自治体が独自に取り組む子ども医療費助成制度に関して厚生労働省は、2014年度補正予算で創設した「地方創生」関連の交付金を医療費助成に充てる場合は、ペナルティー(国庫負担金の減額)を科さないと明記した通知を全国の自治体に出しました。日本共産党の田村貴昭衆院議員と田村智子参院議員が質問で求めていたもの。全国で取り組まれている子ども医療費助成を拡大していく力になるものです。
厚労省通知は、「地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金を活用した地方単独事業による医療費助成の取り扱いについて」と題して、15日付で出しました。
同交付金を使って、▽年齢要件の緩和▽所得要件の緩和▽新たな医療費助成―を行う場合は、国庫負担金を削減する「調整率を適用する必要はない」と明記しました。すでに行っている助成内容を拡充する場合についても、単独事業分と交付金部分を区別すれば、調整率を適用しない(減額しない)としています。
通知は、交付金活用のイメージとして、“6歳まで地方単独で医療費助成を行っていた自治体が、交付金活用で12歳まで対象を拡大し、所得制限を撤廃した場合”―をあげ、ペナルティーの「適用外」になると説明しています。
田村貴昭議員は3月の衆院地方創生特別委員会で、ペナルティーについて、交付金に関する厚生労働省令にもとづいて政府が掲げる「地方創生」にも反するもので、科すべきではないと追及しました。
厚労省は「国の負担金や補助金の交付を受けた場合は省令で調整対象とならない」と答弁。田村氏は「今回の交付金を使った場合に減額措置を科すことはできない。自治体に省令の内容を周知すべきだ」と求めていました。
田村智子議員は7月の参院内閣委員会で、「福島基金」による医療費助成はペナルティーの対象外になっていることを示し、同交付金も対象外にするべきだと追及しました。
(しんぶん赤旗 2015年12月30日(水))
(2015年3月27日の地方創生特での質問はコチラ)
(2015年4月16日の総務委員会での質問はコチラ)