長崎 田村貴昭議員が被爆体験者の話聞く 被爆地域拡大実現して

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懇談の冒頭で、峰会長は「今年、被爆70年、私も89歳を迎える年になりました。高齢化していく中で、一日も早く被爆地域拡大を実現することが求められています」とあいさつしました。平均年齢80歳、懇談に出席した11人は、それぞれ病気を押して来ています。同協議会の山本誠一事務局長は、田村議員に長崎の被爆地域拡大実現に向けた歴史を語りました。

米国は、原爆投下から12年余り、原爆被害を隠蔽(いんぺい)し、国も被爆者を放置しました。国は、いまだに国家補償の被爆者援護法を拒否し、被爆地域拡大も拒否し続けています。

長崎の被爆地域は、被爆当時の長崎市を中心に爆心地から南12キロ、北と東と西は5キロないし7キロに限定されています。被爆未指定地域の香焼、深堀、伊王島、茂木、東長崎、式見・三重の地区などで被爆した人には、被爆者に交付される被爆者健康手帳とは違った「第2種健康診断受診者証」が交付されています。

同協議会は、長崎民医連の協力を得て「被爆体験者証言調査」をしました。

「被爆体験者」は、発熱・脱毛・下痢など急性症状の発生が非被爆者と比べ明らかに多く、その後も健康状態も良くないことが明らかになりつつあります。

同協議会は、県と市に対し、新しい科学的知見を根拠に、これまでいく度も「被爆体験者」に被爆者健康手帳を交付するよう求めています。しかし、県も市も、「国は科学的・合理的根拠がないとして認めていない。手帳の交付は困難」と回答しています。

「被爆体験者」の身体症状は、精神疾患との合併症しか認められません。さらに、がんは除外されています。例えば、胃潰瘍の「被爆体験者」が胃がんになった場合、医療費助成が打ち切られるなどの問題があります。

懇談で、「被爆体験者」は制度における差別的扱いを訴えます。「精神的異常がないと、医療費が受給されない。精神科に3カ月行かなければ、治癒したとみなされる」「制度自体がものすごく複雑で更新がややこしい。特に高齢者になると、本人でできない」「県と市が、国の言い分をうのみにする姿勢がネック。同じ被爆者、同じ被爆者手帳を」と口々に語りました。

田村議員は「なぜ、このような制度になったのか追及していく必要がある。必ず国会で取り上げます」と話しました。(しんぶん赤旗 2015年1月7日)