農民運動全国連合会(農民連)と農民連ふるさとネットワークは3月24日、燃油・飼料・資材の高騰対策や水田活用の直接支払交付金(水田交付金)の見直し中止などを農林水産省に要請しました。
(1)資材高騰への支援拡充(2)水田交付金の「見直し」中止と自給率の低い畑作物への支援強化(3)「みどりの食料システム戦略」に小規模家族農家への支援を位置づける(4)欧州や米国並みの直接支払い・不足払い制度の実施、穀物・乳製品などの備蓄制度の拡充―を求めました。
農民連の長谷川敏郎会長は、輸入小麦の政府売り渡し価格が今年4月期で1トン7万円を超えてさらなる上昇が懸念され、資材、飼料の高騰と「注文しても届かない」事態が広がっていることを指摘。「すでに食料危機は始まっている。いまこそ大豆、麦をはじめ国内生産を増やす農政への転換こそ必要だ」と訴えました。
政府は水田交付金について、今後5年間一度も水張り(水稲の作付け)しない水田は除外▽2022年度から、牧草で刈り取りのみの年は単価引き下げ―などを狙っています。
笹渡義夫副会長は「地方議会、農業団体から撤回を求める声が広がっている」、北海道農民連の富沢修一書記長は「50~60ヘクタールやっている農家は先々の見通しが立たない」と批判。農水省は「21年産で対象になった人は22年度も対象になる」としましたが、交付金「見直し」はあくまで進めるとしました。
日本共産党の田村貴昭衆院議員が同席し、交付金「見直し」撤回を求めるとともに「食料・飼料・肥料の海外頼みの状況を改める時だ」と述べました。(しんぶん赤旗 2022年3月25日)