「夕飯はおにぎり一つと缶詰」「朝と昼はパン。体が心配」―。地震から1カ月が経過した今も、避難所では十分な食事が提供されず、栄養の偏りなど深刻な実態が明らかになりました。
日本共産党の田村貴昭衆院議員は5月14日夜、山本伸裕熊本県議、益田牧子前熊本市議と共に熊本市内の避難所を訪問し、食事について実態調査しました。
同市西区にある熊本地方合同庁舎に避難している被災者たちは、エアコンの利かない室内で、暑そうに手やうちわで顔をあおいでいました。
田村氏が「食事は何を食べましたか」と話しかけると、被災者たちは口々に窮状を訴えました。
「夕飯は梅のおにぎり一つとイワシ缶詰。それにペットボトルの水だけ」「朝と昼は賞味期限切れが近いパン。栄養が偏って体が心配」「野菜や果物がほしいけど買うとお金がかかる」と切実な声が次つぎとあがりました。「血圧もあがっとるよ」とつぶやく女性も。
2階と4階が新たに指定避難所になった同市中央区の五福公民館。女性(71)と事務職の女性(56)は「お湯を入れて食べるアルファ米とインスタントのみそ汁が夕飯だった。ほかに食べているものはカップ麺、パン…。水は配られません」と話します。
横になって休んでいた女性(82)は「お昼は何も出ないから、病院に行った帰りに買い物をする。冷蔵庫がないから保存もできない。あたたかい豚汁が食べたい」とため息をつきました。
田村氏は、熊本地震直後の4月15日付で政府が出した通知「避難所の生活環境の整備等について」を紹介。「指定・未指定にかかわらず、すべての避難所に温かく栄養バランスの良い食料が届くよう国に要求していきます」と話しました。
同氏は15日も市内の避難所の風呂などの実態を調査しました。
(しんぶん赤旗 2016年5月16日)