沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設のための支出済み額が2022年度末までに総額約4312億円に上っていたことが9月12日、日本共産党沖縄県議団(7人)が国会内で行った政府交渉の中で明らかになりました。新基地建設の埋め立て進捗(しんちょく)率は今年3月末で15%未満であるにもかかわらず、政府が想定している総工費約9300億円の半分近くを支出したことになります。このペースで支出が続けば、単純計算で沖縄県試算の2兆5500億円さえ上回る異常なペースです。
しかも、埋め立て区域北側の大浦湾で広大な軟弱地盤が確認された後、地盤改良工事はまだ着手されていない上、水面下90メートルに達する軟弱地盤や膨大な数に及ぶ作業船確保などの問題はまったく解決されておらず、さらに大幅に費用が膨張するのは明らかです。
県議団は完成の見通しが立たず、莫大(ばくだい)な国民の税金が投じられる新基地建設の断念を求め、「米軍普天間基地(同県宜野湾市)の危険性除去の唯一の解決策は即時閉鎖・撤去だ」と強調しました。
さらに敵基地攻撃能力保有を決めた「安保3文書」閣議決定と南西諸島へのミサイル配備の撤回、県の要望通りの沖縄振興予算確保など計56項目の県民要求を16省庁に申し入れました。政府交渉は12、13日の2日間にわたって行われ、赤嶺政賢、田村貴昭の両衆院議員が同席しました。(しんぶん赤旗 2023年9月14日)