石綿被害防ぐ法改正を 関連団体が国に要望書・署名提出 衆院議員会館

アスベスト被害予防の関連法規抜本改正を考える懇談会=11日 アスベスト(石綿)の被害者や医療関係者が6月11日、衆院第2議員会館で、アスベスト被害予防の関連法規抜本改正を考える懇談会を開き、厚生労働省、環境省、国土交通省に対策を求める要望書と署名を提出しました。
 
 署名呼びかけ団体は、建設アスベスト訴訟全国連絡会、職業性呼吸器疾患有志医師の会、石綿対策全国連絡会議、中皮腫・じん肺・アスベストセンター。
 
 主催者あいさつで、建設アスベスト訴訟全国連絡会の清水謙一事務局長は、昨年12月に長野県の保育園改修工事でアスベスト飛散が起こったと指摘。「これ以上、被害をつくらないため、関連団体が集まった。国は対策の遅れを認めていない」と批判しました。
 
 医師の名取雄司さんは、イギリスの厳格なアスベスト規制を紹介し、日本の問題点を指摘しました。
 
 要望書では、子どもの生活の場のアスベスト調査徹底▽調査者の資格などの整備▽罰則規定の強化―などを求めました。
 
 アスベスト曝露(ばくろ)のあった保育園に子どもを通わせている保護者の男性は、「子どもも保護者も何十年も苦しむ。県は、次は注意しなさいと指示書を出したが、事業者は罰則も受けていない。重く受け止めてほしい」と訴えました。
 
 日本共産党の田村貴昭、清水忠史両衆院議員、山添拓、武田良介両参院議員、立憲民主党の初鹿明博、近藤昭一両衆院議員、社民党の福島瑞穂参院議員が出席しました。(しんぶん赤旗 2019年6月12日)