところもあるんだから、そういったこともやはり勉強して、この原発ありきの優先給電ルール、これも見直していかなければいけないというふうに思います。
異常気象と気候変動、その中で大災害が引き起こされているといった中で、CO2をとにかく一番生み出す石炭火力、こことは決別する。そして、原発だって、定期点検でとめているときは石炭火力を大きく動かすわけだから、これもやはり逆行していますよね、ここもやめていく。そのことを強く申し上げて、きょうの質問を終わりたいというふうに思います。
ありがとうございました。