「森は辞めよ」。いまに始まった話ではない。森喜朗氏が首相の時に、日本は「天皇を中心としている神の国」と言い放ち、内閣支持率は急落。高まる国民の「辞めろ」の声に、同じ姓の森さんが当惑したことを思い出す。
森氏の暴言・放言は枚挙にいとまがないが、今回の「女性がたくさん入っている会議は時間がかかる」「女性の発言時間を制限する必要がある」に至っては言語道断、アウト!だ。女性蔑視、女性差別に加え、黙っているのが「わきまえている」との物言いは、民主主義の根幹にかかわるもので、およそ東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の資格はない。
国内はもとより世界から抗議の声が大きく広がっている。にもかかわらず、菅首相は動かず、二階幹事長に至っては、ボランティア辞退続出に「瞬間的」「また新たなボランティアを募集する」と言いたい放題。全く事の重大性がわかっていない。情けないことに二階氏の両隣にいる女性国会議員は、じっと立っているだけ。自民党、だめじゃこりゃ。
日本は男尊女卑の国、ジェンダー平等に理解がないと思われたら大変だ。声を上げよう、挙手をしよう。「私は発言します」
森氏のお孫さんが猛烈に怒っていて、寝られずに会社も休んだという。森氏に電話で「『すぐ辞めて。おじいちゃんが辞めなければ、私が会社を辞める』と」(「毎日」7日付)
お孫さん、会社の会議で発言できないじゃないか。それとも女性は孫娘であっても、黙っていろということか。
身内まで不幸をもたらした。森会長、お辞めなさい。(しんぶん赤旗 2021年2月10日)