昨年7月の熊本県南部の「球磨(くま)川豪雨災害」で被災し再建の見通しが立っていないJR肥薩(ひさつ)線の全線鉄路での早期復旧を求め、日本共産党熊本県委員会は9月2日、福岡市のJR九州、九州運輸局に要請をしました。田村貴昭衆院議員が同席しました。
松岡勝県委員長は、党県委員会が発表した「JR肥薩線全線再建についての提言」に基づき(1)改正鉄道軌道整備法を適用しての再建(2)「球磨川豪雨災害」による洪水水位以上のかさ上げ・高架(3)川辺川ダム建設中止で再建費用は十分確保可能―と提案。その上でJR九州に「国や県との協議を促進してほしい」、九州運輸局に「リーダーシップを発揮してほしい」と求めました。
山本伸裕県議は「宅地や道路と一体にかさ上げすれば復旧費用も抑えられる」と提案。本村令斗・人吉市議は「観光・温泉協会は肥薩線が止まっていることがダメージだと言っている」と語りました。
九州運輸局の小原勝鉄道部長は「鉄道が被災したら鉄道で復旧する方向で、全力で取り組んでいくことは揺るぎない。鉄道軌道整備法適用も当然視野に入ってくる」と回答。
JR九州の堀江秀理経営企画部担当部長は「復旧費をつかみたい。大前提となる河川計画を早く見極めたい」と述べるにとどまりました。
田村氏は「人がいてこそ集落や地域が守られ国土形成につながる。それを支えているのが鉄道ネットワーク。改正法も使って地域の足を守ってほしい」と訴えました。 (しんぶん赤旗 2021年9月4日)