赤旗「水曜随想」 今でも米が好き/衆院議員 田村貴昭

459958441_7444763292293261_2699188522661754637_n 父は富山の出身で、米にうるさかった。炊飯の水加減が悪いと不機嫌。少し柔らかめの炊き立てに目じりを下げ、晩酌のあとは必ずご飯を漬物といっしょにかっ込んでいた。パクパクと。その姿を見続けてきたものの、私は典型的な学校給食・パン食世代だ。朝食もパン、夕食までのおやつもパン、米飯給食はまだなかった。今思えば、アメリカの食糧戦略にまんまと乗せられていた。
 
 かといって、米離れしたのではない。学生時代、定食屋さんで「お代わりしていいよ」と言われ、調子に乗って食べていたら「3杯までよ」とくぎを刺された。若い頃はよく食べたなぁ。米が好き。米を原料にした酒も好き。米なしには生きてゆけない。今でも弁当はおにぎりと決めている。
 
 歴代自民党政府は長年にわたって、米の減反・減産を農家に押しつけてきた。コロナ禍の3年では60万トンも減らした。今回、スーパーなどの米棚が空になった要因は、物価高、昨年の米不作、インバウンド、災害時の買いだめと、いろいろ指摘されているが、それでも需要増はたかだが11万トンである。
 
 店頭に米を並べる手だてを打たない。91万トンある政府備蓄米も活用しない。先日、新聞にこんな風刺川柳があった。「備蓄するためだけにある備蓄米」。政府は「いずれ新米が出てきて落ち着く」と無責任な態度をとり続けきたが、店頭に並んだら、価格は昨年と比べて大きく上昇。「高くて買えない」事態を招いている。
 
 しかし、5キロ3000円の小売り価格でも、お茶わん1杯分はわずか40円。ペットボトルの水やパンよりはるかに安く、米づくりのコスト割れは変わらない。米作農家の時給はわずか10円だ。農家も泣かせ、消費者も泣かせる。この間、JAや生産者から不満の声を数多く聞いた。無策・無責任のオンパレード。許せん、もう自公農政を変えないと。
 
 米をしっかり食べて、たたかう力をつけよう。よし、今日もおにぎり弁当つくって、がんばろう。(しんぶん赤旗 2024年9月18日)