198-衆-環境委員会-5号 2019年5月10日  アスベスト の飛散防止対策/ゲノム編集食品に懸念

○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
アスベスト対策について質問をします。
二〇二〇年から二〇四〇年にかけて、建築物の解体に伴って、石綿、アスベストの排出量がピークを迎えることになります。急いで対策を進めていかなければならないし、対策を強化しなければなりません。
大臣には、やりとりの後で決意を語っていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
去年の六月、本委員会で私はアスベスト問題を取り上げました。熊本地震で効果のあったアスベストアナライザー、これを国や地方自治体に導入すべきだという質問をしたところ、早速応えていただいて、徐々に導入が進んでまいりました。目視でしか確認できなかった石綿、アスベスト、この機械を使いますと、簡易計測ですけれども、瞬時に、壁とか天井とかはりとか、その中の含有が検知できる。非常にすばらしい機械であります。事前に建築物の中での予測ができるということで、建設作業に当たっている方、またアスベスト対策に当たっている方々からは歓迎の声が上がっています。
そこで厚生労働省に伺いますけれども、全国の労働局への導入状況、そして今後の予定について説明をしていただけますか。
〔委員長退席、伊藤(信)委員長代理着席〕


○椎葉政府参考人 お答えさせていただきます。
都道府県労働局におけるアスベストアナライザーの導入につきましては、解体等工事における事前調査の適切な実施及びその結果に基づく暴露防止対策の徹底に資するため、平成二十八年度から平成三十年度までの間に、七労働局に一台ずつ配置を行ったところでございます。
今年度は新たに八カ所の労働局に配置する予定にしておりまして、今後とも引き続き石綿暴露防止対策に係る指導体制の充実を図ってまいりたいと考えているところでございます。


○田村(貴)委員 私も見たことがないので、見に行ってまいりました。福岡労働局に導入されました。そのときに、普通の建設解体現場にあった建設廃材を、飛散防止対策をした上で、労働局でアスベストアナライザーで検出があるのかどうか、ちょっと試行させていただいたんですよ。そうしたら、びっくりしたことに、Chrys、つまりクリソタイルと表示が出たわけです。つまり、白石綿が入っているということだったんです。
こんな簡単に出るものなのかなと私はびっくりしたんですけれども、建設作業に当たっている人は、やっぱりと。ほとんどの解体現場はやはり対策が施されていない、そういった現場がたくさんあるということを教えてもらったので、これはちょっと大事な問題だなと改めて認識したところであります。
全国至るところで解体現場はあるんですけれども、全てが全てそうだと思いませんけれども、そういったことが私が労働局に行って一つの事例として感じたので、これは徹底して検査それから調査をしなければいけないと思いました。
こうした解体現場にあって何の防御策もなしに解体されてしまったのでは、取り返しのつかない事態が生まれてしまうわけであります。建築物の中におけるアスベストの含有の把握、そして建設作業員が吸い込まないための万全の対策、これが求められるんですけれども、果たしてこれは完全にできるんでしょうか。
こういう疑問があるんですけれども、きょう、環境省、それから厚生労働省、それから国土交通省に来ていただいているんですけれども、代表して環境省、どうですか。これは防止できますか。


○田中政府参考人 御指摘のアスベストアナライザーでございますけれども、建材中の比較的高濃度のアスベストについて簡易に短時間で確認することができるということで、環境省の災害時における石綿飛散防止に係る取扱いマニュアルにおいて測定機材の一つの例として取り上げているところでございます。
アナライザーを導入している自治体におきましては、建物の解体前の調査が適切に実施されているかといったことの確認のため、立入検査の際などに有効に活用されていると承知をしております。一方で、専門家の方からは、低濃度のアスベストの測定ができないことなど、正確性について幾つか課題はあるというような御指摘もいただいているところでございます。
これからまた、建材についての規制のあり方なども今検討しているところでございますので、引き続き、アスベストアナライザーの適切な活用方策について今後更に検討していきまして、飛散することのないような制度づくりにも寄与していきたいと思っております。


○田村(貴)委員 今の質問は、今お答えになったのは私の次の質問なんですね、私がお伺いしたかったのは、どこでも見られる建設解体現場、これが調査も把握もなしに、そして飛散されている、こういう状況をやはり食いとめることができるのかという素朴な疑問なんですけれども、それはいかがですか。


○田中政府参考人 解体現場につきまして、一部につきましては、大気汚染防止法でもこれまで規制対象といたしまして、必要な事前調査、それから適切な解体工事、こういったものの促進をしてきているところでございます。
ただし、幾つか課題もあるという御指摘も受けているところでございますので、これから制度を拡充し強化する必要があるんじゃないかということで、今、審議会において検討をいただいているところでございますので、これを急ぎまして、遺漏のないようにしていきたいと思っております。


○田村(貴)委員 そのアナライザーは、例えば建設従事者の方が、この現場、ちょっと問題あるかなといったときに、労働局なら労働局、それから自治体なら自治体で、ちょっと見に来てくれぬかといったときに、その計測機械があったら瞬時に判定できるから、これをもって施主さんとかそれから施工者の方に対して説得力を持つわけですよ。ですから、これはやはり有効な機械だと思います。完全には測定できません。だけれども、有効な機械であることは間違いないから導入してもらっているんですよね。
一気に、全四十七都道府県それから全政令市はもうすぐにやはり導入した方がいいと思います。すぐに導入できませんか。


○田中政府参考人 先ほどもお答え申し上げましたが、環境省のマニュアルにおいても一つの例として取り上げさせていただいております。先生の、まさに立入検査などにおいて有効に活用できるというような御指摘もいただいているところでありますので、引き続きその周知に努めてまいりたいと思っております。


○田村(貴)委員 建物の調査、それから除去対策についてお伺いします。民間建築物千平米以上の調査、建物、建築物についてです。
二十六万二千棟の調査対象があって、アスベストの使用がないということが確認されているものは二〇一七年度末までに約二十四万棟で、対応率は九一・四%と伺っております。うち、露出してアスベスト等が吹きつけられている建物は一万五千棟、除去済みが一万二千棟で、除去率は七七・六%であります。
確認が一〇〇%になかなか進まないのは一体なぜなんでしょうか。そして、露出したアスベスト吹きつけがあることがわかっているのに、なぜいまだに除去されないのでしょうか。


○小林政府参考人 お答えをいたします。
今委員が御指摘のように、民間の建物で床面積が千平米を超えるもので、アスベストの露出があり、それがまだ除却などの対応が完了していないものが約三千棟ございます。これにつきましては、今、地方公共団体と連携をして対応をさせていただいているところでございます。
三千棟、三千四百棟余りというのが正確なんですが、そのうち、指導による対応予定のものが六百八十八棟ございます。また、指導中のものが二千四百九十六棟となってございまして、国土交通省といたしましては、引き続き公共団体と連携をして指導をしてまいりたいと思っておりますが、所有者等への指導を徹底するように継続的に公共団体に対して要請をいたしますとともに、社会資本整備総合交付金などを活用いたしまして、アスベストの調査や除去などの対策に対して補助を行ってまいりたいと考えております。


○田村(貴)委員 私は地元が北九州市なんですけれども、この間、北九州市役所で聞いたら、一千平米以上のものについては全て対応済みだというふうに伺いました。急いで確実に進めていただきたいと思います。
あわせて、では、一千平米未満の建物について、この調査の取組について教えていただけますか。


○小林政府参考人 お答えします。
平成二十九年の五月に、社会資本整備審議会建築部会アスベスト対策部会におきまして、千平米未満の建築物を始めとする小規模建築物を含めた対策を進めることが提言をされております。この提言を受けまして、国土交通省におきましては、平成二十九年六月に、小規模建築物も含めて、対象となる建築物の優先順位を定めまして、台帳整備などの対策を推進する、それから、建物に関連する団体と連携をして重点的な周知活動を行うよう公共団体に対して通知をしたところでございます。
この通知を受けた地方公共団体の対応状況を申し上げますと、小規模建築物を含むアスベスト調査台帳の整備に関しましては九割以上の特定行政庁でその整備に着手をしている、また、実際の建築物における吹きつけアスベストの使用実態調査に関しましては約半数の特定行政庁において調査を開始しているということを把握しております。
この状況につきましては、本年三月に開催されました社会資本整備審議会のアスベスト対策部会にも報告をいたしまして、本年五月七日付で改めて地方公共団体に対して、台帳整備の徹底、それから調査、除去などの対策の推進について通知をしたところでございます。
引き続き、地方公共団体と連携をして、建物所有者による除去などの対策が適切に講じられるよう努めてまいりたいと考えております。


○田村(貴)委員 環境省にお伺いします。
住宅・建築物安全ストック形成事業の、建物、民間建築物に対するアスベスト含有調査、アスベスト除去、この事業についてであります。
去年もお伺いしましたけれども、創設している自治体は政令市を除くと三百五十三市区町村で、全一千七百二十二市区町村の二割にすぎないということです。
これは、自治体の条例制定がなくても支援ができる制度に転換しなければいけないんじゃないでしょうか。なぜならば、この制度は二〇二〇年度までを着手期限とするというふうにされているからであります。進捗状況から見ても、当然、期限内ではおさまらないという状況です。延長する、そして自治体の条例制定がなくても支援が受けられる、こういうふうにできないものでしょうか。


○小林政府参考人 では、お答えをいたします。
ただいまお話がございました社会資本整備総合交付金の関係でございますけれども、住宅アスベスト改修事業というメニューがございまして、それによりまして、民間の所有を含めた住宅、建築物における吹きつけ建材中のアスベストの有無を調べるための調査、それから、吹きつけアスベストなどの除去、封じ込め又は囲い込みに要する費用について支援を行っているところでございます。
早急にこうしたアスベスト対策を進めていくためには、国と地方公共団体が協調して対策を講じることが重要だと思っておりますので、国土交通省では、引き続き地方公共団体に対して本制度の積極的な活用を促してまいりたいと考えております。
あわせて、地方公共団体と連携をしながら、建物の所有者に対してどのような働きかけをしていけばアスベスト対策が効果的、効率的に進むのか、これについては不断に検討をしてまいりたいと考えております。
〔伊藤(信)委員長代理退席、委員長着席〕


○田村(貴)委員 今私の方から要望したことは、ぜひ検討していただきたいなと思います。実態がやはり進んでいないというのが現実なんですね。
それから、更に国土交通省に伺いたいと思いますけれども、いわゆるアスベストが入っていた、含有されていた建材なんですけれども、三つのレベルに分けられます。その中で、レベル3の建材は非飛散性であって、切断、破砕しなければ発じんせず暴露はないというふうにされているわけなんですけれども、しかし、建設現場では、ドリルで穴をあけて、電動のこぎりやグラインダーなどで切削、切断が行われてきたわけであります。アスベストの使用が禁止されるまでは、切断、破砕等によって発じん、飛散してきたのではないかな、それはかなりの量で飛散してきたんじゃないかなと思うんですけれども、いかがですか。


○小林政府参考人 お答えをします。
ただいま御指摘ございましたレベル3の建材、スレートとか成形板のことだと思います。そのレベル3の建材につきましては、アスベストを含有する成形板の状態、通常の使用状態において飛散性が確認をされておりませんので、建築基準法上、使用禁止の対象とはなってございません。
なお、建築工事などで行う成形板などの切断等の作業時における安全性の確保につきましては、労働安全の関係法令において対応されているものと承知をしております。


○田村(貴)委員 しかし、それは、現場においては、寸法を合わせて切断して穴をあけるわけですから、それは誰が考えても、そこから出てしまうというのは明らかなんですよ。それは、長い歴史の中であったということです。
もう一つ。建築基準法で認められてきたんですよね、今答弁があって。建築基準法で規定されてきたから、やはり多くの建物でずっと使われてきたと思うんです。
このレベル3の建材を含めて、アスベスト建材が建築基準法に基づく耐火・不燃材として認定され、使用が認められてきたのはいつごろまでなんでしょうか。


○小林政府参考人 お答えをいたします。
建築基準法上、耐火構造に求められる性能を満たす構造方法として、吹きつけアスベストで覆った柱やはり、石綿スレートを張った壁などを昭和三十九年の告示において位置づけておりました。その後、昭和六十二年に耐火構造の告示を改正し、吹きつけアスベストで覆った柱やはりなどを対象から除外をしたところでございます。さらに、平成十六年に耐火構造の告示を改正いたしまして、石綿スレートを張った壁を対象から除外をしております。
以上です。


○田村(貴)委員 そうすると、やはりかなり最近まで使われてきたということですよね。建築基準法上でやはり認められてきたから使ってきた。危険性が知らされながら、長い間、建築基準法でアスベスト含有建材の使用を奨励し、そして規制をしてこなかったというのは、これはやはり、現場においてはこういうふうにやってきたわけですから、大変問題があったのではないかというふうに私は考えます。いかがですか。


○小林政府参考人 まず、吹きつけアスベストについてでございますが、昭和五十年に、建築基準法ではありませんけれども、関係の規定がございまして、禁止になっている。そこから、建物について吹きつけアスベストについては使われなくなっているという状況だと認識しております。
また、推奨されたというふうなお話でございますが、耐火構造の告示につきましては、幾つかの、性能を充足する選択肢を示しておりまして、特定の使用を奨励、推奨したものではないと認識をしております。


○田村(貴)委員 しかし、不燃材である、そして使用を認めてきたわけですから、それが本当この間まで認められてきたわけですからね。それで、吸入してしまって、今発病している人、これから、発病している人、出てくるわけなんですよ。これはやはり長い歴史的な問題だと思いますよ。国土交通省だけ責めるんじゃないんですよ。これは政府一体のものとして、もう裁判も行って、そして国はもうずっと断罪されています、司直によっても。ですから、この歴史を絶対繰り返してはならない。
今やらなければいけないのは、現に露出しているものもある、そして含有している建物がある、解体が行われる、しかし、それが掌握されていない、調査もされていない、だから急がなければいけないし、計測機器も入れたらいいんじゃないかと言っているわけです。
そこは、本当、正面に受け取ってもらって、加速度的に進めてもらわないと、これは、肺を患ってしまう人というのは、あした、あさって、あらわれるんじゃないんです。長い年月の中で出てくるから、今対策をとっておかないと、将来本当に大変な事態になる。警告を持って、私、きょうは質問をさせてもらっていますので、ぜひ、これまでの歴史上の過ちは繰り返さないといったところの責任感を持って進めていただきたいと思います。奨励してきた国の責任は重いと私は思いますよ。
ハザードマップについて質問します。
自治体ごとに、この建物がある、ここはいついつ解体だということのハザードマップをつくることは非常に大事だというふうに思います。これは、国がイニシアチブを持って、また責任を持って、自治体がつくるように進めてもらいたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。


○田中政府参考人 御指摘のハザードマップでございますけれども、特に災害発生時に石綿飛散防止に係る応急対策を迅速に実施するためには、御指摘のとおり、平常時から建築物等における石綿使用状況を把握しておくことが重要であります。
一昨年度改訂をいたしました災害時における石綿飛散防止に係る取扱いマニュアルにおきましても、平常時から建築物等における石綿使用状況の情報を把握、整理しておくことが望ましい旨を明記し、活用できる情報として、国土交通省で整備を推進しているアスベスト調査台帳や、自治体所有施設の使用実態調査などの情報を示しているところでございます。
引き続き、このマニュアルの普及や関係省庁との連携により、自治体に対し平常時からの準備を促してまいります。


○田村(貴)委員 大きい自治体とか県レベルは進むかもわからないんですけれども、やはり市町村、支援が必要なところは、ぜひ国の方からも支援もしていただきたいと思います。
大臣、今ずっと議論してきたんですけれども、やはり急がなければならないと思います。私が福岡労働局で建築解体現場からの建設資材をアナライザーで見たら、クリソタイルが出てきた。あれは福岡県内の解体現場の話なんですよ。もうあらゆるところでこういうことがあっているんじゃないかなと思うので、やはり、把握する、調査する、そして、解体されるときがわかったら、完全に飛散防止対策をとって、建設労働者の健康、命を守っていくといった取組、本腰を入れて、もう今もやっています、どこかで解体していますので、それは進めていかなければならないと思います。
大臣の決意をお伺いしたいと思います。


○原田国務大臣 御指摘のように、今後、建築物の解体工事の件数がますますふえることが予想されております。国土交通省関係の手元の数字でも、まだどんどんふえて、二〇二八年ぐらいがマックス、ピークになる、こういうようなデータもあるところでございます。建築物の解体等に伴うアスベストの飛散防止対策は喫緊の課題である、今委員御指摘のとおりであります。
このため、環境省では、昨年八月に中央環境審議会へ今後の石綿飛散防止のあり方等を諮問し、現在、制度に強化すべき点はないかについて幅広く御議論いただいているところでございます。
国の環境、また国民の皆様の健康を守ることは、私ども環境省の使命でございます。関係各省と緊密な連携をとりながら、アスベストによる被害防止対策に全力を尽くしたい、こう思っております。


○田村(貴)委員 まさにこの問題でイニシアチブをとっていただくのは原田大臣だというふうに思っております。よろしくお願いします。
続いて、ゲノム編集のことについて質問します。
ちょっと時間がなくなってまいりましたので、全部質問できないことをお許しいただきたいと思います。
ゲノム編集技術は、これまでの遺伝子組み換え技術に比べて、狙った遺伝子の改変を容易にする新技術で、ここ数年、急速に農産物や水産物に対する開発も進んでいるところであります。一方で、この新技術、農家や消費者団体、研究者からは、オフターゲットや生態系に対する懸念や危険性を指摘する声も多く上がっているところであります。
時間の関係上、最初に環境省にお伺いします。
ゲノム編集、いろいろもう市場に出てくる、それは聞いています、報道でもあっています。ただ、ゲノム編集について、デメリット、解明されていない点、問題点、懸念される事項、これについて教えていただけますか。


○正田政府参考人 お答えいたします。
ゲノム編集につきましては、まさに新しい技術ということでございまして、今指摘がございましたようなオフターゲットという話がございます。これは、狙った遺伝子配列以外のところでも変異が起こり得るという話でございます。
こういったゲノム編集技術につきましての扱い、カルタヘナ法上の扱いにつきまして、中央環境審議会のもとで専門的に御議論いただいた際にもそういった懸念点は挙がったところでございます。また、例えば、実際に自然変異が起こった場合と人工的変異が起こった際の判断が困難じゃないか、こういった点もあったところでございます。
これにつきまして、中央環境審議会のもとで検討いただきまして、その取扱いの方針というのをまとめたところでございますが、例えばオフターゲットにつきましては、使用者等に対して、そういった標的塩基配列の改変により生じた形質の変質以外にもどういった形質の変化があったか、その有無や内容、こういった情報提供を求めていこうとしたところでございます。
また、実際に自然変異か人工的変異か、これは、最終産物で判断することは難しい、技術的に大変難しいことだと思ってございます。そういう意味では、やはり事前に情報提供、こういった協力を求めることが大事だと考えておるところでございまして、取りまとめましたゲノム編集取扱い方針におきましても、カルタヘナ法の対象外のものにつきましてもそういったことにつきまして情報提供を求める。これは関係省庁と一緒に、そういった事業者に十分に周知を図って、確実に情報を求めていこう、こういったことで取り組んでいきたいと考えているものでございます。


○田村(貴)委員 その事業者が届けるという確約もないわけなんですよね。もう夏にも、ゲノム編集技術によって、例えば野菜とか出てくるというふうにも報じられているわけであります。
消費者庁、来ておられると思うんですけれども、その生産物が市場に商品となって出てくる。出てきたときに、ゲノム編集技術によってつくり出された品目である、この表示はされるんでしょうか。


○橋本政府参考人 お答えいたします。
ゲノム編集技術を用いた食品の表示のあり方につきましては、現在消費者庁で検討しているところでございます。
厚生労働省の審議会の報告書であります「ゲノム編集技術を利用して得られた食品等の食品衛生上の取扱いについて」という報告書におきまして、ゲノム編集技術を用いた食品については、従来の遺伝子組み換え食品と同様に整理し得るものとそうでないものがあると整理されております。
消費者庁においては、今後の流通可能性の把握に努めるとともに、消費者委員会食品表示部会の委員の皆様からゲノム編集技術応用食品に対する懸念、表示のあり方等さまざまな御意見を伺い、それらを参考として検討を進める必要があると考えております。
検討の進め方につきましては、厚生労働省におけるゲノム編集技術を利用して得られた食品の食品衛生上の取扱いの運用開始が本年夏ごろを目途として検討が進められていることを受けまして、消費者庁におきましても、このスケジュールを念頭に置いて進めたいと考えているところでございます。


○田村(貴)委員 もう出回ってくるゲノム編集技術による野菜が、品質表示されるかどうかもわからないという状況であります。
さきに述べたように、デメリットがさまざまにある中で、法的規制もないわけであります。何よりも、判断すべき材料を今国民が持っていません。国民的な議論も行われていない。そんな中で、国民の心配、疑問の声は拡大する一途であります。製品化が私は先走っては絶対ならないというふうにも考えているところです。
きょうは時間がありませんので、済みません、次にまた機会があったときにこの問題を取り上げさせていただきたいと思いますので、きょうはここまでで質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。