日本共産党の田村貴昭衆院議員は3月6日、国営諫早湾干拓事業(長崎県)で潮受け堤防排水門の開門を認めない最高裁の決定が出たことを受け、干拓農地に入植したマツオファームの松尾公春社長と佐賀県から聞き取りを行いました。
松尾氏は冷害とカモの食害の実態を話し、「ここが優良農地でないことは分かり切っていますが、それを県と国は認めようとしません。優良農地でないと認めたら堤防を開けなければいけなくなるからでしょう。農業も漁業も食い物にされている」と話し、最高裁決定について「司法がここまできたら終わりです。民主主義がなくなる。国民がこのことを許してはいけない」と訴えました。
田村氏は「離農しないとやっていけないほど食害被害が拡散している。行政が対処していくしかない。優良農地であることを崩さず、だましだましでやってきている」と応じました。
佐賀県庁では農林水産部の山田雄一部長と県民環境部の古賀英敏部長らから聞き取り。むとう明美、井上ゆうすけ両県議が参加しました。田村氏は山口祥義知事が最高裁決定について「極めて問題だ。法治国家とは何なのかということすら考えざるを得ない」と発言していることに触れると、県側は「福岡高裁の示した和解協議による話し合いしかないのではないか。開門調査も含め原因の究明を今後も国に求めていきたい」と話しました。 (しんぶん赤旗 2023年3月8日)