中国残留帰国者2世が請願 法改正で支援を

2万7000人分の署名を日本共産党国会議員に手渡す中国残留邦人2世帰国者の人たち=18日、参院議員会館 中国残留邦人帰国者2世が4月18日、国会内で集会を開き、1世の円滑な帰国の促進や帰国後の自立支援を定めた法律を改定し、2世にも適用するよう求める2万7000人分の署名を提出しました。当事者・支援団体は今国会会期末の6月までに署名10万を目標に今後も集めていくとしています。
 
 署名では、▽1世やその配偶者だけでなく2世にも老後の生活支援をする▽私費帰国の2世も同等に通訳・日本語教育サービス等が受けられるようにする▽中国への里帰りが2週間を超えても生活保護費を減額・停止しない―ことの3点を求めています。
 
 同法は2世帰国者を対象にしていません。多くの2世帰国者は親(1世帰国者)と同伴し、親を扶養する目的で永住帰国したものの言葉の壁や日本社会の差別・偏見などにより就労機会が与えられず、生活保護を利用している実態があります。
 
 九州地区中国帰国者二世連絡会の小島北天会長は「草刈りや皿洗いなどの単純労働で家族を養うも、年金は1カ月1万9000円で生活はとても苦しい。尊厳ある老後の生活ができるように私たち2世の要望を実現してほしい」と訴えました。
 
 岩橋英世弁護士は「2世帰国者問題も1世と同じく終戦前後の棄民政策に端を発している。2世特有の困窮状態に目を向ける支援に見直すべきだ」と述べました。
 
 日中友好協会の大森猛副会長は「帰国者2世の6割が生活保護を受給している実態は、国が2世に対する支援を行ってこなかった結果だ。2世を支えるためには公的な支援しかない」と述べました。
 
 日本共産党の宮本徹、田村貴昭両衆院議員、倉林明子参院議員(副委員長)が出席しました。(しんぶん赤旗 2022年4月19日)