農民運動全国連合会(農民連)の笹渡義夫会長らは6月24日、新型コロナウイルス感染拡大の影響から畜産農家やコメ農家の経営を守る緊急対策をとるよう農林水産省に要請しました。
要請では、肉用牛肥育の標準販売額(粗利益)が生産費を下回った分の9割を補てんする「肉用肥育経営安定対策交付金制度」(牛マルキン)で、4分の1を占める生産者負担金を免除するとともに、交付額の免除相当分の減額をやめ、政府が手当てすることを要求。コメでは、需要減で在庫が増大している2019年産米を備蓄米として買い上げ、米価の暴落を阻止するよう求めました。
笹渡会長は「これまでに経験したことのない事態であり、従来の枠組みを超えた緊急対策をとるべきだ」と訴えました。
オンライン参加した宮崎、岩手両県の農民連の代表は、「経営が続けられる支援を」と要求。
福島県農民連の佐々木健洋事務局長は、粗利益の算定単位を都道府県別からブロック別に変更すれば、農家収入が大きく減ると述べ、「早急に見直しを」と求めました。
コメ対策では、農民連ふるさとネットの湯川喜朗事務局長は、「買い上げで市場環境を改善することが急務だ」と迫りました。
農水省の担当者は「新型コロナの状況や現場のみなさんの声を踏まえ、今後の対策を検討する」と回答しました。
日本共産党の田村貴昭衆院議員が同席し「今の事態は大災害だ。現行制度を超えた対応が必要だ」と語りました。(しんぶん赤旗 2020年6月26日)