政府は12月17日、米空母艦載機離着陸訓練(FCLP)の移転候補地である鹿児島県西之表市の馬毛島(まげしま)での用地買収に関し、防衛省と地権者が交わした売買契約などについて「具体的な内容は購入手続きに支障を及ぼす恐れがあるため、答えを控える」とする答弁書を決定しました。日本共産党の田村貴昭衆院議員が提出した質問主意書(4日)への答弁。(質問主意書)(答弁書)
防衛省が今年1月下旬から実施した現地調査についても「自衛隊の利用計画の検討や米軍との協議に支障を及ぼす恐れがある」として答えませんでした。
田村氏は質問主意書で、近隣の種子島への騒音被害や環境破壊の不安から地元住民による反対運動が起きているとし、「地元住民や自治体の頭越しに進めるのは重大だ」と強調。「地元同意がない限り移転を進めないか」とただしました。政府は答弁書で「地元にさまざまな意見があるのは承知しており、思いを受け止めながら対応する」とだけ述べました。
防衛省は、同島の大半を所有する開発会社「タストン・エアポート」(東京都)と売買交渉を進め、11月29日に約160億円で合意。当初鑑定額45億円の3倍超に上りました。(しんぶん赤旗 2019年12月18日)