農民運動全国連合会(農民連)、農民連ふるさとネットワークは1月26日、農林水産省に対し、来年度狙われている「水田活用の直接支払交付金」の見直しの撤回、自給率の低い畑作物への支払い増額を求めました。
自給率向上に頑張ってきたのに
今回の見直しは、農家が転作に努力している農地でも、今後5年で一度も水張り(コメの作付け)をしないと交付金の対象から外すというものです。
農民連の長谷川敏郎会長は「現場は大混乱だ。“あぜ・水路があっても作付けがなければ除外”という以前にはなかった条件を持ち出してきたことは大問題だ」と批判しました。
笹渡義夫副会長は「ほとんどの農家は知らないまま、今年の作付けの準備がはじまる。いったん立ち止まり、農家の声を聞くべきだ」と迫りました。
農水省は撤回に応じず、畑作転換後の十分な支援策は語りませんでした。
オンラインで参加した生産者らは「ずっと国の転作の政策に協力してきた。転作作物の価格が低く、交付金なしではなりたたない。自給率向上に頑張る農家への支援を切るのか」「大規模営農組織も大幅な減収が予想され、このままでは耕作放棄地が広がる」と訴えました。
日本共産党の田村貴昭衆院議員が同席し、「“経営の存亡の問題”との声を重く受け止めるべきだ。国会でもしっかりただしていく」と表明しました。(しんぶん赤旗 2022年1月27日)