総選挙の勝利目指し、市田忠義書記局長を迎えた日本共産党演説会が4月12日、鹿児島県霧島市で開かれました。二〇〇五年に一市六町が合併した同市で党三役の演説会開催は初めて。過去最高の参加者がつめかけました。「共産党の話を聞くのは初めて。政治状況が分かりました」との感想が少なからず寄せられました。
最高気温二五度。初夏の陽気のなか、霧島市民会館には大勢の市民が集まり、気温を上回るような熱気であふれかえりました。
市田氏はまず、北朝鮮のロケット発射問題から切り出し、真剣な表情で聞く聴衆を前に、外交努力を尽くさず軍事的な対応ばかり突出させる日本政府の対応を批判。「今後の対応で大事なのは、国際社会が北朝鮮の核兵器開発を終わらせるために外交努力を集中させることだ」と力説しました。
市田氏は、得意のユーモアを交えながら、西松建設の違法献金事件問題に話を移しました。「長年、多額の献金を受けた事実を国民の目から覆い隠す、法律の根本に反する重大問題」にもかかわらず、民主党の小沢一郎代表も自民党の二階俊博経産相も「献金した相手をいちいちせんさくはしない」と発言していることを紹介。「(メジャーリーガーの)イチローはどんな球でも打つ。小沢一郎はどんなルートの献金でも受け取る」との書き込みがブログ上で話題になっていると述べると、聴衆に笑いが起きました。
さらに、マニフェストで五年後の企業献金禁止の法律をつくると言い出している民主党について「本気なら、今から直ちにもらわなければいい話だ」と明快に批判すると、「その通り」との声が返りました。
企業献金とともに、日本共産党以外の党すべてが、国民の税金=政党助成金を受け取っている問題を取り上げた市田氏。自民党の与謝野馨財務相が、政党助成金を受け取るのは「政党として堕落だ」と発言している事実を紹介すると、聴衆はあきれた表情。「だったらもらわなければいい」と市田氏が続けると、ホール内に拍手と笑い声が響きました。
「企業献金をやめるからといって政党助成金を導入しておきながら、企業献金は受け取り続け、政党助成金は平気でもらう。こんな政党に政治を語る資格はない」と熱弁をふるった市田氏。最後に、「企業献金も政党助成金ももらっていないから、大企業やアメリカべったりの政治に堂々とものが言える」と共産党の存在価値を伝えました。
一歳の男の子を連れ演説を聞いた母親(29)は「子育て中で社会とふれ合う機会が少ないのですが、自分自身と政治がつながっていることがよく分かりました。政党助成金は子育てのための予算に回してほしい」と感想を語りました。
演説会では、田村貴昭衆院九州・沖縄比例候補、山口ひろのぶ同比例候補(鹿児島1区候補)、宮内ひろし、前川原正人両霧島市議があいさつしました。(2009年4月14日(火)「しんぶん赤旗」)