猛毒の枯れ葉剤の成分「2・4・5T剤」が全国の山林に埋設されている問題で、日本共産党の田村貴昭衆院議員は2月14日、熊本県宇土市の埋設地に入り、現状を調査しました。山本伸裕・熊本県議、福田慧一・宇土市議らが同行しました。
宇土市の埋設地(埋設量2055キロ)は、2・4・5T剤とセメントを混ぜコンクリート塊にした埋設物の試料採取と掘削処理などの安全な手法の開発を検討するための抽出調査地(全国で4カ所、ほかに岐阜、高知、佐賀の3県)の一つ。
2018年に田村氏が衆院農林水産委員会で流出の危険性を指摘し、20年の熊本豪雨の際、埋設地(熊本県芦北町)近くで土砂崩れが発生し田村氏の指摘が差し迫った危険であることが明らかになり、手法の開発(民間委託)など処理に向けて動き出したものです。
田村氏は、「猛毒のダイオキシンを含む2・4・5T剤が埋まっている事実は大問題だ」と指摘。「1カ所の上限300キロ以内とした林野庁通達に違反して埋設していたことも確認できた。地震や豪雨で流れ出す危険は否定できず、近くに民家もある地域。一日も早い安定化処理と撤去を求めると同時に国会でもただしたい」と述べました。
山本氏は、住民の安全を守る立場で該当自治体と県に働きかけながら取り組みを進めると述べ、福田氏は、完全撤去の早期実施に向け「地元から声を上げていきたい」と話しました。(しんぶん赤旗 2022年2月15日)