日本共産党の田村貴昭衆院議員と畠山和也・党北海道地震災害対策本部長(前衆院議員)は10月31日、北海道地震の全域停電(ブラックアウト)で甚大な被害を受けた酪農家の実態を調査し、要望を聞こうと、釧路市と標茶(しべちゃ)町を訪問しました。
道内の酪農は、停電で搾乳機や生乳工場が動かず、生乳廃棄や死亡、廃牛などで約23億円(道農政部発表)の被害を受けました。
標茶町農業協同組合では、千葉孝一組合長らと懇談。渡辺定之党町議が同席しました。同農協の停電の推定被害額は1億4000万円に上ります。千葉組合長は「道内で発電システムを一括にするのでなく、地域で分けて発電する仕組みが必要だ」と強調します。
田村氏は「単一の大規模発電に依存するシステムは危険です。国会でも、停電のリスク分散に取り組んでいきます」と応じました。
牛438頭を飼育する「千葉牧場」の千葉澄子専務は「自家発電で搾乳したけれど、出荷先の工場が動いておらず、8・4トンの生乳が出荷できませんでした。工場の自家発電機の設置を国が支援してほしい」と訴えます。
安倍政権が進める自由貿易協定(FTA)について畠山氏が尋ねると、千葉専務は「FTAは怖いです。先行きへの不安が非常に大きい状況。国は国内の農業を守ってほしい」と率直に語りました。
釧路市では、自家発電機3基を29日に設置した、よつ葉乳業根釧工場を視察しました。(しんぶん赤旗 2018年11月1日)