全国の税理士、弁護士、研究者、中小企業団体などによって結成されたTCフォーラム「納税者権利憲章をつくる会」は11月7日、国会内と全国をオンラインで結び、「通則法改正から10年 税務調査の実態と納税者の権利」をテーマに秋の大学習会を開きました。
冒頭、あいさつをした日本共産党の小池晃参院議員は「日本の税務行政は、いまだに人権無視の税務調査と徴収がすすめられています。財務省・国税庁は適正にやっていると言うが、現場の税務調査の実態とは、まるでかけ離れています。税務調査と徴収、不服審査から裁判にいたるまで税務行政のあらゆる面に適正手続きを貫き、人権を保障する『納税者権利憲章』の制定が必要です」と発言しました。
学習会では、税務行政の手続きを定めた国税通則法の改正から10年を経た現在、税務調査や徴収などの実態と納税者の権利を確立するための法整備やルールはどうあるべきかについて交流しました。
石村耕治・白鴎大学名誉教授が「国税通則法改正を回顧する」と題して基調報告。税務調査の実態と題し、岡田俊明税理士と八代司税理士が報告しました。
参加した鶴見祐策弁護士は、法律や通達を狭く解釈した議論に対し「納税者がどう対応するかを前提とした議論はおかしい」とし、「(税務調査は)任意調査なのだから断ることはできます。令状がなければ強制できない旨をおさえて、納税者の権利を守ってたたかうことが大切です」と発言しました。日本共産党の田村貴昭衆院議員も参加しました。(しんぶん赤旗 2023年11月9日)