住民強制排除やめよ 長崎・議連と県民ネット 石木ダム建設見直し要請

国交省の担当者(手前)に要請書を手渡す超党派の議員と県民ネットワークのメンバ=24日、東京都千代田区 長崎県と同県佐世保市が川棚町川原(こうばる)地区に計画する石木ダム建設に伴う強制収用に反対する議員連盟と県民ネットワークは12月24日、同ダム建設の事業認定を見直すよう赤羽一嘉国土交通相に要請しました。

 
 要請書は、ダム建設予定地に住む13世帯を行政代執行で排除しようとする動きについて「極めて深刻な人権侵害だ」と指摘。2013年の事業認定そのものが現実に合わないとして「住民を強制的に排除して行うダム建設が本当に必要なのか、再検討すべきだ」と強調しています。
 
 また、来年2月末までに議員連盟・県民ネットワークとの協議の場を設けるよう求めました。
 
 赤羽氏や副大臣は応対せず、要請書は国交省の担当者が受け取りました。
 
 要請後の報告集会では、水源開発問題全国連絡会の嶋津暉之共同代表が「石木ダムは治水・利水の両面で不要」と題して講演しました。
 
 長崎県から3人の地方議員が参加。川原地区に住む炭谷猛・川棚町議(無所属)は「13世帯の誰もが川原での生活が一番いいと思い続けています。まだダムは影も形もできていません。中止させるまで頑張り続けたい」と力を込めました。
 
 議員連盟のメンバーでもある日本共産党の田村貴昭衆院議員は「石木ダムは(当初の計画から)50年がたっても完成していません。全国に支援の輪を広げ、無謀な計画を断念させる運動を広げていきたい」と述べました。(しんぶん赤旗 2019年12月25日)