赤旗「水曜随想」 政府動かす質問どう料理/衆院議員 田村貴昭

obenntou 国会にいるときは基本的に自炊。コメを炊き、味噌(みそ)汁を作り、弁当持参で8年になる。マイペースでやっているので苦にはならないし、食材の購入がまた楽しい。九州各県で道の駅や直売所で珍しい野菜を見つけるとリュックに詰めて東京へ。羽田空港に降り立ったら、構内にある青果店に直行。有機栽培のバナナ、ニンジンが、スーパーで買う通常のものより安いのにびっくり。リュックはパンパンに。
 
 ふと考える。資材高騰のもとでも、農家はおいそれと価格転嫁できないのだよなあ。
 
 過日、おにぎりを作っていると、NHKの朝のニュースに東大の鈴木宣弘先生が登場。
 
 コロナショック、ウクライナ・・・「『お金を出せば食料は輸入できる』は通用しない。国内の食料・農業を守ることこそが防衛の要、それこそが安全保障だ」。
 
 その通り。食料自給率38%、輸入依存、農水省に危機感はあるか。米価下落に無策、「コメ作って飯食えねえ」状況を作り、さらに補助金削減とは、悪循環そのものだ。
 
 昼休み、「しんぶん赤旗」日曜版をパラパラめくりながら、弁当をぱくつく。料理研究家の土井善晴さんが「日々の暮らしは一汁一菜でよい」。うんうん、この言葉にどれだけ励まされるか。まさに、野菜の切れっ端でも、具だくさんの味噌汁はごちそう。一汁一菜プラス一品ならなお上等。
 
 収穫の秋。大地の恵みに感謝。しかしいま、生産者は肥料、飼料、燃油の高騰が死活問題となっている。「牛を売っても餌代にもならない」「この機会に農業をやめてしまおうか…」
 
 臨時国会が開会した。物価高騰対策が重要テーマの一つだ。肥料・飼料・燃料の高騰に政府は思い切った支援を。いまこそ消費税減税、インボイスは中止へ。政府を動かすために、質問作りにかかろう。さてどう料理するか。(しんぶん赤旗 2022年10月5日)