台風や局地的な豪雨などによる水害からの復旧支援で、農林水産省はこのほど、7月豪雨の被害に対して、軽トラックなど農業用トラックの修繕・再取得も新たに支援の対象にすることを決めました。農民運動全国連合会(農民連)が繰り返し求めていたものです。
地球規模で気候変動の影響が深刻化するなか、異常気象・災害が頻発。日本でも昨年10月の東北、関東を中心とした台風・豪雨による水害、土砂災害など毎年のように発生する大規模災害で、農民は、営農・生活に大きな被害を受けています。
農民連は、現地への支援とあわせて、営農・生活を守るための支援策を国に求め、トラクター、脱穀機などの被害を受けた機械への支援、ビニールハウスの再建などへの制度の拡充・前進を勝ち取ってきました。
軽トラックについても、収穫物や資機材の運搬など営農に不可欠なものとして購入費用への補助を要求。農水省は「農業以外にも利用される汎用(はんよう)性がある」として認めない考えを示してきました。これに対し、農民連は「軽トラなしで農業ができると思っているのか」「所得税の申告でも日常利用分と案分して経費を計上し、税務署も認めている」「全額ではなくとも、利用割合で案分し、農業利用相当分を基準に補助を」と繰り返し求めてきました。
日本共産党の紙智子参院議員、田村貴昭衆院議員は、軽トラックが営農に不可欠なものだとして繰り返し支援するよう求めてきました。
今回、今年7月の豪雨で被災した農家を対象に、農業専用トラック(軽トラなど)の修繕・再取得費の2分の1以内を補助します。復旧前の運行記録などが確認でき、復旧後も運行記録などを整備することが条件です。
農民連の吉川利明事務局長は「さまざまな条件が付いていますが、私たちの声で動かした成果です。一人でも多くの農民に支援が届くよう取り組みを進めたい」と話しています。(しんぶん赤旗 2020年8月26日)