高すぎて払い切れず「無保険者」が増大している国民健康保険制度をめぐって、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員をはじめ衆院九州・沖縄ブロックの比例候補十一氏と地方議員らは5月20日、厚生労働省に対して、保険証の取り上げ中止や国庫負担割合の引き上げなど制度の抜本的改善を要請しました。
同省担当者は「ご意見は真摯(しんし)に受け止め、どういう制度ができるか引き続き検討したい」としました。
要請では、国民の医療を保障する「国民皆保険制度の柱」である国保が、逆に、無保険者の受診抑制など、社会的弱者を医療から排除する事態になっているとして、各自治体の国保実務の生々しい実態を突き付けました。
熊本市の国保徴収を担当する嘱託職員に歩合がつくため、サラ金で借金を強いてその場で徴収していた事例があったとの紹介には、参加していた議員らからも驚きの声が上がりました。同省担当者は「それはおかしい」とのべ、熊本市に内容を確認したいとしました。
九州・沖縄の国保料滞納世帯は二〇〇八年度、約四十万件(国保世帯の17%)。資格証明書の発行世帯は約四千五百件にものぼっています。田村貴昭衆院比例候補は「命と健康を守るべき国保が人を殺すことになる」と強く警告し、無保険者の受診率の実態調査などを求めました。
要請は、前日に引き続く同ブロックの政府交渉の一環。仁比聡平参院議員が同席しました。(2009年5月21日(木)「しんぶん赤旗」)