198-衆-環境委員会-2号 2019年3月12日 石炭・プラ熱発電は中止を/水俣病救済に逆行 環境省の姿勢を批判

○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。

最初に、地球温暖化対策と石炭火力発電所のことについて質問します。
東京ガスや九州電力などが千葉県の袖ケ浦市で計画をしていた大規模石炭火力発電所が中止となりました。環境負荷を和らげるための費用がかさむ、採算に合わないことが理由だと報道されています。
気候ネットワークによれば、二〇一二年以降に把握されていた日本国内の石炭火力発電所新増設計画五十基のうち、これまで十一基が中止、燃料転換となったとされています。
そこで、伺います。
石炭火力発電所の新規増設の中止や燃料転換など、その主な理由について教えていただけますか。


○小澤政府参考人 お答えいたします。
御指摘の石炭火力発電設備の新増設計画等の中止あるいはLNG火力への計画変更等につきましては、発電事業者によるプレスリリースによりますと、主に、当該計画について十分な事業性が見込めないと判断したことなどを理由に挙げております。
こうした個々の発電設備の投資につきましては、それぞれの事業者を取り巻くさまざまな事業環境等を十分に精査して、その上で総合的に判断したものでのことというように認識してございます。


○田村(貴)委員 要するに、原発の輸出と同じく石炭火力発電所というのは、今ビジネスとしてもなかなか成立しないという状況になっているということであります。
東日本大震災、福島の原発事故から八年がたちました。省エネが国民生活に定着しております。
資料一をごらんいただきたいと思います。電力広域的運営推進機関の発表した全国の需要想定結果であります。
使用端というのは、家庭や事業所から実際に使った電力という意味でありますけれども、年々減少の傾向であります。そして、二〇一八年から二〇二八年までの最大需要電力量の平均増減率というのは、マイナス〇・一%というふうにされているところであります。
そこで、伺いますけれども、原発事故以降、二〇一〇年以降のこの国の電力の需要、それから今後の見通し、再エネ、自然エネルギーの普及状況について、簡単でいいですので、傾向について説明していただけますか。


○小澤政府参考人 お答えいたします。
今委員の方から資料もお示しいただきましたが、御指摘のものは、電力広域的運営推進機関が示している電力需要の実績及び見通しでございます。
これを見ますと、震災後、電力需要は減少しまして、その後、これまでのところは、少しばらつきがありますけれども、横ばいで推移をしている。さらに、二〇二八年の想定需要は八千四百四億キロワットアワーと、足元実績からやや微減あるいはほぼ横ばいという見通しになってございます。
また、水力を含む再生可能エネルギーの実績につきましてでございますが、固定価格買取り制度、これの導入支援によりまして、FIT法の導入後、太陽光を中心に約六%拡大してございます。具体的には、二〇一一年度の一〇・四%から、二〇一七年度一六・一%まで拡大をしてきてございます。
今後、エネルギーミックスでお示しする二〇三〇年二二から二四%の確実な実現に向けまして、引き続き、コスト低減の取組強化、系統制約の克服、調整力の確保等の課題にしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。


○田村(貴)委員 電気の需要はふえていないということです。それから、自然エネルギー、再エネは拡大普及が進んでいるというお話でありました。
九州では、再生可能エネルギーが大幅にふえまして、電気の需給バランスをとるという名目で出力制御がこの間行われてきました。優先給電ルールに基づきますと、第一に火力発電所が出力制御となるわけでありますけれども、九州電力における石炭火力発電所の出力制御についてはどうだったんでしょうか。これも簡単に教えていただけますか。


○小澤政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のように、電力の供給が需要よりも大きい場合には、国及び電力広域的運営推進機関によってあらかじめ決められたルールに基づきまして、まず最初に火力発電の抑制を行うこととしてございます。
九州本土では、きょう時点で計十五回の再生可能エネルギーの出力制御が実施されておりますが、出力制御に先立ちましては、あらかじめ石炭火力を含む火力発電の出力を引き下げているものと認識してございます。
例えば、昨年十月二十一日の再生可能エネルギーの出力制御の際には、石炭火力発電の出力は、約三百九十万キロワットから約百十万キロワットまで引下げが行われたところでございます。


○田村(貴)委員 原田大臣、事務的に今三つ確認をさせていただきました。
その一つは、やはり、石炭火力のコスト高で、ビジネスとして日本国内においても成り立っていない、だから、廃止、中止が行われる。もう一つは、電力需要がこれは上昇気流には絶対ないということです。それから、再エネが拡大して、そして出力制御の第一番目の石炭火力発電所は、九州管内、大臣も、出力制御、一緒でしたからね、三百九十万が百十万と三分の一に制御された。こうしたことから考えると、これから石炭火力の需要がふえることは絶対ないわけなんですよ。
そこで、大臣は、所信表明の中で、我が国の削減目標達成への深刻な支障が懸念される石炭火力発電所については引き続き厳しく対応してまいりますと、極めて明確に述べておられます。この厳しく対処するということは、どういうことなんでしょうか。すなわち、石炭火力の新規増設は認めないという強い決意として捉えていいのか、お答えいただきたいと思います。


○原田国務大臣 地球温暖化、気候変動の観点から、石炭火力が一番大きな課題であるというのは、これは大体衆目の一致するところであります。私どももそう考えております。それゆえに、かねがね抑制については心を砕いておるところでございます。
そういう意味で、これからどうするか。今、委員が、ビジネスの面でも需要の面でも、また、再エネがせっかくでき上がっているのにという、そういう観点からすると、実は決して石炭火力にとっていい環境にはないというふうに思っているところであります。
行政としては、そのことを踏まえながら、それぞれの案件について取り組んでいかなきゃいけないと思っておりますし、まずは、私どものできるところは、当然、アセスメントの意見をしっかり言う立場にもありますから、そこについてはしっかりまた厳しくそれを審査いたしまして、だめなものはだめだ、中止をせよというような立場から物申していきたいな、こう思っております。
あくまでも、この発電所をどうするかについては、これはまた経営判断にもよる部分でありますから、それはもちろんお話を聞きながらも、しかし前提としてはやはり厳しく対処していく、こういうふうに気持ちを持っているところであります。


○田村(貴)委員 事業者は事業転換していっているじゃないですか。そういう方向性をやはり事業者も見ていっているので、大臣、これからどうするかじゃなくて、今どうするかなんですよ。しかも、もうおくれをとっている。
午前中、立憲民主党の横光議員からも諸外国の例が出されました。フランスは二〇二〇年全廃、イギリス、イタリアは二〇二五年までに全廃、オランダ、カナダは二〇三〇年までに全廃、ドイツは二〇三八年までに全廃。日本だけが二〇三〇年時点で二六%と、これはやはりだめですよ。
そして、大臣、もう一つ、所信で、パリ協定に掲げられた目標の実現に向け、大胆かつ着実に国内外の対策を推進します、こうまで述べられたんですよ。一番削減目標達成に深刻な支障があるのは石炭火力発電だと述べられて、大胆かつ着実に国内外の対策を推進しますというのであれば、これはもう新規増設はなしですよ。
ここが大臣の言われる大胆かつ着実な対策ではないかなと思うんですけれども、ちょっと、具体的なことをおっしゃっていただかないと、これは去年から私ずっとやってきているんですよ。大臣、この決意に照らして、どうされるんですか。もう一度お答えいただきたいと思います。もう認めないですね。


○原田国務大臣 何度も申し上げておりますように、石炭火力が一番大きな問題であるということは、私どもも十分認識しておるところであります。
その上で、当然、政府の部内でしっかりまた状況を調整しながら、しかしその上で、私も、環境大臣として、大胆かつはっきりとした結論を出していきたいな、こう思っております。
先ほど言いましたように、アセスメントの評価等においては、従来以上に厳しい考え方を投入していきたいな、こう思っております。


○田村(貴)委員 大臣、弱いですよ。せっかく所信でこれだけ強い決意を述べたんだったら、具体的に強い決断を、強い指導を発揮していただきたいと思います。それをしないとやはり世界からおくれをとる形になる、強い姿勢を見せないと大変なことになっていく。
同様のことがプラスチックごみ削減についても起こり得るのではないかということで、廃プラ問題についてお伺いします。
前の国会でも取り上げました。このプラスチック廃棄物を減らすためには、まず何といっても使用量の削減、リデュース、そして有効活用としての再利用、リユース、再生利用、リサイクル、そして、最終手段としての熱回収であります。この順序については大臣もお認めになっておられると思います。
循環型社会形成推進基本法でも既に処理の優先順位というのが法制化されていますし、このたび、プラスチック資源循環戦略、この中で議論されてきたと思うんですけれども、戦略の案には、どういうふうにこの順序というのは反映されているんでしょうか。


○山本政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま御指摘いただきました優先順位につきましては、まず、戦略案におきまして、基本原則の中にしっかりと盛り込んでございます。
その上で、具体的な施策、重点戦略といたしまして、リデュースとしてのレジ袋有料化義務化や、徹底的な回収、リサイクル等の重点戦略を位置づけてございます。またさらに、ワンウエープラスチックの排出抑制、あるいはリユース、リサイクルに関する具体的なマイルストーンを設定するということをやりまして、基本原則を踏まえて、まずはリデュース、その上でリユース、リサイクルを徹底し、それが難しい場合に熱回収を行うという内容で、一貫した形で整備してございます。


○田村(貴)委員 そうなんですね。
その戦略案の中でこういう表現があるんです。廃プラスチックのリサイクル率二七・八%と熱回収五八%を合わせて八五・八%の有効利用率と。いいんですか、これで。熱回収が、最終手段どころか、処理の主力となっているじゃないですか。熱回収五八・〇%。主力なんですよ。それと合わせて有効利用率という表現は、これはやはりよくないですよ。これはやはり改めた方がいいと思います。
質問しますけれども、削減のためには、安易に熱回収に回してはいけない、ここを明確にすることが肝要ではないか、そして、熱回収削減の目標をやはり今こそ立てるべきではないかと考えますが、いかがですか。


○原田国務大臣 今局長からも申し上げましたように、スリーRのまず優先順位をしっかり踏まえて、リデュース、リユース、リサイクル、これを徹底したいのですが、どうしても難しい場合には熱回収を行うということとしておるところであります。
プラスチックの大宗を占める容器包装については二〇三〇年までにリサイクル率を六割にし、全てのプラスチック製品、容器包装については二〇二五年までにリユース、リサイクル可能なものとして、全ての使用済みプラスチックを二〇三五年までにリユース、リサイクルし、それが技術的理由等により難しい場合に限り熱回収により一〇〇%有効利用するということが盛り込まれております。
いずれも海洋プラスチック憲章を上回る野心的なものであるというふうに考えているところであります。


○田村(貴)委員 そういうアプローチの仕方から熱回収が減るというのはわかるんですけれども、熱回収自体が五七%に頼っている、この現状が一番大きな問題なんですね。これは、やはり削減させるためにも目標と目標数値を持つことが大事であります。
大臣、もう一問。
やはり先ほどの地球温暖化対策、CO2削減の意味からも、熱回収の削減値、削減目標を持つ必要があるというふうに考えます。パリ協定の目標を達成するためには、二度なら今の目標の三倍、一・五度ならば五倍に目標を引き上げる必要があります。ですから、このパリ目標の達成のためにも熱回収を減らす必要があると思いますけれども、これも大臣、強いメッセージを発しないとだめなんです。強いメッセージを聞きたいんです、お願いします。


○原田国務大臣 今委員が御指摘いただいたことも踏まえまして、これから更に強いメッセージを出せるようにいたしたいと思います。


○田村(貴)委員 環境省、いかがですか。熱回収の削減、目標、展望、これをやはり戦略にまとめていかないと、海外にもう持っていかないわけでしょう、そして、できるだけ循環させていくというわけでしょう。ここはやはり大きな問題だと思うんですけれども、やはり展望を持つことが大事だと思うんですけれども、どうですか。


○山本政府参考人 先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおり、例えば今回のマイルストーンの中で、まずは全てのプラスチック製品、容器包装のデザインを二〇二五年までにリユース、リサイクル可能なものにする。その上で、二〇三〇年までに容器包装についてはリサイクル率を六割にするというようなことを定めておりまして、さらに、全ての使用済みプラスチックについては一〇〇%有効利用ですが、熱利用に関しては技術的理由等により難しい場合に限って使うというようなことにしておりますので、このマイルストーンを国民各界各層と連携をしながら目指すという大きな方向性を示すことで、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。


○田村(貴)委員 繰り返しますけれども、熱回収を減らしていくということでいいんですか。端的に教えてください。


○山本政府参考人 先ほどのマイルストーンを達成していくためには、当然その熱回収の部分は減らしていく必要があると考えております。


○田村(貴)委員 環境省のこの戦略の文案に対してのパブリックコメントが寄せられました。
この中で、この問題の専門家から、熱回収を有効利用とは認められないから段階的に削減を明記すべきだという意見があっていることも重々承知しておられると思いますけれども、今の論議、強いメッセージをぜひ大臣を先頭に発していただかないと、この問題もやはり世界から立ちおくれることになってしまうということを指摘させていただきたいというふうに思います。
次に、水俣病のことについてお伺いします。
水俣病対策に関連して、環境省が神経学会への意見照会を行った問題について質問します。
資料の二をごらんいただきたいと思います。これは、一月十六日付の西日本新聞であります。
このような記事の内容です。日本神経学会が、環境省から意見照会を受け、裁判で争点となっている水俣病の症状のあらわれ方などについて、国側の主張を追認する見解をまとめていたことがわかった。見解は、昨年十一月、福岡高裁で係争中の水俣病被害者互助会の国賠訴訟に証拠として提出されている。大きく、九州、地元などでは報道されているところであります。
そこで、事務的に確認をさせていただきますけれども、まず、環境省は、昨年、二〇一八年五月七日に、日本神経学会に対して、メチル水銀中毒にかかわる神経学知見に関する意見照会を文書にして行ったのか、この事実を認めているのかどうか。それから、五月十日、その三日後ですね、日本神経学会は、環境省に対して、同意見の照会に対する回答を文書にして行ったのか。これは事実ですね。


○梅田政府参考人 お答えいたします。
環境省より、昨年に、メチル水銀中毒症に係る神経学的知見に関しまして日本神経学会に意見照会をし、その回答を当該学会よりいただきましたことは事実でございます。


○田村(貴)委員 それで、この意見照会で得られた神経学会からの文書というのは、裁判所に提出することを目的として神経学会に意見照会したんですか。


○梅田政府参考人 お答えいたします。
委員お尋ねのことにつきましては、現在係属中の訴訟に関することでございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。


○田村(貴)委員 これは、委員長、ちょっと聞いていただきたいんですけれどもね。
意見照会した、神経学会から回答が来た、それを裁判所に提出しているんですよ。でも、裁判は進んでいるんですよね。出したことは事実で、そして意見照会があったことも認めた。そして、回答もあったことも認めた。裁判にも出されている。だから、裁判に出すことを目的として行政行為があったのですかと聞いているのに、それは係争中だと言って、答えないんですよ。これはおかしな話なんですよ。
事実を事実として認めないのは、これはやはり、患者やそれから被害者の方たちを大変疑心暗鬼に追い込むことになりますよ。
内容がまた問題なんですよ。神経学会に環境省は何を尋ねたんですか。意見照会文、紹介してもらえますか。


○梅田政府参考人 お答えいたします。
意見照会文についてのお尋ねでございますが、これも現在係属中の訴訟に関することでございますので、恐縮ですが、お答えは差し控えさせていただきたく存じます。


○田村(貴)委員 事ほどさように、熊本県から、水俣病の、そして、今きつい思いをして裁判や、それから行政の救済を求めて声を上げている人たちが尋ねてきて、この事実経過についても何も答えないんですよ。本当にひどい話なんですよ。
事務方はこういう態度なので、原田大臣にお伺いします。原田大臣は法律の専門家ですので、ぜひとも、回答、そして答弁いただきたいと思うんですけれども、裁判事項でもない、係争事案について話していることでもないのにかかわらず、何も答えていない。
意見照会文、環境省から神経学会に対しては、意見照会文はこのようなことになっています。
まず、前文であります。
当該訴訟の原告側から、神経学の基本的な点について、疑義が生じる主張が行われている場合が見受けられます。これはどんなものなんですかね。初めから原告主張は間違いだと決めてかかって、そして意見を求めているわけですよね。
そして、具体的な設問項目、これは三つあるんですけれども、時間がありません、一つだけ紹介します。
環境省から神経学会への質問は、まず、「神経系疾患の診断に当たっては、神経内科に十分習熟していることは必要ではない」、これは原告側の主張なんです、この主張について、環境省、当室といたしましては、これは特別疾病対策室ですね、「当室としては、神経系疾患の診断には神経内科専門医による神経学的診察が必要であると考えますが、貴学会としてどのようにお考えでしょうか。」というふうに聞いているわけなんですよね。
公害裁判で、およそ、こんなような、専門家に意見を求める、こういう書式をもってやるやり方はなかったんじゃないですか。大臣、いいですか。係争中の相手方の主張は間違いだとまず断定する、そして、環境省の主張を振りかざした上でどう考えますかと聞くわけです。これは、同意を求める恣意的なやり方、恣意的な文書ではないかと私たちは考えるんですけれども、大臣、公平な立場に立ってどう思われますか。


○原田国務大臣 事務方が答えておりますように、係属中の訴訟でございますので、私は、お答えは差し控えた方がいい、こういうふうに思っております。
その上で、一般論として申し上げれば、訴訟に関し、専門的な見地から専門家に御意見をいただくことは一般的に行われているものだ、そういうふうに認識しているところでございます。


○田村(貴)委員 裁判ですから、専門家の意見を聞くのは当たり前です。証人もあります、証拠もあります。
ただ、この意見照会のやり方がおかしいと言って、資料三をごらんいただきたいと思うんですけれども、水俣病被害者の患者で組織される三十五団体と個人が連名で、一月二十四日に、原田大臣宛てに公開質問状並びに要請書を提出しています。文書での回答を求めているわけなんですけれども、大臣、これは御存じですよね。御存じですね。(原田国務大臣「はい」と呼ぶ)はい。
それで、この質問を出した患者団体の人たちに対して、環境省からは回答がないんですよ。回答がない、回答ができない旨の連絡もない、電話一本ない。これは、水俣病の解決に責任を負う環境省としての、患者さん、被害者に寄り添う姿と言えますか。なぜ、そんな連絡一本入れないんですか。患者側の方が問合せしたら、係争中につき、できないと、その回答はあったんだけれども、では、その旨もちゃんと回答すべきじゃないですか。環境省のこの行為に対して当然疑念が起こってまいりますよ。
だって、ここに書いてある公開質問状というのは、係争中の中身については何にも触れていませんよ。環境省の事務行為について事実確認をしているだけなんですよ。なぜ答えられないんですか。おかしいじゃないですか。私は、水俣病の解決、そして救済に施策を行っている環境省、そして、水俣病の解決に責任を負う環境省としてはあるまじき態度であるというふうに思います。
大臣、ここはせめて、公開質問状が全ての患者団体から出されている、こういう思いでこういう見解ですということぐらいは回答するのが、これはやはり当たり前の対応ではありませんか。どう思いますか。


○原田国務大臣 結論からいいますと、今や係属中の訴訟に関することでございますので、このことについてのお答えは差し控えさせていただきたい、こういうふうに思っております。


○田村(貴)委員 いや、係属中のものである、係争中のものであるという言い方は、おっしゃるのであれば、それはそれでいいんだけれども、だけれども、公開質問状が出された、これこれについて回答してください、しかし、何にも連絡も入れない。
この公開質問状と懇談会の要望についてはこういう考え方を持っていますという回答、返答をするのがせめてもの礼儀ではないかと言っているんですよ。いかがなんですか。


○原田国務大臣 水俣病は、環境が破壊され、大変多くの方が健康被害に苦しまれてきたものでありまして、我が国の公害、環境問題の原点となる問題であると認識しております。
地域の人々が安心して暮らせる社会を実現するために、真摯に考えて取り組んでいく決意であります。
具体的には、公害健康被害補償法の丁寧な運用を積み重ねること、地域の医療、福祉の充実や地域の再生、融和、振興にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。


○田村(貴)委員 もう全然質問に答えてもらえないので困るんですけれども、梅田部長、公開質問状が出された、そして、立場と見解はあることがあるんだったら、その旨だけでもやはり回答すべきじゃないんですか。礼儀に欠いていると言っているんですよ。
水俣病の患者さんと、環境省は寄り添わないんですか。痛みに寄り添わないんですか。どうなんですか。


○梅田政府参考人 お答えいたします。
御質問状をいただいております。その御質問、これは、本訴訟の準備状況等といった、本訴訟において明らかとなった事項以外の内部事情についてお尋ねになるものでございます。そういった理由から、御説明することは差し控えさせていただいております。


○田村(貴)委員 という旨のことを何で患者団体の方に言わないんですかと聞いているんですよ。言うのが礼儀でしょうと言っているんですよ。どうなんですか。


○秋葉委員長 梅田部長、もう質問時間が過ぎていますので、簡潔にお願いします。


○梅田政府参考人 お答えいたします。
先ほど委員御指摘のように、患者団体からお問合せがありまして、お答えできないということを御説明しているというふうに承知しております。


○田村(貴)委員 終わりますけれども、公式には説明していないんですよ。患者さん、そして痛みを持った原告の方が苦しんでおられるんですよ。我が党として、この問題、引き続き取り上げていきますよ。そして、こうしたやはり事務的な対応は看過できない、絶対に許すことはできないというふうに思っています。
裁判の当事者といえども公平中立性が求められる公的機関であること、環境省としての対応に猛省を求めて、きょうの質問を終わります。