軽貨物ドライバーの無権利問う 全労連などシンポ

軽貨物ドライバーの働き方を考えるシンポジウムのパネリストの(正面左から)首藤、高橋、大島、矢作、水口の各氏=10日、衆院第2議員会館 全労連と建交労、建交労軽貨物ユニオンは11月10日、軽貨物ドライバーが個人事業主として無権利状態で働いている問題を考えるシンポジウムを衆院第2議員会館で開きました。
 
 「まずは下請け構造の実態を把握し、働く環境を改善させることが必要だ」と問題提起した立教大学の首藤若菜教授をコーディネーターにパネルディスカッションをしました。
 
 ネット通販大手アマゾンの元ドライバーの男性は、コロナ禍で4月の配達個数が4195個と2年前から1000個以上増えたものの賃金は上がらないと指摘。「納得いかない。団体交渉しても改善されない」と告発しました。
 
 契約期間を無視して契約解除をした楽天を訴える運送会社「トランプ」の社長は、下請け代金の不当な減額や買いたたきにあったとし「これから働く人が安心して働ける業界にしたい」と語りました。
 
 軽貨物ユニオンの高橋英晴委員長は「労働者としての保護の強化こそすぐ取り組まなければならない。雇用から個人事業主化への流れはどの業界にも当てはまり、格差をいっそう広げ、死ぬまで働く労働者を生み出す。止めるのは今しかない」と強調しました。
 
 水口洋介弁護士は「産業別労働組合をつくり、大手と交渉しやすくしないと、日本の大企業体制はよくならない」と述べました。
 
 日本共産党の高橋千鶴子、田村貴昭両衆院議員、立憲民主党、れいわ新選組の国会議員があいさつしました。(しんぶん赤旗 2022年11月11日)