日本共産党の田村貴昭衆院議員は、防衛省が馬毛島の地権者に「敷地造成費」として35・5億円を土地価格に上乗せして支払ったことを示す証拠資料を入手しました。田村氏は2月8日の衆院予算委員会で「買収額を不当にかさ上げしている」「森友学園事件と一緒だ」と告発しました。(質問動画はコチラ)
防衛省は2019年11月、馬毛島の99%を所有するタストン・エアポート社と買収額約160億円で合意。不動産鑑定評価額約45億円の3・5倍超です。防衛省は買収額の積算根拠について国会でも説明を拒んでいます。
田村氏が今回入手した証拠資料は〝黒塗りのない〟国有財産台帳の写しです。土地の購入費などの記載があるため、防衛省が黒塗りで隠してきました。
台帳によると、防衛省は19年12月から20年7月までに計657・9ヘクタール(登記上の面積で馬毛島の88%)を購入し、タストン社に約50億円を支払いました。
ところが50億円のうち土地価格にあたる「購入費」は14・5億円だけ。7割超にあたる35・5億円は「敷地造成費」でした。
タストン社による敷地造成は、林地開発許可の範囲を超えた違法開発。防衛省はその造成費を名目に買収額を増やしたのです。
予算委で岸信夫防衛相は「資料の出所が明らかでない」と説明を拒否。田村氏は、会計検査院による検査と基地建設中止を求めました。(しんぶん赤旗日曜版 2022年2月20日号)