食料自給率向上 国政の柱に 共産党議員団 農水省に要請

「食料自給率向上を国政の柱に据え、農政の基本方向の転換を」を農水省に届け、申し入れ 日本共産党の紙智子参院議員・党農林・漁民局長、田村貴昭衆院議員・党国会議員団農水部会長は8月23日、農林水産省で、党国会議員団の提言「食料自給率の向上を国政の柱に据え、農政の基本方向の転換を」を藤木眞也政務官に手渡しました。提言は、同省の食料・農業・農村基本法見直し「中間とりまとめ」(5月)、政府の「食料・農業・農村政策の新たな展開方向」(6月)を受けたもので、国の農政見直しにあたって申し入れました。
 
 田村氏は申し入れにあたり、「政府が示した『展開方向』には、食料自給率向上に対する言及すらなく、これまで過度の輸入依存によって国内農業が痛めつけられてきたことへの反省もない」と指摘。「農業で生活ができるよう輸入依存・大規模経営偏重の農政の転換が必要だ」と主張しました。
 
 藤木氏は「おっしゃることはわかるが、一気に変えることはできない」と応じました。
 
 提言では、▽食料自給率向上の目標を投げ捨てるのではなく、国政の中心課題に据える▽際限ない輸入自由化路線を転換し、食料主権を回復する▽価格保障・所得補償など、営農を続け、農村で暮らせる土台の整備を政府の責務に▽農業の担い手政策の目標を多様な担い手を多数維持することに置く▽環境や生態系と調和した持続可能な農業を農政の土台に据える▽食と農の危機打開のために農林水産予算を思い切って増額する―などを申し入れました。
 
 申し入れ後の記者会見で、紙氏は「食料自給率向上を国政の中心課題に据えるべきだという主張に対し、藤木氏は正面から応えようとせず、私たちと政府の認識に大きな隔たりを感じた。畜産の餌の高騰など世界的な食料危機の中、食料安全保障の観点からも、引き続き政府の認識をただしていく」と話しました。(しんぶん赤旗 2023年8月24日)