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「天井がこわい」――今も続く地震
今も活発な地震活動が続いています。発災から1カ月以上たった今も地震が収束せず、5月20日現在で、震度1以上の体に感じる地震の回数は1600回を超えています。避難所にいる方に加え、多くの被災者が車中泊、テント泊、損壊した自宅での「避難」生活を余儀なくされています。
「ずっと船に乗っている感じ」。そんな感想を聞きました。「家に帰るのがこわい」「天井のないところで寝たい」という声を各地で聞きました。地震が収束せず、被害家屋や被災者の被害の実態もまだつかめない。それが熊本地震の特徴であり、難しさがあります。
支援金を500万円に。住宅再建に公的支援を
住宅の再建は、被災者の生活と被災地の復興の基盤であり、生活再建への希望がもてるような支援が求められています。かなりの規模での仮設住宅の建設が必要ですが、一部の自治体でようやく着工されたところです。用地の確保をはじめ、仮設住宅建設への支援の強化が必要です。
5月13日、共産、民進、生活、社民の野党4党で、災害で被害を受けた住宅再建などに対する支援金の上限を300万円から500万円に引き上げる「被災者生活再建支援法改正案」を衆院に共同提出しました(写真)。被災地では「300万円はありがたいが住宅の再建にはまだ遠い」と、拡充を望む声を数多く聞きました。わが党がかねてから要求してきたことが、共同提出に至ったことは大きな前進です。何としても可決して、被災者の願いにこたえたいと思います。
企業が被災したため、解雇・休業も相次いでいます。震災にともなう労働相談は1万件を超えました。就労支援、緊急雇用対策の具体化も急がれます。また、熊本県をはじめ被災自治体からは「10分の1が地元負担という激甚災害制度では予算を全部注ぎ込んでも復興できない」という痛切な声があがっています。「財政負担」への不安で、復興に取り組むことができない状況に陥ることは絶対に避けなければなりません。
「熊本地震災害に対する申し入れ」を行った翌日、地元紙の熊本日日新聞は「復旧・復興は、全額国庫負担で」というわが党の提案を取り上げ、河野防災担当相が「しっかりやる」と応じたことを報道しました(5月13日付)。
熊本の被災地には志位委員長、小池書記局長、藤野政策委員長、そして、仁比議員、真島議員をはじめ、多くの共産党国会議員が入っています。現地の要求、たたかいと結びつけて、復旧・復興への提案、国会質問に結びつけています。衆参で躍進した国会議員団のチーム力、機動力を実感しています。
私も発災後、熊本に10回、大分に2回足を運び、被災者の声を政府に届けて活動してきました。「やっぱり最初に来てくれたのは共産党だった」「本当に頼りになるばい」。そんな声を避難所で何度となく聞きました。集落移転がとりざたされる南阿蘇の立石地区へ連休に伺ったら、「初めて政治家がきてくれた」と商店主からたいへん感謝されました。
人々の苦難あるところに出かけ、その解決に知恵と力を注ぐ――日本共産党の活動の真骨頂を実感する日々。一日も早い復旧・復興へ全力を挙げる決意です。
福岡県党と各地区委員会、議員(団)が、被災地支援でかけがえのない役割を果たしています。新幹線と高速道路が不通の中、本震の直後から被災地へ水、食料、物資を届けて大奮闘。熊本の被災者を励まし、たいへん喜ばれています。改めて敬意を表します。
災害復旧、生活と生業の再建には、長い年月がかかります。九州は一つ。被災者と被災自治体に寄り添って、支援の力をお互い発揮してゆきましょう。
※別項 熊本地震災害に対する申し入れ(第3次=5月12日発表)日本共産党国会議員団
1 被災者の命と健康を守るために、避難所をはじめ被災者の生活環境を急いで改善する
2 必要な仮設入宅を早急に建設する
3 住宅再建に対する公的支援を実態に合わせて抜本的に強化する
4 中小業者、農業、観光など、事業者が受けた大きな打撃から立ち上がることができるようにする支援や雇用を守るための必要な支援を行う
5 復旧・復興は、全額国庫負担で行うことを明確にして、被災自治体が、被災者の生活再建と復興に全力をあげられるようにする
(福岡民報 2016年6月号 No.1651号)
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