高病原性鳥インフルエンザの発生が各地で広がり、養鶏農家を中心に不安の声が広がっています。
高病原性鳥インフルエンザは、11月5日に香川県三豊市の農場で今季1例目が確認されました。国内の養鶏場での発生は、2018年1月以来、2年11カ月ぶり。12月15日までに10県で26例発生し、家畜伝染病予防法にもとづく殺処分は、農林水産省消費・安全局動物衛生課まとめで約335万羽に上っています。
宮崎の農家「みんな不安」
7例発生している宮崎県。県農民連の来住誠太郎書記長は「農家は不安と心配でみんなピリピリしている」と話します。「生産者は鶏舎のまわりが真っ白になるくらい消毒用の石灰をまいたり、野鳥の侵入を防ぐネットを設置したりと二重三重に防止策をとってきました。しかし、感染経路が不明で、どんな対策をとっていいのか悩みます」
県産ブランド「みやざき地頭鶏(じどっこ)」などへの影響が心配されると語り、「国は、農家が行う防護対策への財政的支援、殺処分した鶏について、本来の価格に見合った補償を行ってほしい」と訴えます。
日本共産党の紙智子参院議員は1日、農林水産委員会で生産者への支援・補償を求めるとともに、現場対応する職員の負担軽減のための人的支援を求めました。
紙議員と田村貴昭衆院議員は8日、野上浩太郎農水相に会い、発生農家へ殺処分手当金・特別手当金は逸失利益を含めて補償▽防疫作業にあたる自治体や農協の職員へのメンタルヘルスを含めた体調管理のための助言・指導▽作業に見合う手当の支給に必要な予算措置―などを求めました。(しんぶん赤旗 2020年12月16日)