鹿児島県西之表市の馬毛(まげ)島への米空母艦載機離着陸訓練(FCLP)移転をめぐり、防衛省は、市内7団体が騒音被害などについて昨年末に提出した公開質問状に対して、回答しない意向を明らかにしました。
防衛省の担当者は本紙の取材に「原則として特定の方々に個別にお答えするのではなく、住民の方々に広く防衛省の考えを説明する方策を検討し、対応したい」と回答。市内7団体が提出した質問状に関しても「個別にお答えすることはない」と回答する考えがないことを明らかにしました。
市内7団体は昨年12月、騒音被害の程度など25項目47問の質問状を提出。2日時点で、市内7団体に防衛省から「個別に回答しない」との説明はなかったといいます。提出団体の関係者は「回答しないのが本当ならば、住民との約束を破ることになる。住民との約束を破る政府に国防は任せられない。賛成、反対の双方の疑問に答えるのが『公平性』ではないのか」と述べました。
日本共産党の田村貴昭議員が2月15日の衆院予算委員会で、1月末の西之表市長選で基地化に反対する八板俊輔氏が再選したことを受け、「民意を受け止めよ」と迫ったのに対し、菅義偉首相や岸信夫防衛相は「地元の理解と協力を得るのが重要だ」と答弁していましたが、防衛省の回答拒否はこれに逆行するものです。(しんぶん赤旗 2021年3月4日)