その昔、自民党地方議員団の酒席の場を偶然見かけた。メンバーは全員男性。女性のコンパニオンが多数呼ばれていて、びっくりした。議員団に女性がいたらどうしていただろう。いまだにあの光景を思い出す。
今年、自民党青年局が露出度の高い衣装の女性ダンサーを招いたことに、国民の批判が殺到した。根深い女性蔑視、変わらんなあこの党は。主催した議員は「多様性の重要性を問題提起したかった」と。選択的夫婦別姓も同性婚もかたくなに拒否して、多様性とは聞いてあきれる。
先日、上川陽子外務大臣が選挙の応援で「うみの苦しみにあるけれども、ぜひうんでください」「この方を私たち女性がうまずして何が女性でしょうか」と演説。聴衆の多くは女性。上川氏の念頭に「女性=出産」が念頭にあったのは間違いない。
こんな企画をしたら、こんな発言したら、どう思われるか――そういう想像力が自民党には働かないのであろうか。だとしたら政治家失格。裏金議員ともども退場いただきたい。
日本共産党は男女平等、ジェンダー平等にずっと取り組んできた党。しかし時には間違いもあった。大事なのは検証してただすことだ。かくいう私も人生振り返ると、反省すべきところはたくさん。多様性を認め合い、個人の尊厳を大切にする。これに照らして、自らの言動はどうなのか。胸に手を当てて考えてみる。
「ご主人」「奥さん」。訪問時などに使っていた言葉も、「おつれあいさん」に置き換えるようになった。ご夫婦には下の名前を聞いて○○さんと呼ぶと親近感が増し、会話か弾むことも覚えた。
「男だろう、泣くな」と言われて育った世代。大人になっても「男は台所に入っちゃダメ」を九州各地で聞いてきた。いや、泣きたいときには泣きますよ、誰だって。私、台所好きなんです。男は、女はかくあるべき・・・ジェンダーは、労働のあり方や社会保障など作った政治による性差。ここか根源。だからこそ政治が解決しなければ。(しんぶん赤旗 2024年5月22日)