198-衆-予算委員会第二分科会-1号 2019年2月27日 馬毛島買収に巨費 違法開発追認するな

○田村(貴)分科員 日本共産党の田村貴昭です。

最初に、東京圏一極集中の是正の問題について質問をします。
石田総務大臣は所信表明の中で、さきの臨時国会において、私は、地方の疲弊は限界に達し、東京一極集中の是正が急務であるとの認識を申し上げましたが、直近の調査でも地方から東京圏への転出が続いていることはまことに残念でありますと述べられました。
そこで、総務省にお伺いします。
住民基本台帳人口移動報告の二〇一八年結果が一月末に発表されていますが、東京圏一極集中について、転入転出の状況についてはどうなっているでしょうか。二〇一三年以降の状況について簡単に説明をしていただけますか。


○千野政府参考人 お答えいたします。
住民基本台帳人口移動報告によりまして日本人移動者の動きを見ますと、東京圏では転入者数が転出者数より多いという転入超過の状況が続いております。
まず、東京圏への転入者数ですが、二〇一三年の四十六万六千八百四十四人からおおむね増加傾向であります。二〇一八年は四十九万千三人となっております。
次に、東京圏からの転出者数ですが、二〇一三年の三十七万三百二十人からおおむね減少傾向になっておりまして、二〇一八年には三十五万五千四百三人となっております。
この結果、東京圏への転入超過数ですが、二〇一三年の九万六千五百二十四人からおおむね拡大傾向で推移しておりまして、二〇一八年には十三万五千六百人となりまして、これは前年に比べて一万五千八百二十一人の拡大となっております。


○田村(貴)分科員 今答弁いただいたことをグラフにしたのがお配りしている資料であります。
転入超過、歯どめがかかっていません。私、何で二〇一三年以降の数字を聞いたかといいますと、これは、石田大臣御存じのように、安倍政権が、二〇一三年から東京圏から地方への転出を年間四万人増加させて、地方から東京圏への転入を年間六万人減少させる、そして二〇二〇年時点で東京圏から地方への転出転入を均衡させると方針を掲げているからであります。これは閣議決定であります。まち・ひと・しごと創生総合戦略の基本中の基本方針であります。
そこで、石田大臣、もはやこの来年の均衡の目標というのは達成できないのではありませんか。私は、過去何度か、この質問を委員会等で取り上げ、総理にも質問をさせていただいたんですけれども、そのときの答弁は、頑張るということ以外はありませんでした。この閣議決定、そして地方創生の一丁目一番地の方針についてどうされるんでしょうか。


○石田国務大臣 今回の住民基本台帳移動報告の結果は、東京一極集中に歯どめがかかっていないということを改めて示すものでありまして、危機感を新たにするとともに、この状況を変えなければならないという思いを強くいたしました。
こういう状況の中でありますけれども、私もいろいろと思う中で、就任以来、二つの明るい兆しがあるのではないかというふうに感じております。
その一つは、やはり生活環境を変えたいという若い人たちの意識の変化でございまして、昨年、NPO法人のふるさと回帰支援センターへの移住相談件数、これはもう毎年一万人ずつぐらいふえてきていますけれども……(田村(貴)分科員「所信でお伺いしました」と呼ぶ)ええ、四万件になりました。そのうちで、年代別でいいますと二十代から三十代が五〇%を超え、そして四十代を含めると七〇%を超えている、すなわち働き盛りの人が移住を考えている、これは今までにない大きな変化だと思っておりますし、申し上げればほかにもその兆候がありますが、それは割愛をさせていただきたいと思います。
もう一つは、ソサエティー五・〇を支える技術革新の着実な進展でございまして、既に実用化されている技術で地方を大きく変えるものがありますし、今後の進展の中で地方を更に大きく変えていくというふうに考えられます。
今で申し上げれば、今は日本のどこにいても世界とつながって仕事ができる、あるいはどこにいてもさまざまな生活支援サービスを受けられる、こういう大きな変化が起こっておりまして、こうした変化を地方にとってのチャンスにしていく、そのことが私は非常に大事だというふうに思っております。
そういう中で、若い人たちに地方に行っていただく、こうした流れをつくることが重要だというふうに思っておりまして、例えば企業にあってはサテライトオフィスあるいはテレワークなど、東京にだけ集中するのではなく、東京圏に置かなければいけない部門以外の部門の地方への機能移転、そういうこともしっかり、お願いもし、取り組んでもいかなければなりません。
また、今回の調査でも明らかになりましたのは、東京圏の平成三十年度大学入学者数は二十五万六千九百九十四人でありまして、うち東京圏以外からは八万四千六百九十六人であることから、私は、地方大学を充実させる中でどうやっていくか、別の角度の検討も非常に重要になっていくと考えております。
そういう中で、昨年……


○坂本主査 大臣、簡潔にお願いいたします。


○石田国務大臣 ええ。(田村(貴)分科員「質問と違うんですね、質問の答えじゃないんです」と呼ぶ)いやいや。
といいますのは、これからこういう取組、各省とも連携して、スピード感を持って取り組むことによりまして、持続可能な地域社会の実現、それにつなげてまいりたいと思っております。


○田村(貴)分科員 私がお伺いしたのは、二〇二〇年、来年度の目標は達成できないんじゃないですか、この政府の方針、閣議決定をどうされるんですかと聞いているんですよ。お答えになられませんでした。
本腰を入れて東京圏一極集中の是正に取り組んでいただかなければ、それは大臣の地元の和歌山でも、私の住んでいる福岡・北九州でも、これは大変な転出超過、そして高齢化、それから地域によっては過疎化の進行で、苦労とそして悩んでおられるという状況が続くばかりなのであります。
そこで、きょうは離島の、鹿児島県の種子島、西之表に帰属する馬毛島の問題についてお伺いをしたいというふうに思います。
防衛省は、二〇一一年以降、鹿児島県種子島沖十二キロに位置する馬毛島を、南西地域における防衛体制の充実のためとして、FCLP、米軍空母艦載機地上離着陸訓練を実施するために島を取得しようとして、地権者との交渉を今行っているところであります。
馬毛島においては、この間、地権者がさまざまな開発行為を行ってまいりました。
農林水産省にお伺いいたします。
森林法において、一ヘクタール以上の開発行為を行う場合、どのような手続を踏まえなければならないんでしょうか。開発する場合、一ヘクタールを超える伐採届については抜根できない、林地として残っていることが必要ではないかと私は認識していますけれども、説明をしていただけますか。


○織田政府参考人 お答えいたします。
森林法におきましては、保安林以外の民有林において、一ヘクタールを超える開発行為を行う場合は都道府県知事の許可を受けなければならないとされているところでございます。
そして、その対象となる開発行為につきましては、土石又は樹根の採掘、開墾その他の土地の形質を変更する行為とされているところでございます。
したがいまして、民有林において、一ヘクタールを超えて、例えば樹根の採掘等、土地の形質を変更する行為を行う場合は、市町村への伐採届出ではなくて、都道府県知事の許可が必要であるということでございます。


○田村(貴)分科員 そうすると、馬毛島における当該開発行為というのは、これは違法になってまいります。
資料3をごらんいただきたいと思います。
鹿児島県が、馬毛島の所有者が西之表市に提出した伐採届の状況に林地開発許可地を重ね合わせた資料であります。非常にわかりやすいのでお配りをしていますけれども、資料3です。
島の広範囲にわたって伐採届が出されています。グレーの部分のみが、今答弁ありましたように、県知事が与えた林地開発許可地であります。ほかの色のところは伐採届のみであります。伐採届は二〇〇二年七月から二〇〇七年四月の間までに十二件、百七十ヘクタール出されています。もちろん一ヘクタール以上であります。農水省の今の説明では、これは抜根できませんよね。林地として残っていることが必要ですよね。
現状はどうなのか。戻って資料2をごらんいただきたいと思います。
朝日新聞の二〇一一年八月十一日付記事です。三つの写真がありますけれども、森林がなくなっていく過程が見てとれます。
それから、先ほどの3の右側のグーグルマップの図ですけれども、巨大な十字架状の地面があらわになっています。東西に走る滑走路をつくろうとしたんでしょうか。この地域の林地開発許可というのは一部だけであります。
このように見ていきますと、明らかに違法行為であります。
鹿児島県はどのように認識しているでしょうか。議会答弁で次のように述べておられます。昨今の報道による映像や同社会長の発言等を勘案すると、森林法に抵触しているおそれがあると考えていますと。
これは過去の議会答弁でありますけれども、鹿児島県に確認しますと、今もそういう認識であるということでありました。
鹿児島県が違法を認識しているだけではありません。
公害等調整委員会の馬毛島における開発工事による漁業被害原因裁定申請事件の裁定書があります。この中で、裁定委員会が林地開発事業、立木伐採事業について述べたところを紹介していただけますか。所管は総務省だと伺っています。


○川淵政府参考人 委員御指摘の事件でございますけれども、鹿児島県西之表市の漁業を営む住民十三人の方が、土地開発会社による馬毛島の開発行為により土砂が周辺海域に流れ込んで海洋汚染が生じたためにトコブシ等の漁獲量が減少したとして裁定の申請を行ったものでございます。
公害等調整委員会の裁定委員会は、本件の審理の中で、被申請人である土地開発会社の行った林地開発事業及び立木伐採事業について、平成十七年ごろまでは、おおむね許可申請又は届出に沿った開発が行われていた、その後、平成二十年ころまでには、許可申請及び届出の範囲を超える開発及び伐採をしていたと推認されることから、平成十七年以降の開発行為については、降雨に伴って想定を上回る量の土砂流出が生じたことがうかがわれるとしております。
当該申請につきましては、漁業被害を生じさせる程度までの海洋汚染があったと認めるに足りる証拠はないとして、申請を棄却しているところでございます。


○田村(貴)分科員 公害等調整委員会も違法伐採であると事実認定しています。許可申請及び届出の範囲を超える開発及び伐採をしているものと認められる、こういう事実認定をしているわけであります。違法の土地を国有財産として取得していいのですかという疑義が発生します。
そこで、きょうは防衛省原田副大臣にお越しいただいています。防衛省が地権者から買おうとしているこの土地は、林地の再生を行っていません。森林法に違反した開発を行っています。副大臣は、この事実を御承知でしたか。


○原田副大臣 馬毛島につきましては、田村委員お示しのように、防衛省としましては、空母艦載機の着陸訓練、FCLPを実施するための候補地として今検討を進めさせていただいております。
防衛省としては、現在、馬毛島の土地の大半を所有するタストン・エアポート社との間で売買契約を締結できるように引き続き協議をいたしておるところでございます。現時点におきまして、交渉の内容についてはお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
いずれにしましても、防衛省としては、FCLP施設の確保を安全保障上の重要課題と考えておりまして、早期に恒久的な施設を整備できるように引き続き取り組んでまいる所存でございます。


○田村(貴)分科員 副大臣、私がお伺いしたのは、今、農水省から、それから総務省からお話があったように、森林法に違反した開発を行っているという事実認定もある、疑いがかかっている、そういう土地であるということを副大臣は認識されて、種子島に、鹿児島県に行かれたんですか。この事実を御存じないんですか。それだけ聞いているんです。イエスかノーかで答えてください。


○原田副大臣 今委員お示しのことも含めて、私どもは交渉をいたしておるということでございます。


○田村(貴)分科員 知っているんですね。


○原田副大臣 私自身が知っているかどうかも含めて、今交渉中でありますので、答えは差し控えさせていただきたいと思います。


○田村(貴)分科員 ここは大事なんですよ。取得しようとする土地で、そして価格を提示して地権者と交渉されているわけですよね。その結果も踏まえて、鹿児島県に行き、西之表市長とも会われたわけでしょう。副大臣は、買おうとしている土地ですよ、防衛省が買おうとしている土地が違法開発の疑いがかかっている、事実認定もされている、この事実を知っているんですか、知っていないんですか。


○原田副大臣 私が西之表市の八板市長と面会をさせていただいたのは、馬毛島の調査、FCLPももちろんでありますけれども、自衛隊の基地として買収するにふさわしいかどうかということも含めて調査をいたしたいということで面会をさせていただいたところでございます。


○田村(貴)分科員 お答えにならないので質問を変えますけれども、防衛省は、馬毛島で基礎的な資料を収集する、気象条件の調査をするとかそういったことで、二〇一八年度に二億四千五百万円の予算を支出しました。既にいろんな調査に当たられていると思うんですけれども、今私が申し上げた森林法違反、違法な伐採等々については確認していますか。調査をしていますか。地権者、県や農水省、総務省に対して事実確認を行っていますか。
調査の中身についてお答えいただきたいと通告していますので、この中に、この違法伐採のことについては調査していますか。


○原田副大臣 繰り返しでありますけれども、今交渉をしておる最中でございますので、その内容につきましては、答えは差し控えさせていただきたいと思います。


○田村(貴)分科員 どうやらこうした大事な部分はすっ飛ばして、そして地権者と交渉しているというふうにとられても仕方がないですよ、お答えにならないんだったら。
国土交通省にお伺いします。
公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱というのがあります。これは閣議決定です。その中では、「正常な取引価格をもつて補償する」とされています。国有財産として取得しようとする土地が違法開発など瑕疵ある物件だった場合、どういう対応をされてきましたか。また、されますか。


○鳩山政府参考人 お答えさせていただきます。
国土交通省の公共用地の取得は、先生御指摘の閣議決定でございます公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱に準じて制定いたしました国土交通省の公共用地の取得に伴う損失補償基準に基づき行っております。
ここでは、土地の正常な取引価格というものは、近傍類地の取引価格を基準としまして、これらの土地及び取得する土地について、土地価格形成上の諸要素を総合的に比較考量して算定することとなっております。
なお、具体的に、その訓令の九条のところに、宅地、農地、林地等について、いろんな要素が例示されておるんですけれども、宅地が一番詳しくて、一、形状、地積等に並んで、土地の利用に関する公法上の規制の程度というものも入ってございます。林地については、直接はその文言はありませんけれども、何とか等ということで書いてございますので、その中に広く含められると思います。
先生御質問の、瑕疵というか、この場合、先生御指摘の場合は今何か違法開発的なものが明らかであるということなので、ちょっと瑕疵というのは……(田村(貴)分科員「一般論でいいです」と呼ぶ)一般論ですね。
ですから、一般論で言うと、そういうものも、土地価格形成上の諸要素として総合的に比較考量して算定することになるということでございます。


○田村(貴)分科員 違法行為があったとすると、例えば土壌汚染があるとか、そうすると、法に基づいて原状に回復するとか補償額を減額するという措置はとられないんですか。


○鳩山政府参考人 例えば、先生今御指摘の土壌汚染がある場合は、その汚染がない前提の評価額から、その汚染の除去費用等を減価要因として織り込む等により評価を行っております。


○田村(貴)分科員 つまり、やはり瑕疵ある物件だったら、そこをもとに戻すということが一番大事なんですよ、公費を投じて国有財産にするんですから。
副大臣、お伺いしたいんですけれども、地権者は、その森林法違反のことについて、是正する、原状に回復するというふうに交渉経過の中で述べているんですか。これはちゃんと明らかにしないと大変なことになりますよ。
それから、瑕疵ある物件を国有財産として取得していいんですか。違法開発のおそれがあることも知らずに地権者と売買交渉をしていいんですか。これについてどうですか。


○原田副大臣 繰り返しになりますけれども、現在、馬毛島の土地の大半を所有をいたしますタストン・エアポート社との間で売買契約を締結できるように、引き続き協議をしているところでございまして、現時点において、売買価格その他につきましてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。


○田村(貴)分科員 違法開発である土地を、地権者に対して、そして行政に対して、確かめもせずですよ、国が巨費を投じることなどあってはなりません。国が違法行為を追認して土地を取得しようということなどは絶対に認められないわけであります。売買交渉を直ちに中止して、私の質問に答えられるように、そしてそれを内外に明らかにしていただきたいと思います。
質問を続けたいと思います。
国土交通省に伺います。不動産鑑定評価額を大きく上回ったり下回ったりして国有財産を取得するようなことはあり得るんでしょうか。交渉に当たって相手方と価格が折り合わなくなった場合にはどうされていますか。


○鳩山政府参考人 国土交通省の補償業務を直接担当する地方整備局等におきましては、地権者に補償金額を提示する際、近傍の取引事例のほか、土地や物件の現状などを詳細に調査しまして、関係情報をできる限り収集した上で、補償基準にのっとり補償額を算定しております。
その際、別途不動産鑑定士に依頼した鑑定評価の価格との間に開差があることもあり得ますが、その場合は、鑑定評価額の決定理由を確認の上、地方整備局において評価した価格を再検討し、適正な評価額を求めるよう努めております。
その上でですが、道路や河川などの公共用地を取得する際には、一定の取引価格が、一定の取引事例が存在するのが通例でございまして、このため、地方整備局等で算定した補償金額と不動産鑑定士から徴した鑑定価格とが著しく乖離していることというのは通常考えにくいところでございます。
ただ、一般論として申し上げれば、取引事例が極端に少ないなどの条件のもとでは価格の評価が困難であり、評価に差が生じることも考えられるところでございます。
地権者の方に提示する補償額は、できる限り十分な情報のもとに、補償基準にのっとって算定しており、その金額に御理解をいただけるよう丁寧な説明に努めておりますが、どうしても価格が折り合わない場合は、やむなく土地収用手続に移行するというような場合もございます。


○田村(貴)分科員 不動産鑑定評価額と実際の売買金額が著しく乖離することというのは考えられない、基本的に考えられないということであります。
報道等では、不動産鑑定評価額が四十五億円、交渉している価格が百六十億円。これがずっと流れているわけですよ。NHKも民放も新聞も全部こういう報道をされているんですよ。そのことについても何にもおっしゃらないんですよ。違法開発行為があった瑕疵ある物件であることも調査もしていない。このことも確かめずして売買交渉をやっている。これは大事な問題ですよ、重大ですよ。
副大臣、冷静になってちょっと答えていただきたいんですけれども、馬毛島のどこが合法的に開発許可されたところで、どこが違法開発されたところか、これは今の段階ではわからないわけですよ。鹿児島県が調査に入ろうとしているんだけれども調査ができていない。そんな段階で、どうして公正な売買価格というのが算定できるんですか。どうして価格の提示ができるんですか。そのことについてお答えいただきたいと思います。


○原田副大臣 防衛省から価格の提示をしたことはございません。その点だけは御理解をいただきたいと思います。


○田村(貴)分科員 さらに、この土地は抵当権が設定されています。
国土交通省にお伺いしますけれども、抵当権が設定されている場合には、当該権利を消滅させることを売買相手に求めるように示しているということですね。時間がないので、そういうことですよね。はい、確認しました。
副大臣、取得対象の土地に抵当権が打たれていますけれども、これは当然抹消して取得するという防衛省の方針でよろしいんですね。


○原田副大臣 原則といたしまして、行政財産として土地を取得する場合には、田村委員お示しのように、国有財産法の定めによることとなりますけれども、同法律には、行政財産にする目的で土地等を取得する場合には、抵当権等の所有権以外の権利が設定されている土地等の取得に係る制限規定はないために、合理的な理由と妥当性があれば、所有権以外の権利が設定をされている土地の取得もやむを得ないものと考えられます。


○田村(貴)分科員 抵当権が設定されたままで土地の取得もあり得るということですか、防衛省。確認します。


○原田副大臣 所有権以外に、権利が国にとって著しく不利とならないもの、そして、当該権利を考慮した適正な対価で取得できること、それから三番目としましては、緊急性、非代替性等が当該権利が設定されている土地の取得に優先するということが合理的な理由として考えられますので、取得することもあり得るということでございます。


○田村(貴)分科員 非常に密室の中で、数十億、百数十億というお金を動かして国有財産にする、瑕疵ある物件を。これは大問題ですよ。予算が計上されないと私たちはわからないんだけれども、そんなことでいいんですか。
資料四番目にお配りしているんですけれども、南西地域における陸上自衛隊部隊配備に伴う不動産鑑定評価額等、鑑定評価額と売買契約額は同一であります。そして、大体の国有財産というのは、そうした抵当権が打たれているものについては抹消する。これは土地の取得に当たっている国土交通省の一番基本的な考え方ですよね。それをやはり例外があるみたいな形でやっていくというのは、これは絶対に、島の人たち、鹿児島県の人たち、国民の理解は得られないと思います。
馬毛島というのは、一九九八年、国有地でありました。その国有地である馬毛島を、国は農地の一部として払い下げた経過があります。その売却金額は千三百四十万円、広さは十三万六千八百八十平米でありますけれども、農水省、それでいいですね。はい。数字だけです。(山北政府参考人「面積が違います」と呼ぶ)面積を言ってください。


○山北政府参考人 面積は十三万九千八百八十平方メートルでございます。


○田村(貴)分科員 そうすると、一ヘクタール九十五万七千九百六十四円で当時払い下げたんです。
今度は買い受ける番ですよね。払い下げたときの価格を、地権者の所有地、八百十二ヘクタールとしましょう、に乗じれば、馬毛島全体の価格は約七億八千万円ということになります。二十年たってもこの島は無人島であります。そして、加えて、違法開発が行われている物件であります。島の不動産価値が上がることはあり得ません。
不動産鑑定が四十五億、そして、ちまたで伝えられている交渉価格が百六十億円、これは絶対理解できないんですけれども、まさかそういうお金を提示して交渉されているのではありませんよね。副大臣、いかがですか、百六十億円。


○原田副大臣 額を提示して交渉に当たっておる事実はございません。


○田村(貴)分科員 では、防衛省からお伺いしているんですけれども、お互い的な基本事項について文書で交わしたと言っているんですけれども、それは価格については合意をしていないということでよろしいんですか。


○坂本主査 質問時間が終了しています。


○原田副大臣 今委員お示しのとおりでございます。


○田村(貴)分科員 時間が参りました。終わりますけれども、空母艦載機というのは、飛行場の滑走路を空母に見立てて離着陸を繰り返す実戦さながらの訓練であります。耐えがたい騒音、そして牛の乳が出なくなるのではないか、不安におびえる島の声がたくさん出されております。平穏な島の人たちの生活と環境を脅かす、こうした土地の取得は断じて認められません。
そのことを指摘して、きょうの質問を終わります。