熊本被災後、不安の声相次ぐ 田村・真島・仁比議員ら 住民要望聞く会 益城町

「公費解体」一向に進まない

住民要求に応え、困難解決に向けて取り組んでいくことを語る仁比氏(中央立っている人)ら国会調査団=19日、熊本県益城町 日本共産党熊本震災国会調査団の田村貴昭、真島省三両衆院議員、仁比聡平参院議員は8月19日、同県益城町の仮設住宅団地で、住民の要望を聞く会に参加しました。

 入居開始から1カ月余りがたつ安永仮設団地(70戸)の集会場には約25人が集まり、半壊以上の家の解体を被災者の負担なしで行う「公費解体」が一向に進まない状況に不安の声が次々と寄せられました。町が明らかにしている公費解体の完了は約2年後で、それまで壊れた家をそのままにしておかなければならないのかと、苦しい心境が語られました。

 54歳の女性は「台風が来て瓦が吹き飛ばされたら、近所にまた被害を与えかねない状況です。心配で夜も眠れません」と打ち明け、79際の男性も壊れて住めないままになっている自宅のそばで地下水の噴き出しているのが気がかりと訴えました。

 仮設住宅の生活に関しても「町は情報をホームページで見るようにと言いながら、仮設ではインターネットが引けない」「車の免許を持っていない母はバス停まで20分歩かないといけない」など多くの困りごとが噴出。各部屋が狭いので家財道具の多くを持ち込めず、損壊した家の中で布団や衣類を含め雨ざらしに近い状態になっているため、団地内に倉庫を設置してほしいという声も相次ぎました。

 国会議員団や同席した甲斐康之前町議、松岡徹前県議は一つひとつ要望を丁寧に聞き取り、阪神大震災以降の被災者の運動が国の支援制度を拡充させてきたことを強調。署名やアンケートに取り組んでいることも紹介し、「みんなの力を合わせて声を上げ、生活再建を勝ち取っていこう」と呼びかけました。(しんぶん赤旗 2016年8月21日)