日本共産党の小池晃書記局長は4月4日、九州・沖縄ブロックのオンライン演説会で、来たるべき総選挙で市民と野党の共闘勝利と比例での日本共産党躍進を実現し、「九州・沖縄から政権交代ののろしをあげよう」と呼びかけました。あかみね政賢(沖縄1区重複)、田村貴昭、まじま省三(福岡9区重複)、まつざき真琴(鹿児島2区重複)の各比例予定候補、各県の小選挙区予定候補が決意表明。オール沖縄の代表や被爆者などが応援メッセージを寄せました。2200カ所以上の視聴会場などで6000人以上が視聴。夕方までに福岡、大分、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄の各県で14人が入党しました。(動画はコチラ)
小池氏は、新型コロナウイルスの感染が再拡大するなか政府が大阪など3府県に「まん延防止等重点措置」適用を決めたものの「すでにまん延している」として、政府の対策の限界を指摘。内容は飲食店への時短要請しかないとして、(1)大規模な検査での感染封じ込め(2)医療機関への減収補填(ほてん)(3)雇用と営業を守る十分な補償(4)東京五輪・パラリンピックの中止―を直ちに実施することを求めました。検査戦略では菅義偉首相が「方向性は同じだが量が違う」としているのに対し、量とスピードが圧倒的に足りないと訴えました。
医療機関への支援が焦点となっているときに、政府が75歳以上の医療費窓口負担の2倍化法案や病床削減推進法案を推し進めていると批判した小池氏。一方で、新年度予算案の軍事費は過去最高だとして、「とりわけ九州・沖縄では米軍と自衛隊の基地強化の動きが進んでいる」と指摘。長崎・佐世保基地の強化や、福岡・築城基地、宮崎・新田原基地など九州各地で進む米軍基地化の動きを紹介しました。
鹿児島県の馬毛島では、1月の西之表市長選で示された民意に耳を貸さず、米軍空母艦載機の離着陸訓練移転など軍事基地化が進められていると述べ、「まるで“第二の辺野古”だ。政府は住民の審判を受け、基地建設を断念せよ」と訴えました。
また、沖縄ではコロナ危機のさなかに民意を踏みにじる米軍・辺野古新基地建設が進められていると糾弾。戦没者の遺骨が眠る地域の土砂を埋め立てに使う計画を批判し、「戦没者を冒涜(ぼうとく)する土砂採取計画を撤回させよう。辺野古新基地はきっぱり中止し、普天間基地の無条件撤去をアメリカ政府に求める本気の交渉を」と主張。「軍事に頼らず、憲法9条を生かした積極的な平和外交への転換を」と呼びかけました。
比例90万票・2議席以上へ
小池氏は、「自助」を強調する菅政権に対し「政治の責任は『公助』。コロナのもとではなおさら」と批判しました。日本の進路をめぐり対決軸が浮き彫りになっているとして、「経済効率のみを優先し、医療や介護を切り捨てる新自由主義の政治か、大本からの転換が問われている。今こそ野党が連合政権構想で新しい社会の姿を示すとき」だと訴え。「ケアに手厚い社会」「人間らしく働けるルール」「ジェンダー平等社会」など、党が提起した、コロナ危機を乗り越えて新しい日本をつくる「五つの提案」の内容を詳しく語り、「共産党が政権交代に挑戦するという、結党99年の歴史でも初めての総選挙。総力をあげる決意だ」と力を込めました。
「日本共産党」という党名について小池氏は、気候危機や貧富の格差拡大を解決できない利潤第一の資本主義を乗り越える展望が込められていると紹介。「アメリカいいなり、大企業中心政治を変えるためにぶれずに取り組めるのも、大きな展望を持っているから」と述べ、「党名に込めた壮大なビジョンを語っていこう」と呼びかけました。
九州・沖縄は、基地も原発も押し付けられ、地震・豪雨災害、自民党農政などに苦しめられてきたと指摘。一方で、有明海再生、水俣病被害者救済、石木ダムや川辺川ダム建設阻止、オール沖縄のたたかいなど「住民のたたかいが力強く進んでいる」と強調しました。
小池氏は最後に「自民党政治の矛盾が集中する九州・沖縄で共産党が躍進すれば、全く違う九州・沖縄を実現できる」と述べ、比例で90万票、2議席以上への躍進を訴えました。(しんぶん赤旗 2021年4月5日)