赤旗「水曜随想」 熱い国会論戦に向け準備/衆院議員 田村貴昭

1248 9月というのに猛暑が続く。暑い!夏が好きで暑さに強いと信じていた自分も、さすがに体力が奪われることを実感。そのうち、気温40度超え、ファン付き空調服の着用が当たり前となってしまうのか。
 
 先月、厚生労働委員会の委員派遣で欧州へ。オランダで電気自動車・バスがたくさん走っているのに驚いた。新車販売に占める電気自動車の比率は48%。ちなみに日本は2・8%だ。石炭火力発電を温存し、世界の環境団体から何度も「化石賞」を贈られる国。政府は本気で地球温暖化対策を!
 
 欧州派遣で各国の社会保障制度を学んだ。厚い!イギリスでは、医療費の国民負担は基本無料(薬は定額負担)だ。日本では高額療養費の上限額引き上げが大問題となっているが、えらい違いだ。
 
 フランス政府の担当者に「がん治療は無料と聞いたが?」と質問したら、「そうだ。どんな病気でも保険料で医療費を償還する設計をしている」と回答。がんの他、糖尿病、脳卒中など、この国では、高額な治療を要するものは無料となっている。
 
 オランダの労働組合連盟の役員から最低保障年金の話を聞いた。「単身者は月に1527ユーロ(約26万円)、夫婦で月に2091ユーロ(約36万円)。これに企業年金が加わる」
 
 3国とも高齢者の就業率は日本より格段に低い。老後の安心がある。税金、保険料、物価など、国によって違いはあるにせよ、大いに学ぶところはあるのではないか。見聞きしたことを、今後の国会活動に生かしたい。
 
 消費税の負担軽減を求める国民世論は実に75%。熱い!
 
 物価高騰が長く続く中、国民の切実な声。大雨で家や家財を失った被災者はなおさらだ。「参院選で示された民意に従って消費税減税を」。予算委員会で石破総理に迫ったら「民意は尊重しなければならない」。だったら早く決断を!。
 
 衆参ともに自公少数の国会となった。政治を国民本位に動かすチャンス。秋の国会の頃は、涼しくなっているであろうか。熱い論戦に向けて準備にかかろう。(しんぶん赤旗 2025年9月3日)