赤旗「水曜随想」 自公破綻、盛者必衰の理/衆院議員 田村貴昭

田村議員VS高市総務大臣 高市早苗氏が自民党新総裁に就いた。忘れられないのは、高市氏が総務大臣の時の「電波停止」発言。政治的公平性の適合性について、一つの番組のみでも判断しうるとした。安倍政権下の自民党が特定の番組に介入する延長線上での出来事だった。
 
 当時、衆院総務委員会で私は「判断するのは視聴者。問題があれば、放送局自身が正すべきもの」と主張し、何度かやり合った。社会的にも大きな批判を浴び、今に至るも国家権力による電波停止はないが、高市氏には独自の危険性があることが頭にインプッ
トされた。
 
 その高市氏の超タカ派の政治姿勢もあって、公明党が政権を離脱した。評価する向きもあるが、問われるのは26年にわたる悪政の数々ではないか。
 
 かつて公明党の代表が賄賂政治を絶つイメージのCMが作られ「クリーン」を標榜(ひょうぼう)。実態は違った。党所属国会議員が違法融資の仲介で多額の謝礼を着服し、有罪判決となったのは記憶に新しい。昨年の総選挙では自民党非公認の裏金政治家を推薦し、ここまで落ちるかと思った。憲法違反の安保法制、敵基地攻撃能力の保有でも自民党にどっぷり漬かった。どこが〝平和の党〟なのか。
 
 物価は上がっても年金は目減り。「100年安心の年金」を豪語してきた公明党の厚生労働副大臣を国会でただしたら、「かつてそのようなことを目指していた」と。なんと無責任な。
 
 自公政治は形も中身も破綻した。少数与党はさらに少数に。盛者必衰の理(ことわり)を感じすにはいられない。自民党は退場を願いたい。かといって、自民に擦り寄り、擦り寄られる党が実権を持っても、政治は変わらない。
 
 連立政権を崩壊に至らせたのは、政治とカネの問題。そして、裏金問題を告発、追及してきたのは日本共産党。このことを多くの人に知っていただきたい。
 
 いま地方議員選挙が目白押し。政治を動かしてきたこの党がここで勝たずにどうするかとあちこちで訴えている。自民党政治を終わらせよう。(しんぶん赤旗 2025年10月15日)